2025年10月24日金曜日

【AI生成画像・色調表現の比較】「落ち着いた」はどのような色調になるか

AI画像生成の色の実験、シリーズ第2弾として、今回から【色調表現の比較】をスタートします。色の再現度を検証した第1弾に続き、第1回目となる今回は、AIが『落ち着いた』という指示をどのように色調で表現するかを検証します。

「落ち着いた」ということばから、あなたはどんな色調を思い浮かべるでしょうか?3つのAIは「落ち着いた」をどのように表現してくれるか、それぞれの特徴を見ていきましょう。


■ 使用ツールとテーマ(プロンプト)

【ツール】
ChatGPT / Gemini / Copilot

【プロンプト】
次の画像を生成してください。サイズは4×3の横長。カフェの室内、テーブルの上にはコーヒーカップと小さな花瓶に活けた花。全体的に落ち着いた色調で。

【参考】
PCCSでは、ライトグレイッシュトーンが落ち着いたイメージとされています。彩度(色の鮮やかさ)は低く、明度(色の明るさ)は中明度から一部高明度領域に位置します。
色の差が少なく、穏やかにまとまった配色です。


■ 生成画像の比較

【ChatGPT】

色のトリセツ
①色の傾向: ブラウン系で彩度は低~中彩度、明度は低め
②光の扱い: 柔らかで明暗差があまりない
③雰 囲 気: 少々暗めだが、穏やかな印象
    

【Gemini】

色のトリセツ
①色の傾向: 低彩度で明るめのブラウンとグリーン系が中心
②光の扱い: 大きな窓が描かれ、明暗がはっきりしている
③雰 囲 気: ナチュラルで明るい雰囲気
*画像サイズはプロンプト通りではありませんでした。
    

【Copilot】

色のトリセツ
①色の傾向: ブラウン系中心で彩度は低~中彩度、明度は中~高明度
②光の扱い: 窓からの光で柔らかな陰影
③雰 囲 気: くつろいだ印象で、温もりを感じる
    

■ まとめ

・3つともブラウン系を中心として、彩度を低めにまとめている。Geminiはブラウンにグリーン系を合わせているが、どちらも低彩度で、良くまとまっている。

・3つの大きな違いは、光による明暗である。ChatGPT→Copilot→Geminiの順番に明るくなり、特にGeminiは明暗がはっきりしている。

・花瓶に活けられた花の色も全て淡いピンクで、柔らかい彩りとして画面になじんでいる。インテリアの素材も木目の見える木で構成されており、「落ち着いた」から木材が連想されたものと思われる。

・Geminiはカフェのお客や窓の外の景色、鉢植え、本などもしっかり描かれ、一つのシーンとして表現されている。


どれも「落ち着いた」色調と言えるものですが、やはりAIごとに個性がありますね。光の効果により、深い落ち着き(ChatGPT)から、落ち着きがある中にも生き生きとした雰囲気が感じられるもの(Gemini)まで、幅があります。

あなたが最も「落ち着き」を感じる色調はどれでしょうか。自分が最も落ち着く色を探してみるのも面白いかもしれません。


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AI画像生成シリーズ第2弾は 【色調表現の比較】ChatGPT / Gemini / Copilot

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【シリーズ・AIに色は伝わるか?】画像生成と色の実験をはじめます!
【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第1回 三原色(赤・黄・青)の再現度チェック
【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第2回 人気色・ピンクとみずいろの色合いは?
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第3回 PCCSによる色の表示は伝わるか?
【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第4回 伝統色(和の色)
【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第5回 外国語由来の慣用色名


2025年10月17日金曜日

AI画像生成シリーズ第2弾は 【色調表現の比較】ChatGPT / Gemini / Copilot

色のトリセツ

AIによる画像生成はどんどん進化を遂げていますが、思い通りの画像を生成させるための指示(プロンプト)はなかなか難しいものです。

このブログでは、先月、「AIに色は伝わるか?」をテーマに、ことばで伝えた色をAIがどのように再現するのかを5回にわたり検証しました。(詳細は下部のリンクよりご覧いただけます)

これに引き続き、今回はAIに色調の指示を試すことにしました。前回の色の指定とは異なり、画像全体の色のトーンや傾向、雰囲気に注目します。


■ 色調比較の実験方法

「『落ち着いた』色調の風景画を生成して」などと、AIに対し色調を含めた画像生成を指示し、出来上がった画像ではどのような色合い・雰囲気が表現されているかを比較検証します。

使用するAIは、前回と同じく ChatGPT、Gemini、Copilot の3つです。

3つのAIに同じプロンプトを与えて、生成された画像について次の3点について評価します。

①色の傾向(色相・色のトーン)
②光の扱い(明るさ・陰影)
③雰囲気(演出)

また、実験のテーマは次の5つを予定しています。

・落ち着いた
・カジュアルな
・ナチュラルな
・ディープトーン(PCCS)
・秋らしい


■ AI同士の評価は?

では、この3つのAIは、お互いの生成画像をどう評価しているのでしょうか?実験を前に、それぞれのAIに3者の生成画像の特徴を訊いてみました。

【質問】
「次の各AIの生成画像について、色彩表現を中心にどんな特徴があるかを50文字以内で述べて。 ①ChatGPT、②Gemini、③Copilot

それぞれの回答は、次の通りです。

【ChatGPT】
①ChatGPT: 落ち着いた中間色を多用し、光を柔らかく表現。調和感が高い。
②Gemini: 明度高めで透明感のある色調。寒色寄りのクリーンな印象。
③Copilot: 彩度が高くコントラストも強め。光と影の差で深みを演出。

【Gemini】
①ChatGPT: 彩度が低く中間トーンが強い傾向で、落ち着いた暖色寄りの表現が多い。
②Gemini: リアルで鮮明、または多彩なスタイルに対応し、プロンプトで色鮮やかな表現も可能。
③Copilot: リアルな写真風から芸術的な画風まで多様で、光と陰影の表現がリアル

【Copilot】
①ChatGPT: 繊細な陰影と高彩度で、幻想的な色調が得意
②Gemini: 写実性と透明感が強く、光彩表現が豊か
③Copilot: 明瞭で均整の取れた配色、指示反映が精密

評価が一致している点と分かれている点、また、「幻想的な色調」など抽象的な評価もあり、 面白いですね。

これから生成される画像に上記のような特徴が見られるかも検証してみたいと思います。ぜひご覧ください。


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2025年10月12日日曜日

あなたの本棚、カラーコーディネートしていますか?

色のトリセツ

ご覧いただき、ありがとうございます。

先日、高市早苗さんが自民党総裁室の椅子に座る様子が、ニュース等で公開されました。思わず注目したのは、背景の本棚です。並んでいる本の背表紙が、カラフルでありながら深い色調で、落ち着いたまとまりがあり、とても美しいと思いました。

これに関連し、今回は本棚に並ぶ本の色について取り上げます。
(上の画像は報道画像をもとにAIで再現したイメージです)


本をどのように並べていますか?

本棚の本の並べ方は、人それぞれです。主な基準として次のような点が思い浮かびます。

・ジャンル
・作家別、出版社別、発行日順
・作家や作品名の五十音順
・良く手にする順、好きな順

芥川賞、直木賞といった賞に関連した作品など、テーマを作ってまとめるというのもありそうですね。

このような分類は、本を探す時などに便利で実用的ですが、本棚に並べると背表紙の色がバラバラになってしまいます。


見た目をまとめる、私の工夫

私の場合、本を並べる時は作家別という分類を第一にしています。その上で、できるだけ見た目も美しくしたい! ということで、次のような色の調整をできる限り取り入れています。(恥ずかしながら、本棚の一部を公開)


色のトリセツ

・隣り合う色の差が大きくならないようにする
(例)画像、左側3段目は、左から大きく黄色・水色・青が並んでいますが、この順番の方が、黄色・青・水色と並べるよりも色の差が少ない

・なるべく色のかたまりを作るようにする
(例)左側1段目のネイビーグループ、2段目の水色グループ、3段目の3グループなど

・グラデーションを取り入れる
(例)右側1段目、左側2段目の右5冊など、部分的ですがグラデーションに

同じ作家で背表紙が白とネイビーの2色あるなど、なかなか思い通りにはいきませんが、少しでも工夫をすれば見た目は変わります。それに、どうすればまとまるかの試行錯誤も、また楽しみの一つです。


究極のカラーコーディネート

海外のインテリアコーディネート番組で、驚きの本のカラーコーディネート術が紹介されていました。それは、本のカバーを裏返して本にかけるというものです。すると、印刷されてない裏側が本の表面を覆いますので、背表紙が白一色で統一されるというわけです。

当然、書籍名は分からなくなりますが、本をインテリアの構成要素と捉え、便利さを捨てて美しさを最優先すると、このような選択肢もあるということがわかりました。

見た目をとるか、便利さを取るか、あなたならどうしますか?


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