Photo by Masumi Chiba |
ご覧くださって ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。
先日ある新聞の投書欄に、80代読者からの
お正月TV番組に対するご意見が掲載されていました。
その中に、
バラエティ番組のセットはどれも色彩が「サイケ調」で、
刺激が強いため、幅広い年代の人々が見るのにふさわしくない
というご指摘が含まれていました。
さて、「サイケ調」と聞いて、どんな色か思い浮かびますか?
「サイケデリックカラー」「サイケ調」
ある年代以上の方、あるいは色を勉強された方は
ご存知かと思いますが、「サイケ」 とは
「サイケデリック (Psychedelic) 」の略です。
サイケデリックとは、原色や蛍光色を多用した
派手なデザインやファッションなどを指します。
サイケデリックカラーは1969~1971年頃の流行色で、
蛍光色のように鮮やかで刺激的な色のことです。
代表色は 紫、ピンク、黄緑 など。
LSDなどのドラッグによる幻覚症状で
見られる色と言われています。
写真のパッケージ色がそれに近いと思います。
( 4年前にパリのスーパーで見つけた
ボックスティシューで、右側の箱に
描かれているのは 高田賢三さん!)
現代人の目は、高性能なディスプレイの
テレビ、PC、スマホなどの影響で、
明るさや鮮やかさに慣れてしまっています。
それに伴い、作り手側も
より彩度(鮮やかさ)の高い色を提供します。
その結果、高彩度色に慣れていない方々の目には、
このご意見のように 「サイケ調」 の色と
映るのではないかと思います。
色の鮮やかさに対する配慮が
必要になってきているようですね。