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2026年8月26日水曜日

「不調和の調和」とは?~調和の先にある魅力

色とりどりの花を集めた花束(AIによる生成画像)

前回の記事「ナチュラルハーモニーとコンプレックスハーモニー」では、コンプレックスハーモニーは「不調和の調和」とも呼ばれることについて触れました。

色彩検定2級の試験では、「『不調和の調和』」といえば「コンプレックスハーモニー」と捉えていただいてよいでしょう。ただし、この言葉にはさらに広い意味があります。

そこで今回は、「不調和の調和」が指し示す内容について、もう少し掘り下げていきます。

▼前回の記事はこちらからどうぞ
「ナチュラルハーモニーとコンプレックスハーモニー」


「不調和の調和」とは

「不調和の調和」は配色に限ったことばではありません。音楽やアート、文学などの世界でも使われている表現です。音では不協和音、文学では矛盾を含んだ表現などが、その一例として挙げられます。

どの分野においても、一定のルールに基づく整然とした美しさ(調和)から外れた違和感や意外性から生じる魅力が感じられます。コンプレックスハーモニーも、自然な色の見え方と異なることに、新鮮さがあります。

そう考えると、コンプレックスハーモニーに限らず、色彩調和をつくる配色から少しはみ出せば、「不調和の調和」と呼べる配色になりそうです。具体的な例を考えてみましょう。


「不調和の調和」の配色例

身近な「不調和の調和」による配色例として、ファッションでのイエローベース(イエベ)とブルーベース(ブルベ)を組み合わせたコーディネートが挙げられます。

青みを感じるネイビーのスーツに、黄みの強いブラウンの靴を合わせる。黄みを感じるブラウン系やオレンジ系のメイクに、青みピンクのリップカラーを合わせるなどの組み合わせは、多くの方が取り入れていると思います。これらは、調和する色の系統から少し外れていて、「不調和の調和」と呼べる配色と言えます。

その他、3色以上の配色の場合、類似色相配色の一色だけを中差色相にしてみる、同一トーン配色の一色だけを類似トーンにするなど、少しだけ色を外すことでも「不調和の調和」の効果が得られます。


AIが描く「不調和の調和」

さて、「不調和の調和」をAIはどう捉えているかを探るため、画像生成の実験をしてみました。AIのGeminiに対し、「花束の画像を生成して欲しい。複数の色合いの花が入ったもので、『不調和の調和』を取り入れた配色で。」という指示(プロンプト)を与えて、生成されたものがトップの画像です。

さらに、「この画像で、『不調和の調和』は、どのように反映されているか?」とGeminiに尋ねたところ、次のような回答でした。

・色相環の対立(補色・複雑な多色配色)
・トーンのアンバランス(明度・彩度の不揃い)
・形態と質感の対比

一見すると配色理論における「調和ルール(類似色や一定のトーン統一)」からは外れた対立・衝突のある組み合わせですが、それぞれの強い色彩と形状が拮抗し合うことで、洗練された一つの大きな花束として成り立たせています。

このようにGeminiは、色彩調和のルールからはみ出し、さらには要素を対立させることで「不調和の調和」を表現しました。

はっきりとした対立関係や対比は「不調和の調和」に含まれるのか、あるいは、そのまま「対比による調和」と呼ぶべきかという点は、悩むところです。

私自身は、「不調和の調和」は対比のもっと手前にあり、違和感として捉えられる程度の小さなズレの範囲という感覚を持っています。そのため、Geminiによる色彩表現は、調和をはみ出すという方向性においては想定内ですが、少し行き過ぎてしまったように思いました。


「調和」の一歩先にある魅力

「不調和の調和」は、一見難しそうですが、調和からはみ出た魅力と捉えると、わりと身近に感じられます。

ただし、「不調和の調和」をつくる、すなわち調和をはみ出すためには、まず調和が必要です。調和について理解し、調和を得る方法を知った上でこそ、外すことができます。

「不調和の調和」は、調和による美しさの一歩先にある美しさなのかもしれません。


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2026年8月8日土曜日

ナチュラルハーモニーとコンプレックスハーモニー

日が当たる部分が黄みを帯びて見えているアイビーの葉
Photo by Masumi Chiba

よく晴れた日に庭先や公園の緑を見て、「日が当たる部分は黄色っぽく見え、日陰の部分は青っぽく見える」と感じたことはありませんか。

このような自然の色の見え方を取り入れたナチュラルハーモニーと、その反対のコンプレックスハーモニー。2つの配色方法について解説します。


ナチュラルハーモニー

同じ物体の色でも、光が当たる明るい部分は黄みを帯びて見え、光が当たらない暗い部分は青みを帯びて見えます。このように、明るさによって色相が変化することを「色相の自然連鎖」といいます。

「色相の自然連鎖」に沿った配色がナチュラルハーモニー(ナチュラル配色)です。ナチュラルハーモニーでは、色相が黄に近い色を明るく、青紫に近い色を暗くします。

例えば、ナチュラルハーモニーで黄緑と緑を組み合わせる場合は、黄緑は黄に近いので明るく、緑は青紫に近いので暗くします。ちょうどトップの画像の葉のような配色で、自然な雰囲気と安定感があります。


色相環とナチュラルハーモニーの配色例

※色彩検定2級テキストには、ナチュラルハーモニーを配色技法として成立させるための色相の組み合わせが示されています。受験される方は、公式テキストで作り方と成立条件をご確認ください。


コンプレックスハーモニー

ナチュラルハーモニーと反対の組み合わせが、コンプレックスハーモニー(コンプレックス配色)です。コンプレックス(complex)という言葉には、「複雑な、入り組んだ、複合の」などの意味があります。

コンプレックスハーモニーでは、色相が黄に近い色を暗く、青紫に近い色を明るくします。

ナチュラルハーモニーの配色例をもとに、明るさ・暗さを逆にしたのがコンプレックスハーモニーの配色例です。ナチュラルハーモニーの自然さ、安定感に比べ、少々違和感がある組み合わせです。


色相環とコンプレックスハーモニーの配色例

不調和の調和

コンプレックスハーモニーで感じる違和感は、マイナス要素とは限りません。自然な色の見え方と異なることから生まれる新鮮さがあり、ナチュラルハーモニーとはまた違った魅力が感じられます。このことから、コンプレックスハーモニーは「不調和の調和」とも呼ばれています。

「不調和の調和」は、大変面白い言葉だと思います。自然な色の見え方や、まとまりのある配色だけが美しいのではなく、多種多様な色の組み合わせが人の心を惹きつけることを教えてくれているように感じます。


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ナチュラルハーモニー_トリセツ用.html HTML

2026年7月4日土曜日

モノトーン配色とは?白黒とは限らない

古い本を映したセピア色のモノトーン画像
photo by Masumi Chiba

「モノトーン」という言葉は、配色や色彩の表現としてよく使われる言葉です。「モノトーン」という言葉から白・黒の無彩色をイメージされる方が多いと思いますが、色彩用語として捉えると無彩色配色とは限りません。

この記事では、「モノトーン」はどんな配色を指し示すのか、その意味や背景を解説します。


「モノトーン=無彩色」とは限らない

ファッションやインテリアなどの分野で「モノトーン」と言えば、一般的に白・黒・グレーの無彩色による配色を意味します。

一方、色彩用語としての「モノトーン」は無彩色配色とは限りません。一つの色の濃淡や明暗、つまり色相を変えずに明度や彩度を変化させた色で構成した配色のことです。例えば、トップの古い本の画像はセピア色を使用したモノトーン画像で、セピア色の明るさを変化させた色で構成されています。

つまり、「モノトーン」は日常的には無彩色配色を指しますが、色彩学の視点では一つの色を変化させた配色で、無彩色配色を含む概念です。


「モノトーン」と「モノクローム」

「モノトーン(monotone)」の語源をたどると、もとは音楽用語で、「モノ(mono)」は「一つの」、「トーン(tone)」は「音調」を意味し、一本調子で単調なことを表していました。後に、美術の分野でも用いられるようになり、現代日本では色彩用語として使用されています。

「モノトーン」と同じ意味で使われる言葉に「モノクローム(monochrome、略してモノクロ)」があります。こちらは絵画・芸術用語で、「モノ(mono)」は「一つの」、「クローム/クロマ(chrome/chroma)」は「色」に関わる語で、「一つの色」による単色・単彩画を表しています。

どちらも「一つの」という意味を含み、無彩色かどうかではなく、統一性や単調さを伝える言葉です。


「無彩色」のイメージはなぜ広がった?

「モノトーン」も「モノクローム」も、本来は無彩色だけを指しているわけではありませんが、そう理解されているのはなぜでしょう?

その発端として、1980年代のDCブランドブームにおいて、「モノトーンファッション」の名で黒を基調とする無彩色ファッションが大流行した点が挙げられています。特に黒の人気は高く、「ジャパンブラック」「カラス族」などの言葉も生まれ、「モノトーン=白・黒・グレー」というイメージが広がる一因になったと考えられます。

さらに付け加えると、英語でも「モノクローム」には無彩色の意味が含まれますが、単一色相配色を「モノクローム」、無彩色配色を「アクロマティック(achromatic)」と区別する傾向もあります。日本では「モノトーン」や「モノクローム」が無彩色配色を指すことが多く、この点は少々特徴的と言えるかもしれません。


「モノトーン」が示す色の幅

これまで見てきたように、「モノトーン」はファッション、インテリア分野を中心に無彩色配色を指しますが、色彩学では無彩色を含む一つの色の濃淡・明暗配色を表します。

そのため、「モノトーン」「モノクローム」という言葉を目にした場合は、無彩色配色だけでなく、有彩色による単一色相配色の可能性もあることを知っておくと、意味の取り違いを防げるでしょう。


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▶ カラーコーディネート|実践⑦ モノトーンのコーディネート
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2026年6月6日土曜日

「きれいな色」と「きたない色」はどう違う?

白やピンク色のツツジの花
photo by Masumi Chiba

「きれいな色」という表現は日常的によく使われています。そして、「きたない色」という言葉にもたまに出会います。これらは感覚的には理解できますが、具体的にどんな色が「きれい」で、どんな色が「きたない」かを説明するのはなかなか難しいものです。

「きれいな色」と「きたない色」はどのような違いがあるのでしょうか。

考えてみると、ポイントはその色が「澄んでいるか、濁っているか」にあるのではないかと気づきました。


「きれいな色」と「きたない色」の傾向

「きれいな色」「きたない色」の判断は感覚によるところが大きく、その基準は人によって幅があると思われますが、一般的に「きれいな色」「きたない色」とされやすい色をざっくりと捉えると、次のような傾向が挙げられます。

  • きれいな色=澄んだ色(明清色)、鮮やかな色(純色)
  • きたない色=濁った色(中間色・濁色)、暗い色(暗清色)

(参考)

  • 純色:最も鮮やかな色
  • 明清色:純色+白
  • 暗清色:純色+黒
  • 中間色(濁色):純色+グレー(白+黒)

トーンマップで見る純色・明清色・中間色・暗清色の違い

そして、これらの傾向は、「きれい」「きたない」という言葉と関係しているようです。


「きれい」「きたない」から生じるイメージ

「きれい」「きたない」は、とても身近な表現です。例えば、「手をきれいに洗う」「部屋がきたない」など、日常生活の中でよく耳にします。

この2つの言葉には、基本的に次のような意味があります。

  • きれい:清らかで美しいこと、汚れが無く清潔であること
  • きたない:汚れていること、不潔

「清らか」や「清潔」からは澄んだイメージが生まれ、澄んだ色調の色と結びつき、反対に「汚れ」「不潔」からは濁ったイメージが生まれ、濁った色や暗い色と結びついているのではないでしょうか。この関係を簡単に表すと、次のようになります。

  • きれい(清らか・清潔)→澄んだイメージ→澄んだ色
  • きたない(汚れ・不潔)→濁ったイメージ→濁った色

このように捉えると、色そのものよりも、言葉のイメージによる影響が大きいと感じます。


赤を例にして

それでは、具体的に色を確認してみましょう。下の図は、赤を各トーンに変化させたトーンマップです。

赤のトーン変化を表したトーンマップ

この図で一番上の行の青い丸の3色が明清色、一番右側の橙色の丸が純色で、「きれいな色」とされやすい色です。

中間に位置する5色は中間色、一番下の行の赤い丸の3色が暗清色で、「きたない色」とされやすい色です。中でも彩度や明度が低い色は濁りや暗さの度合いが大きく、「きたない色」という印象につながりやすいようです。


「きれいな色」「きたない色」は単純に分けられない

このように、一般的に澄んだ色や鮮やかな色は「きれいな色」、濁りのある色や暗い色は「きたない色」と表現される傾向があること、そしてその背景には「きれい」「きたない」という言葉が生むイメージが関係している可能性があることをご紹介しました。

その一方で、状況に応じて色の見え方は変化しますので、すべての色が単純に「きれいな色」「きたない色」と分類できるわけではありません。

実際に、色は質感や置かれた環境などによって、さまざまな美しさを発揮するものです。そのお話については、また別の記事で綴りたいと思います。

また、「きれいな色」「きたない色」という言葉からAIはどのような色を生成するのか、実際に試してみる予定です。


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2026年3月7日土曜日

【色の話】エスニックカラーとは?スパイシーカラーとの違い

エスニックカラーのイメージとスパイシーカラーのイメージ
エスニックカラーのイメージ(左)と、スパイシーカラーのイメージ(右)

エスニックカラーとスパイシーカラー。なんとなく思い浮かぶけれど、違いが分かりにくい色の呼び名ではないでしょうか。

この記事では、それぞれの名前の由来や具体的にどのような色を指すのか、そして両者の関係についてご紹介します。


エスニックカラーとは

「エスニック(ethnic)」は「民族の」「民族特有の」という意味で、「エスニックカラー」は、ある特定の民族や地域に特有の文化、歴史に根差した色を指します。日本では主に中東、アフリカ、アジア、中南米などの非西洋圏の伝統的な色彩をエスニックカラーと呼んでいます。

色の特徴としては、彩度が中~高の鮮やかなトーンの色彩であることが挙げられますが、中には深みのある落ち着いた色も見られます。例えば、アフリカンカラーと呼ばれる赤・黄・緑や、ターコイズ、オレンジ、キャメル、黒などが代表的です。

エスニックカラーをファッションやインテリアに取り入れる場合は、素材や柄もエスニック調で揃えると全体の雰囲気が高まります。

エスニックカラーの配色例(ターコイズ・オレンジ・マゼンタなど)
エスニックカラーの配色例

スパイシーカラーとは

スパイシーカラーは、「スパイス(spice)」に基づく色の呼び名で、香辛料の色、あるいは香辛料を連想させる色を意味します。

主に中彩度の色で、ターメリック(うこん色)、シナモン(肉桂色/にっけいいろ)など、植物に由来する暖かみのある暖色が中心です。

スパイシーカラーは食品パッケージやファッション、メイクなどに取り入れられることが多く、単色でもアクセント効果を生む「スパイス」として取り入れられることがあります。

スパイシーカラーの配色例(ターメリック・チリなどのスパイスをイメージした色)
スパイシーカラーの配色例


エスニックカラーとスパイシーカラーの関係

エスニックカラーとスパイシーカラーの関係を見ると、スパイシーカラーはエスニックカラーの中に見られる代表的な要素の一つと考えることができます。エスニックカラーは先ほど述べた通り民族や地域の文化・伝統に基づき、スパイシーカラーはスパイスという食文化に関わるものであるからです。色合いも、エスニックカラーと比べてスパイシーカラーの方が色の範囲が狭くなっています。

しかし、スパイシーカラーは一つの色の表現として成り立っているので、エスニックカラーに含まれるというよりも、重なりながら独立しているという感覚が近いかもしれません。

・エスニックカラー:文化・伝統に由来/鮮やかな色が中心/色の範囲が広め
・スパイシーカラー:香辛料に由来/暖色が中心/色の範囲がやや狭い

この違いを押さえておくと、それぞれの色の表現がより的確になり、イメージを深めることができることでしょう。

次回は、AIは「エスニックカラー」と「スパイシーカラー」をどのように表現するかを試してみたいと思います。


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▶大人の塗り絵|配色のヒント⑦ エスニックカラーを取り入れる




2026年2月13日金曜日

反対色とは?~反対色が表す2つの意味

反対色はどの組み合わせかを示す赤と緑・赤と青緑・赤と青の比較図

「反対色」は色を説明するときによく使われる言葉ですが、その使われ方を見ていると、指し示す色には幅がありそうです。例えば赤の反対色を青緑という場合もあれば、緑ということもあります。

この記事では、「反対色」とはどんな色なのかを整理し、確認したいと思います。


色相環上での位置関係

反対色の関係を色相環で見てみましょう。


・補色

反対色はどんな色かという問いについて、最も多いのは補色であるという説明です。補色とは色相環上で中心を通って向かい合う色を指します。つまり、反対色は色相環で反対の位置にある色ということです。

例えば、下の図で赤と向かい合う色は青緑ですので、赤と青緑は補色関係にあり、反対色ということができます。


色相環で見る補色と、補色を含むおおよその反対色の関係

黄色と青紫、黄みのだいだいと青なども同様の関係です。


・補色を含む反対側の色

しかし、最初の例で挙げたように、赤の反対色は緑ということもあります。「クリスマスカラーは赤と緑の反対色の組み合わせ」などという表現を見たことがある方もいらっしゃると思います。

この場合は、補色関係を明確に指すのではなく、おおよそ反対側と幅を広げて分かりやすくしているものと考えられます。目安としては、上の画像の青い矢印の範囲あたりです。

赤と緑の他に、黄色と青、または黄色と紫も、反対色とされているのをよく見かける組み合わせです。


性質やイメージによる反対

色相環の位置関係では説明できませんが、反対色と呼ばれる組み合わせもあります。


・温度感

位置関係以外で反対色とされる代表的な組み合わせの1つが赤と青です。赤は暖色で、青は寒色であることから、この2色は身体・心理に与える影響や伝わるイメージが対照的です。そのため反対色と表現されます。

「赤の反対色は?」と聞かれて、「緑」と答える方は色相環での位置関係を、「青」と答える方は色の性質に注目していて、どちらも正解ということができます。


・明暗、イメージなど

また、「白の反対色は?」と聞かれた時、多くの方が「黒」と回答します。この場合は、白は最も明るい色で、黒は最も暗い色であるという明暗がポイントとなっているのでしょう。

中には「赤」と回答もあり、こちらは紅白まんじゅうや紅白歌合戦など文化的な「紅白」のイメージから「赤と白の組み合わせ」を思い浮かべた答えのようです。

このように、明暗などの色の性質、文化を背景とするイメージなどからも、反対の色の組み合わせが成り立っています。


反対色の2つの意味

まとめると、反対色が示す色の関係は、

・色相環での位置で反対側に位置する関係の組み合わせ

・色の性質や文化的イメージなどが対照的な色の組み合わせ

この2つに大きく分けられるといえます。

そのため「反対色」という言葉が出てきたら、何が反対なのかに注目すると、配色の意味や意図、効果などが理解しやすくなります。例に挙げた「赤と青緑」「赤と緑」「赤と青」という組み合わせは、それぞれ違う意味を持つ反対色です。

したがって、最初の画像の答えは、3つともすべて反対色ということになります。

また、反対色の意味を押さえることで、ファッションやインテリア、デザインなどの配色において、反対色を入れてメリハリをつくる、反対色で相対する意味を含めるなど、反対色を上手に取り入れることができそうです。


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2026年2月6日金曜日

黄色は暖色か、寒色か?

黄色いアヒルの人形2体が向かい合っている画像

黄色を目にしたとき、あなたは暖かさを感じますか。それとも冷たさを感じるでしょうか。

この記事では、黄色は暖色・寒色のどちらかという、迷う方が多い黄色の温度感について取り上げます。


色彩学上の分類

黄色の温度感について、色彩検定とカラーコーディネーター検定試験のテキストを確認してみましょう。

色は温度感により次の3つに分類されます。

①暖色 : 暖かく感じる色
②寒色 : 冷たく感じる色
③中性色 : 暖かくも冷たくもなく、温度感の無い色

下の図は、暖色、寒色、中性色の範囲を色相環で示したものです。

暖色・寒色・中性色の範囲を色相環で示した図

色彩検定とカラーコーディネーター検定試験では、それぞれの範囲に若干差がありますが、どちらも黄色は暖色に含まれています。したがって、黄色は暖色に分類されます。

また、黄色は暖色の中でも中性色にとても近い色です。この位置関係から、黄色から暖かさをあまり感じないという方が少なくないことも十分理解できます。


トーンによる感覚の違い

色のトーン(色の明るさを表す明度と、鮮やかさを表す彩度の組みあわせ)が変わると、色から受ける感覚も変化します。

下の画像は、一番上の画像のアヒルの色を、色相はそのままに、明度と彩度を変えた画像です。

同じ色相の黄色で明度と彩度を変えたアヒルの比較画像

左右のアヒルを見比べると、左の方が暖かい感じ、右の方が涼しげな感じがしないでしょうか。トーンが変わると温度感も微妙に変わります。

身近な例では、パーソナルカラー診断でおなじみのフォーシーズンでは、明るい黄色は青みを感じるブルーベースカラー(ブルベ)に含まれています。


黄色は暖色か、迷う理由

これらのことから、黄色は色彩学上の分類では暖色ですが、トーンによっては寒色に近い感覚を与えることもあります。そして、それゆえに黄色が暖色か、寒色かについて、迷う方が多いのだと思います。

ファッションやインテリアに黄色を取り入れる際には、このポイントを活かしてトーンを調整すると、より効果的な配色につながります。夏は涼しげなレモンイエロー、冬は温かみのあるマスタードなどと、黄色を楽しんでみてはいかがでしょうか。


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▶ 中間色と中性色はどこが違う?
▶ 類似色とはどんな色?~類似色と同系色の違い
▶ 同系色の正体と、指し示す色~「同系色」は色彩用語ではない?




2026年1月30日金曜日

中間色とは? 中性色とは? 2つの定義と違いをわかりやすく解説


「中間色」と「中性色」は、それぞれどんな色を指すのでしょう?この2つは色を表す基本的な色彩用語ですが、一字違いの似ている言葉なので、迷ってしまう方が少なくありません。

そこで、今回は中間色と中性色を取り上げ、それぞれが指し示す色を確認しながら2つの違いを見ていきます。


1.中間色とは

中間色とは、色のトーン(色の明るさを表す明度と、鮮やかさを表す彩度の組みあわせ)による分類の一つです。


純色、清色、中間色の分類

色はトーンによって次の3つに分類することができます。

①純色 : 最も鮮やかな色(ビビッドv)
②清色 : 純色に白または黒を加えた色で、次の2つに分けられます。
  ・明清色 : 純色+白(ペールp、ライトlt、ブライトb)
  ・暗清色 : 純色+黒(ダークグレイッシュdkg、ダークdk、ディープdp)
③中間色 : 純色+グレー(白+黒)(ライトグレイッシュltg、グレイッシュg、ソフトsf、ダルd、ストロングs)

トーンマップで示すと中央に位置する赤丸で囲まれた5つのトーンが中間色です。



中間色の特徴と「くすみカラー」

中間色は純色にグレー(白+黒)を加えた色なので、濁りを感じる柔らかい色調が特徴です。この濁りから、「濁色(だくしょく)」とも呼ばれます。

人気の「くすみカラー(モスグリーンやラベンダーグレーなど)」は、この中間色にあたります。


色彩学での中間色と、日常語の中間色

これまでの説明は色彩用語としての「中間色」ですが、日常的な言葉として「中間色」という場合は、2つの色の中間の色を表すことがあります。例えば、「青と緑の中間色は青緑です」などという場合です。

そのため、話の流れ(文脈)によってどちらの意味の「中間色」なのかを判断する必要が生じることもあります。


2.中性色とは

中性色とは色相(赤、青などの色み)に関わる分類の一つです。


温度感による色の分類

色相は目にした人が受ける温度の感覚により、次の3つに分類されます。

①暖色 : 暖かく感じる色
②寒色 : 冷たく感じる色
③中性色 : 暖かくも冷たくもなく、温度感の無い色


中性色の範囲

では、具体的にどの色が中性色かというと、色彩検定とカラーコーディネーター検定試験の各テキストでは次のように示す範囲に少々差があります。

・色彩検定: 色相番号 9(緑みの黄)~12(緑)、20(青紫)~24(赤紫)
・カラーコーディネーター: 色相番号 10(黄緑)~12(緑)、21(青みの紫)~23(赤みの紫)


共通しているのは、10(黄緑)~12(緑)と、21(青みの紫)~23(赤みの紫)ですので、中性色はおおよそ緑と紫であるといえます。

ただし、検定試験を受ける場合は、それぞれのテキストが示す範囲をしっかりと覚えてください。


3.2つの違い|中間色はトーン、中性色は色相による分類類

まとめると次のようになります。

中間色
①色のトーンによる分類の一つ
②純色にグレーを加えた濁りのある色
③2色の中間の色を指す場合がある

中性色
①色相の温度感による分類の一つ
②暖かくも冷たくもない色、おおよそ緑と紫
③試験によって定義が異なる

「中間色」はトーン、「中性色」は色相による分類で、分類の基準が異なります。

ですから、中間色で中性色という色も存在します。例えば、ソフトトーンの緑、ライトグレイッシュトーンの紫などです。

これらの言葉の意味をおさえておくと、色を伝える時の表現がより明確になりそうです。


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2026年1月24日土曜日

類似色とはどんな色?~類似色と同系色の違い

類似色や同系色について納得した女の子

「類似色」は、「同系色」と同じくよく使われる言葉ですが、具体的にどのような色を指すのかは意外とあいまいです。

また、類似色と同系色はなんとなく似ているような気はするけれど、2つの違いはよく分からないという方も多いと思います。

そこで、今回は「類似色」が指し示す色と、「同系色」とはどのように違うのかを見てみましょう。


「類似色」は色彩用語ではない?

「類似色」という言葉はよく見かけますし、「似ている色」というイメージは伝わりますが、具体的にどのような色を指すかといった定義にはなかなかお目にかかりません。

色彩検定やカラーコーディネーター検定試験のテキストでは、「類似色相」「類似トーン」のように、「類似+類似するポイント」の形で記載され、どこが似ているのかが具体的に記されています。

つまり、「類似色」とだけ言ってしまうと、何が似ているのかという点がはっきりしない、幅のある表現に感じられます。

そのため、「類似色」も「同系色」と同じく厳密な色彩用語ではなく、一般的に使われている表現であると考えられます。

では、実際に「類似色」はどのような色を指しているのかを見てみましょう。

(用語解説)
*類似色相:色相環上で色相差が2~3の色
*類似トーン:トーンマップで隣り合うトーン

色相の並びを表す12色色相環
*ここでは12色色相環を使用しています。24色相のうち偶数番号の
12色相を並べているため、隣り合う色との色相差は2となります。
トーンの並びを示したトーンマップ
トーンマップ

類似色はどのような色か

「類似色」はどのような色を指し示すのか、「類似」が付く言葉、「類似色相」「類似トーン」などを手掛かりに考えてみます。


①色相が近い色

色相が近い色は、隣接色相(色相差1)*と類似色相(色相差2~3)です。(トーンは同じ)

例えば、下の配色の青(左)と、色相環上で隣り合う緑みの青(右)の組み合わせは色相差2の類似色相で、色相が近い色の組み合わせです。

類似色相の例。青と緑みの青を並べた配色(色相差2)

*隣接色相:色相差が1の色。24色相の色相環では基準となる色の両隣に位置しますが、図の12色色相環では隣り合う2色の中間の色となります。


②トーンが近い色

トーンが近い色は、類似トーン(トーンマップで隣)の色です。(色相は同じ)

例えば、色相が青の場合、トーンマップで右端のビビッドトーン(v)の色(左)と、その左上のブライトトーン(b)の色(右)はトーンが近い色の組み合わせです。

類似色の例。ビビッドトーンの青とブライトトーンの青を並べた配色(類似トーン)

*ビビッドトーン(v)の類似トーンには、ブライトトーン(b)の他、ストロングトーン(s)、ディープトーン(dp)も含まれます。


③色相とトーンが近い色

色相もトーンも近い色は、類似色相かつ類似トーンの色です。これは言い換えると、色相もトーンも少し違いがある色で、上の①、②と比べると色の差が大きくなります。

例えば、ビビッドトーンの青(左)と、ブライトトーンの緑みの青(右)の組み合わせです。

類似色の例。ビビッドトーンの青とブライトトーンの緑みの青を並べた配色(類似色相、類似トーン)

これら3つの組み合わせが「類似色」の範囲になるといえるでしょう。


類似色と同系色の違い

*同系色については、こちらの記事「同系色の正体と、指し示す色~「同系色」は色彩用語ではない?」で詳しく解説しています。

類似色と同系色はどう違うのかを簡単に表すと、以下のようになります。

  • 類似色=近い色
  • 同系色=つながりのある色

類似色と同系色を比べると、同系色の範囲の方が広く、類似色が指し示す色は同系色の範囲に含まれることが分かります。

したがって、類似色は同系色の一つであり、より狭い範囲の色を表しているといえます。


「類似色」とは

まとめると、類似色は

  • 色:色相やトーン、あるいは色相とトーンが近い色
  • 特徴:同系色に含まれ、より近い色の関係を示す
  • 言葉:厳密な色彩用語ではなく、一般的に用いられる広義の言葉

ということになります。

類似色を選ぶ際は、見た目が近い色と捉えると、色を選びやすくなります。類似色はまとまりのある配色を作りたいときにとても便利で、ファッションやインテリア、デザインなどに使いやすい組み合わせです。

また、「類似色」ということばは「同系色」と同じく一般的で感覚的に伝わりやすい言葉です。色合いが近いことを表す時に「同系色」と使い分けて活用してはいかがでしょうか。


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▶ 同系色の正体と、指し示す色~「同系色」は色彩用語ではない?



2026年1月16日金曜日

同系色の正体と、指し示す色~「同系色」は色彩用語ではない?

配色の色選びに悩んでいる女の子の画像

「同系色」という言葉は、ファッションやインテリア、デザインなどでよく目にする言葉です。ショップなどで、「同系色でまとめると素敵ですよ。」などと言われた経験がある方もいらっしゃると思います。

その一方で、同系色とはどのような色を指すのか、明確に答えられる方は少ないのではないでしょうか?

そこで、この記事では同系色という言葉の意味や、指し示す色について取り上げます。


「同系色」は色彩用語ではない?

「同系色」とはどのような色か?じつは、私自身、文献やテキストで明確な定義を目にした記憶がありません。

カラーのテキスト類では特に解説されておらず、次のような部分にこの言葉が見られます。

・色彩検定 3級公式テキスト
同一色相配色の説明文 『…いわゆる同系色の配色になるので…』
・カラーコーディネーター検定試験 スタンダードクラス公式テキスト
色相が近い配色の説明文 『…一般に同系色配色と呼ばれています。』

これらの文では「同系色」に、「一般に」や「いわゆる(=一般的にそういわれている)」という表現が加えられており、この点に注目すると、「同系色」は厳密な色彩用語ではないようです。

そもそも、上の2つのテキストを比較しても、「同系色」が示す内容は

・色彩検定
 → 同一色相配色(色相差0)*

・カラーコーディネーター検定試験
 → 色相が近い配色(=同一、隣接、類似色相配色(色相差0~3)*)

  *用語については下記の(用語解説)をご覧ください

と、幅があります。

これらのことから、「同系色」という言葉は色彩用語として厳密に定義されているわけではなく、ファッション、インテリア、デザインなどの分野で一般的に用いられるざっくりとした表現だと考えられます。

では、実際には「同系色」といった場合、どのような色を指しているのかを見てみましょう。

(用語解説)
*同一色相配色:1つの色相でトーンを変えた色同士の配色(色相差0)
*隣接色相配色:色相環上で隣り合う色相による配色(色相差1)
*類似色相配色:色相環上で色相差が2~3の色による配色


12色相の色相環

*ここでは12色色相環を使用しています。24色相のうち偶数番号の
12色相を並べているため、隣り合う色との色相差は2となります。


色相とトーン(明度+彩度)から見た同系色

同系色の「系」は、つながりやまとまり、分類などを表す言葉です。色相やトーンにつながりがある同系色には次のようなものがあります。


①色相が同じ色

同系色の1つ目は、色相が同じ色(同一色相)です。つまり、同じ色みでトーンが異なる色のことです。

下の例は、赤(左)と、トーンが異なる赤(ピンク、右)の組み合わせです。

同一色相配色の例。赤と、同じ赤のトーン違いの色を並べた配色

このような組み合わせを同一色相配色といい、同系色の解説として最も多く見られるのがこの配色です。(上記の色彩検定テキストの例)


②色相が近い色

2つめは、色相が近い色(隣接色相、類似色相)です。こちらは色みが近い色で、隣接色相は色相環上で隣り合う色相差1の色、類似色相は色相差が2~3の色です。

下の例は、赤(左)と、赤の類似色相の赤みのだいだい(右)の組み合わせです。色相差は2で、同じトーンです。

類似色相配色の例。赤と赤みのだいだいを並べた配色(色相差2)

このような組み合わせを類似色相配色といい、色相差1の隣接色相の組み合わせは隣接色相配色といいます。


③色相が同じか近く、トーンが異なる色

①は同じ色相でトーンが異なる色、②は近い色相で同じトーンの色でしたが、③は①+②、つまり、色相は同じ~近い、トーンも異なる配色です。

下の例は、赤(左)と、トーンが異なる赤みのだいだい(右)の組み合わせです。

赤と赤みのだいだいの異なるトーンの色を並べた配色(色相差2でトーン違い)

これら3つの配色はいずれも色に共通性や近さがあり、つながりやまとまりが強く感じられる組み合わせです。


色の分類による同系色

上の①~③は、色相やトーンからの視点での同系色でしたが、それ以外にも色の分類によって同系色とされる場合があります。

例えば、パーソナルカラーでおなじみのイエローベースカラー(イエベ)とブルーベースカラー(ブルベ)です。どちらかのグループで色をまとめる時に、「同系色で」と表現されることがあります。

下の例は、イエベカラーによる配色(上)と、ブルベカラーによる配色(下)です。

このような配色では、パーソナルカラーという前提がないと、「同系色」の意図が伝わりにくいかもしれません。


「同系色」とは

まとめると、同系色とは

  • 色  - あるつながりや共通性を持ち、まとまりの配色をつくる色
  • 特徴 - 特に色相に共通性・類似性がある色を指す場合が多い
  • 言葉 - 厳密な色彩用語ではなく、一般的に用いられる広義の言葉

ということになります。

上の例で見たとおり「同系色」という言葉が指し示す色には幅がありますので、同系色を選ぶ時は厳密に考えすぎず、何らかのつながりやまとまり感がある色を選ぶことがポイントです。

もし迷ったら、色相が近い色を選べば大きく外すことはありません。

また、「同系色」という言葉は、一般的でざっくりとした言葉であるからこそ、ファッションやデザイン、そして色彩のテキストにも広く用いられ、色に詳しくない方にも感覚的あるいは直感的に伝わる便利な言葉だと思います。私も過去記事で使用しています。

ちょっとした説明などで、気軽に使える言葉として活用してみてはいかがでしょうか。

次回の記事では、「同系色」と同様に迷う方が多い「類似色」について、両者の違いも含めて考えます。


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