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| colored by Masumi Chiba |
安定感と不安定感という色彩心理を、大人の塗り絵の配色に活かすことも可能です。今回はこの色彩効果を取り入れた塗り絵作品をご紹介します。
■ 色彩心理を塗り絵に取り入れる
上の画像は、ジョハンナ・バスフォードさんの「ふしぎな王国」の中から私が塗ったものです。
・上は明るく、下は暗く
オレンジ、グリーン、パープルの 3色を中心に配色しました。そして、画面全体に安定感が出るよう、明るいオレンジを上に、オレンジよりも暗いグリーンとパープルを下に配置しました。
このように、上方を明るい色、下方を暗い色にすると、安定感が生まれます。これは、色による心理効果の影響です。
・色の軽重感と活用法
色には、軽そうに見える色と、重そうに見える色があります。このような重さに関する感覚を 「軽重感」 といいます。
軽重感には色の明るさ(明度)が関与し、明るい色ほど軽く見えますし、反対に暗い色ほど重く見えます。
また、人は、軽いものが上、重いものが下、という配置から安定感や安心感を受けます。ですから、インテリアカラーも、天井は明るい色、床は暗い色という配色が多いですね。
では、逆のパターンで、上方を暗い色、下方を明るい色にすると どうでしょう?この場合、安定感と反対で、どこか不安定な感じになります。
不安定というと、なんとなくネガティブなイメージがありますが、けっしてそんなことはありません。
不安定、つまり 安定していない感じ は、動的なイメージにつながります。この点を利用して、スポーティーさやダイナミック感をつくることができます。
画面を安定させたいか?それとも アクティブな感じにしたいか?
このような視点から全体的な色の配置を決めるのも一つの方法です。ぜひ一度お試しください。
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