2016年2月26日金曜日

大人の塗り絵|濃く塗り過ぎた失敗から学ぶ、色重ねのコツ

女性の横顔と植物のモチーフを色鮮やかに塗った大人の塗り絵
colored by Masumi Chiba

この記事では、私が塗り絵で失敗した体験をご紹介します。失敗箇所を明かすのは恥ずかしいのですが、少しでもご参考になれば…という気持ちでお伝えします。

以前の記事でまだ途中だった塗り絵は、上の画像のように仕上がりました。

この作品で、私が「失敗しちゃったなー。」と思っているのは、女性の下の5つの花です。


■ 濃く塗った色は修正が難しい

・失敗と感じる部分

この塗り絵を塗りはじめる時、ポイント(主役)は女性の髪の毛と決めました。

花は脇役ですので、もう少し控えめな色合いにするつもりが、花びらの立体感を出そうと塗り重ねているうちに、ご覧のような濃い色合いになってしまいました。

暖色は進出色なのでより手前に感じます。反対に、寒色は後退色なのでより奥の方に見えます。そのため、鮮やかな赤い花は女性よりも手前に感じられ、計画よりも目立って見える結果となりました。


・濃く塗ってしまうと、後戻りできない

塗った色が薄い場合には、さらに色を重ねれば良いのですが、濃く塗ってしまった場合に薄く修正するというのはかなり難しいことです。

どうしてもという場合には消しゴムを使うという手段もありますが、細かい部分が消しにくい、紙の表面が傷むといったことが起きやすく、きれいに消すのは至難の業です。

私のこの作品では、修正をあきらめ、これ以上手を加えないことにしました。


■ 全体を見渡しながら薄く塗り重ねる

この経験をもとに、塗り方を変えました。

主役から塗りはじめる点はそのままですが、パーツを一つずつ仕上げていくのではなく、薄めに色を乗せて、全体のバランスが取れるようにだんだんと塗りこんでいくという方法です。この方が、塗り過ぎによる失敗が少ないと思いますし、実際に塗りやすいです。



この画像は、今塗り進めている塗り絵で、主役は中央の横向きの花と決めました。この花を中心に少しずつ色を重ねています。

塗り絵の塗り方は人それぞれですが、いろいろな方法を試して、自分なりのスタイルを見つけていくのも塗り絵の楽しみかもしれません。失敗もそのプロセスの一つですね。


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大人の塗り絵|大人のぬり絵|どこから塗る?迷ったときは「主役」から





2016年2月24日水曜日

大人のぬり絵|どこから塗る?迷ったときは「主役」から

花やカエルが描かれた大人のぬり絵の線画
by Masumi Chiba

新しい図案に取りかかる時、どこから塗れば良いのか迷った経験はありませんか?

今回は、塗りはじめる部分について迷われている方へ、一つのご提案をしたいと思います。


■ はじめは「主役」から

最初にどこを塗るか?-実際、これは人によってさまざまです。

図のまん中から塗りはじめる方もいれば、端からの方もいらっしゃいます。
また、中心的な目立つパーツからだったり、背景からだったり…。

どれが正解・不正解ということはありません。塗りやすい部分や、好きなところから思いのままに塗り進めて構わないと思います。

構わないと思いますが、色の組み立てという視点で考えると、全体の調和が得やすいのは「主役」を最初に塗るという順番です。

主役というのはその図の中で、あなたがポイントにしたい部分です。ポイントの色を確定させて、それを中心に他の色を調整すると、全体のバランスが取りやすくなります。


■ 「主役から」の応用

主役からはじめる、これはぬり絵以外のカラーコーディネートでも同じです。ファッションやインテリア、デザインにも応用できます。

例えば、「今日のメイクのポイントは赤リップにしよう!」という場合、リップカラーがまず決定され、リップカラーが引き立つようにアイカラーを抑えめにしたり、赤リップとなじみの良いチークカラーを選んだりしますよね?

ファッションでも、お気に入りのシャツに合わせるボトムスは、シャツの色に調和しながらシャツよりも目立たない色を選んでいくと思います。

塗り絵の配色も全体の構成を頭の中で明確に描けるのであればどこから塗り始めても良いと思いますが、慣れないうち、あるいは色選びに不安がある場合は特に主役から塗り始めることをおすすめします。


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大人のぬり絵|色鉛筆の単品購入で失敗しないためのコツ



2016年2月22日月曜日

大人のぬり絵|色鉛筆の単品購入で失敗しないためのコツ

机の上に置かれた大人の塗り絵ブックと色鉛筆
Photo by Masumi Chiba

今回は色鉛筆の単品購入についてです。

塗り絵を続けていると、だんだん欲しい色が増えてきませんか?

手持ちのセットに入っていない色が欲しいけれど、そのために他のセットを購入するのも大変です。

以前の記事 「大人のぬり絵|何色セットを選べばいい? 初心者さんの色鉛筆えらび」 の中で、欲しい色の色鉛筆を単品で購入することをご提案しました。

私の経験から、単品購入の際におすすめしたいことがあります。それは、色見本を持参するということです。


■ 色の記憶は意外とあてにならない

色見本といってもおおげさなものではありません。具体的に欲しい色があれば、カラーカードなど、その色が分かるもの。「この色とこの色の中間が欲しい」という場合には、手持ちの色鉛筆で色を塗った紙でOKです。

身近なもので良いので、色を比較・確認できるものを用意してください。

なぜなら、文具店や画材店では、色とりどりのたくさんの色鉛筆が並んでいて、手がかりなしでは迷ってしまうことが多いからです。

思うような色がなかなか見つけられなかったり、「この色!」と思っても、実際に欲しかった色と違っていたり…。

私は、持っている色をさらに買い足してしまったことがあります。

色の記憶は意外とあてにならないものです。

そこで、色探しの基準になる見本が助けになります。色鉛筆に限らず、ファッションやメイクカラーなどでも色選びの間違いを防ぐためには色見本を持参しましょう。


■ 試し書きもおすすめです

また、可能であれば、お店で試し書きをしてみてください。見た目、-つまり、色鉛筆の軸や芯の色で選ぶと、塗った時の色と微妙に違うことがあります。

試してみれば、実際の発色が分かる上に、芯の硬さや滑らかさなどもチェックできて、一石二鳥です。

ちょっとした手間で、欲しい色が的確に選べますので、色鉛筆の単品購入にはぜひ色見本の持参と試し書きをお忘れなく!


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大人のぬり絵|IROJITEN(色辞典)の魅力と、鉛筆削り2種の比較



2016年2月18日木曜日

大人のぬり絵|IROJITEN(色辞典)の魅力と、鉛筆削り2種の比較

色辞典IROJITENと鉛筆削りのアイテム写真
Photo by Masumi Chiba

大人の塗り絵のための色鉛筆情報、今日は IROJITEN(色辞典)と鉛筆削りを取り上げます。


■ トンボ鉛筆 IROJITEN(色辞典)

IROJITEN(色辞典)は、その名の通り本のような素敵なパッケージ。


IROJITEN色辞典の外箱セット写真
画像出典:トンボ鉛筆公式ページ(http://www.tombow.com/products/irojiten/)

中身も とっても個性的です☆

色鉛筆は色のトーンごとに分けられ、第一集から第三集まで、それぞれ下記の3つのトーンで構成されています。

  • 第一集 ペールトーン、 ビビッドトーン、 ディープトーン
  • 第二集 ペールトーンⅡ、 ディープトーンⅡ、 ライトグレイッシュトーン
  • 第三集 フローレセンス、 ベリーペールトーン、 ダルトーン

トーンごとに10色で、1集(1セット)30本、全集(3セット)揃えると合計90本のラインナップです。

それぞれのトーンの色イメージは、下の画像のトーンマップを参考になさってください。
(ここに含まれていない「フローレセンス」は蛍光色のような鮮やかな色調で、「ベリーペールトーン」は、ペールトーンよりもさらに明るく淡い色調です。)



トーンや、トーンの名前について理解されている方には、とても解りやすいグループ分けだと思います。

特に淡い色調の充実ぶりが大きな魅力で、私は第二集、または淡い色を単品で買い足す予定ですが、最初にIROJITENを購入するなら、第一集をおすすめします。

なぜなら、純色(ビビッド)、淡い色(ペール)、深みのある色(ディープ)と、主要なトーンが揃うからです。あとは必要に応じて購入されるのが良いと思います。


■ 鉛筆削り、ノリスクラブとDUXシャープナー

鉛筆削りも、ぬり絵の必需品ですね。私は一番上の画像の2種類を試してみました。ステッドラー・ノリスクラブ(左)と、DUXシャープナー(右)です。

ステッドラー・ノリスクラブは、2種類の太さに対応していて、削りくずの始末も簡単です。しかし、どの程度削れているのか見えない点と、切れ味がいまひとつな点がマイナスポイント。

DUXシャープナーは、反対に削りくずの始末がちょっと面倒ですが、切れ味バツグンで、先端までしっかり削れます。

この2つでしたら、私のおすすめはDUXシャープナーです。

鉛筆削りは比較的購入しやすいお値段のものも多いので、いくつか試して、使い勝手が良い物を選ばれるのが良いでしょう。きっとあなたが気に入る商品に出会えることと思います。


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大人のぬり絵|何色セットを選べばいい? 初心者さんの色鉛筆えらび



2016年2月17日水曜日

大人のぬり絵|何色セットを選べばいい? 初心者さんの色鉛筆選び

花をモチーフとした大人の塗り絵を色鉛筆で塗った作品
colored by Masumi Chiba

前回の記事 に引き続き、これから塗り絵を始める方への色鉛筆のお話です。

今回は、大変悩ましい「何色セットを選べば良いか?」についてです。


■ 最初に買うのは何本セット?

色鉛筆のセット本数には、多くの方が子どもの頃に使用する 12色、24色、それより多い 30~40色、 さらに 60~70色、そして贅沢感のある90色~150色などがあります。

100色にもなると見ているだけで楽しそうですが、お値段は大抵1万円を超えてしまいます、使いこなせるかどうかが心配にもなります。

私も150色に憧れていますが、実際に購入したのは何色セットか、また、その結果セット本数についてどう思ったかなどを ご紹介したいと思います。


・36色から始めて60色へ

私が大人の塗り絵用として最初に購入したのは、トンボ鉛筆の36色セットです。お値段は 2,000円くらいでした。


トンボ色鉛筆36色セットの写真
TOMBOW COLOR PENCILS 36

これで十分でしたが、使っているうちにだんだんと「もっと色があればいいなぁ…」と思い始めました。

そして、次に購入したのがヴァンゴッホの60色セットです。価格は、amazonで6,000円を超えていて、ちょっと勇気のいる買い物でした。


ヴァンゴッホ色鉛筆60色セットの写真
VAN GOGH pencils 60

・実際に60色で塗ってみると…

さっそく一番上の写真の塗り絵を始めたら、すぐに「もっと色が欲しい!」と思いました。今まで使っていたトンボより24色も多いのにです。

その理由は、色の構成にありました。

ヴァンゴッホの60色は、ご覧のとおり暖色(黄・橙・赤)や 茶・グレーのバリエーションが豊富で、私が好きなピンク系、紫系は色数が少ないのです。

全体の約4分の1を占める茶とグレーは、風景画を描く方には重宝すると思いますが、人や植物などの塗り絵が好きな私には、あまり使う機会がなさそうです。

結局本数は増えても、使いたい色は足りず、使わない色が多いという結果になりました。

それでもヴァンゴッホ特有の鮮やかな発色にはとても満足していますので、購入して良かったと思っています。


・私の結論

この経験から私がおすすめするのは、まずは30~40色のセットを購入し、使ってみて、「もっと欲しい!」と思う色を単品で買い足す、-という方法です。

これが合理的で、コストのかからない方法だと思います。

30~40色のセットを試してみて、

  • やはり、色数の多いまとまったセットが欲しいという方
  • 塗り絵にすっかりハマって、もっともっと塗りたい!という方
  • ご予算に余裕のある方

は、思い切って100色前後のセットを購入するのも良いと思います。美しい色の数々が身近にあるって素敵な事ですから。

私も「いつかはホルベインの150色を…」という野望を持っておりますので…。


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大人の塗り絵|色鉛筆選びのポイントとメーカーごとの使い心地



2016年2月16日火曜日

大人の塗り絵|色鉛筆選びのポイントとメーカーごとの使い心地

色とりどりのヴァンゴッホ色鉛筆60色セットの写真
Photo by Masumi Chiba

塗り絵好きの間でよく話題になるのが色鉛筆の話です。

メーカーによって、色の構成、発色、塗る時の感触などが異なり、どれを選んだらよいのか迷う方も少なくないと思います。
その上、他の人が使っているものはどれも素敵に見えたり…。

そこで、今回は色鉛筆選びについて取り上げます。


■ 色鉛筆選びのポイントは?

さて、色鉛筆を選ぶ際、どんな点をポイントに選べば良いでしょう?

これから塗り絵を始める方のために、私が思うことをお話させていただきます。


・塗りたい作品に合わせて

私が色鉛筆選びで判断材料の1つになると思うのが、「どんな作品を塗りたいか?」です。

塗り絵の人気が高まったことで、書店にはたくさんの塗り絵ブックが並んでいます。

それらを眺め、あなたが心惹かれるのはどんな作品でしょうか?

大きめの図案を描くように塗りたいのであれば、芯の柔らかい色鉛筆がおすすめです。
例えば、プリズマカラー、ホルベイン・アーチスト、ヴァンゴッホ など。

後から水筆でぼかせる水彩色鉛筆も面白いと思います。

マンダラや花模様など細かな図案を繊細に仕上げたいのであれば、芯が硬め〜中位の色鉛筆が細部までしっかりと塗れて使いやすいです。
例えば、三菱、トンボ、ファーバーカステル・ポリクロモス など。

色鉛筆を「道具」と捉えると、目的に合わせるという視点もあって良いと思います。


・メーカーごとの使い心地(個人的な感想)

使い心地に関して、私が今まで使ったことのある色鉛筆の感想をご紹介します。

  • 三菱とトンボは芯が硬めですが、子どもの頃から親しんでいることもあり、その上お値段もお手頃で使いやすい色鉛筆です。

  • ファーバーカステル・ポリクロモスは、芯の硬さが中位で、大変塗りやすく感じています。私の一押し商品です。

  • ヴァンゴッホはスルスルと滑らかな感触が心地よいのですが、芯が柔らかいので折れやすいです。上の画像がヴァンゴッホで、奥の左から5本目だけ短いのは、落とした時に芯が折れてしまったためです。

今回ご紹介した、どんな図柄を塗りたいかという視点や、メーカーごとの使用感の他に、「何色セットにするか?」というのもかなり迷うところですよね。

次回はこの点についてお話ししたいと思います。




2016年2月15日月曜日

大人の塗り絵|色の知識はどう役立つ?配色アイディアのヒント

女性の横顔が描かれた大人の塗り絵と色鉛筆
colored by Masumi Chiba

前回の記事( → こちら )で、大人の塗り絵は「イメージを描くときも、色や塗り方を選ぶときも、色の知識が役に立つ」とお伝えしました。

今日はその内容について具体的に紹介します。


■ 色の知識は塗り絵に役立つ道具

まずは、ちょっと想像してみてください。

あなたが料理をするとします。調味料やスパイスに関する知識や、煮たり、焼いたりといった調理方法に詳しいと、1つの素材でも料理のバリエーションは広がりますよね。

色もそれと同じです。

色の知識があると、ファッションも、インテリアも、ビジネスも、塗り絵も、カラー表現のバリエーションが広がります。

例えば、

  • それぞれの色にはどんな特徴があるか
  • 色の組み合わせ方にはどのような方法があるか
  • その組み合わせからどのような効果が生まれるか

これらの知識はあなたの道具となって、「こんな風にしたいな…」とイメージするときも、描いたイメージを形にするときにも役立ってくれます。

つまり、インスピレーションのもとにもなり、想像を実現するときの手法にもなるのです。


■ 色選びのアイディア例

上の写真は、私が今塗っている塗り絵です。色選びのアイディア例として、私がこの塗り絵の色選びでどのようなプランを立てたのかをご紹介します。

まず線画を見た時、髪の毛の色をポイントにしようと思いました。そして、現実的でない神秘的な色にしたいと考えて、青系の色を選びました。

この青系から、さらに発展させて、

  • 立体感を出すために、淡いトーンと深いトーンのグラデーションにする
  • 青だけでなく、類似色の青緑、青紫を加えて変化を出す
  • 青緑~青~青紫と並べて色相グラデーションにする
  • 青緑は下の方に配置して植物の緑と調和させる
  • 花は髪の毛に負けない鮮やかなトーンで対照的な色相に
  • イヤリングは髪に使った青紫でコーディネート

などの配色プランを思い浮かべました。

色のイメージ、類似色、反対色、トーンのグラデーション、色相のグラデーションなど、色の知識があれば、このような配色のアイディアは生まれやすいと思います。

出来上がりをイメージし、知識を活用しながら色の計画を立てるのは、悩ましさもありますが楽しいものです。これなら脳も活性化しそうですね。


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大人の塗り絵|なぜ脳トレ効果があるの?川島隆太教授のコメントから



2016年2月14日日曜日

大人の塗り絵|なぜ脳トレ効果があるの?川島隆太教授のコメントから

色鉛筆で塗った大人の塗り絵と色鉛筆
Photo by Masumi Chiba

大人の塗り絵への関心の高まりとともに、塗り絵は脳にいいという話を耳にすることが増えました。

そこで、今回は、塗り絵の脳トレ効果について取り上げます。


■ 大人の塗り絵と脳トレ効果


・川島教授によると・・・

テレビ放映ご報告の記事 の中で、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授が塗り絵が脳の活性化に効果があるというお話をされたことをご紹介しました。

じつは、川島教授のお話には続きがあり、このようにおっしゃっていました。

『なぜ 塗り絵で脳がいっぱい働くかというと、できあがりのイメージがあるからです。できあがりに向かってステップを歩んでいくというのが、前頭前野をたくさん使う方法のひとつです。』

さらに、衝撃的なご発言も…。

『脳の働きは年をとると落ちると勘違いされていますが、実際に測定すると、20歳を過ぎると全員まっすぐに落ちていきます。なので、(塗り絵は)20代の方も、30代の方も、60代・70代の方にも全員に同じ効果があります。』

脳トレというと高齢の方のためのものと思いがちですが、私を含む成人の方全員に塗り絵の効果があることが分かりました。


・脳の活性化に効果的な塗り方

川島先生のお話の中に、『できあがり(のイメージ)に向かってステップを歩む』というお言葉がありました。

具体的には「最初にできあがりのイメージを描く→ それに合わせた配色や塗り方を選ぶ」ということになると思います。

イメージを描くときも、配色や塗り方を選ぶときも、色の知識が役に立つと私は考えています。次の記事では、色の知識はどのように塗り絵に活かせるかをご紹介します。




2016年2月13日土曜日

カラーコーディネート|応用⑤ セパレーション

街角に掛けられた丸いサイン看板の写真(セパレーション解説のイメージ)
Photo by Masumi Chiba

今日のカラーコーディネート講座で取り上げるのは、セパレーションです。


セパレーションの意味と活用法


セパレーションとは?

セパレーション(separation)は、分離、独立という意味です。
カラーコーディネートでは、境界線が分りにくい2つの色の間に他の色を差し込むことで、2色をハッキリと分けることをいいます。

例えば、下の写真の上の配色は、文字がぼんやりとして読みにくいですね。そこで、背景色と文字色との間に白を差し込んで2色を分離させると、文字がぐっと読みやすくなります。

セパレーションには、白、黒、グレーといった無彩色を使用すると効果的です。


あちこちで活躍するセパレーション

セパレーションは上の例のように、文字などビジュアル表現でよく見られ、ビジネスではパワーポイントのスライドやウエブデザイン、ちらしなどに多用されています。
また、ファッションにおいても、トップとボトムをベルトの色によってはっきり分けるなどの利用法があります。

下のバッグのデザインもセパレーションですが、真ん中の黒の主張が強く、アクセント効果も生まれています。


因みに、一番上の風景写真では、看板に描かれた白い円が、看板の地色であるバーガンディーと枠のダークブラウンのセパレーションカラーとなっています。

アクセントやグラデーションと同様に、セパレーションも活用範囲が広いので、覚えておくと、きっと役立つ場面があると思います。

【応用編⑤/全5回】セパレーション


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カラーコーディネート|応用① アクセントカラー(前編)
カラーコーディネート|応用② アクセントカラー(後編)
カラーコーディネート|応用③ グラデーション(前編)
カラーコーディネート|応用④ グラデーション(後編)

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2016年2月11日木曜日

テレビ取材を受けました|塗り絵カラー講座が番組で紹介されました


先日 Studio LUMO Collection さんで開催した「コロリアージュでカラーレッスン」が、ミヤギテレビさんの番組で紹介されました。

取り上げていただいたのは、人気番組「OH!バンデス」に続いて放送される「ミヤギ news every」 内の「くらしのミカタ」 というコーナーです。


■ 塗り絵人気を紹介する番組内容

大人の塗り絵人気を取り上げた特集の中で、書店で塗り絵が、画材店では色鉛筆が売り上げを伸ばしていることに引き続き、私の講座の映像が登場しました。


色彩の解説を真剣に聞く大人の塗り絵講座の受講者さん
講座序盤の色彩の解説を真剣に聴いてくださっている受講者さん
テレビ取材で少し緊張しているカラー講座講師の様子
緊張で顔が硬くなってます

これらの画像はちょっと硬い雰囲気ですが(特に私は緊張のため顔がひきつってますが)、映像の中には受講者さんの素敵な笑顔がしっかり写っていて、楽しい雰囲気が伝わったのではないかと思います。

また、番組ではこの映像に引き続き、脳トレで有名な東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授のコメントが流れました。

先生のお話によると、『(塗り絵を)一生懸命塗っていると、右脳も左脳も、両方ともいっぱい働く』ということです。楽しさに加え、脳の活性化という観点からも、大人の塗り絵人気はまだまだ続きそうですね。

それと同時に、色に興味を持つ方が増えることを願っています。

今回の取材および放送に関し、ミヤギテレビの盛朋子アナウンサーをはじめとするスタッフの方々、会場の Studio LUMO Collection さん、そして受講された皆様に、いろいろとご協力・ご配慮いただいたことに感謝申し上げます。




2016年2月4日木曜日

カラーコーディネート|応用④ グラデーション(後編)

建物の前に並ぶ4本のカラフルな柱の写真
Photo by Masumi Chiba

グラデーション(後編)は、前回の問題の答えからです。

※ 問題
上の写真のカラフルな4本の柱の色は
グラデーションでしょうか?

柱どうしの間隔が広いこともあり、ちょっと判りづらいかもしれませんね。

では、柱の色を左側から確認してみましょう。
(*モニターによって色の見え方が異なる場合があります。)

純色より明るめのトーンですが、色相としては
 ・ 青(ちょっとだけ緑み)
 ・ 赤紫
 ・ だいだい
 ・ 黄緑
この4色です。

色相環でそれぞれの色の位置を確認すると…

12色の色相の変化を表す色相環

青から黄緑まで、時計回りで順番に並んでいます。
「だいだい」を、「赤みのだいだい」と「黄みのだいだい」の中間に位置していると考えると、色と色との間隔は2~2.5色でほぼ同じです。

ですから、この4色はグラデーションと捉えて良いでしょう。それぞれの色が独立しつつも、色の変化に流れや統一感を感じます。

この順番が違っていたら、- 例えば、赤紫とだいだいが入れ替わったら、どうでしょう?
あるいは、色どうしの間隔がまちまちで、青、青紫、赤、緑 などという配色だったら…?
どちらも色の変化の統一感が失われ、バラバラな感じになりますね。

このように色と色との間隔が大きくても、等間隔で連続していれば、グラデーションとなります。ただし、あまり間隔が大きすぎると、グラデーションに見えにくくなりますので、ご注意を。

【応用編③/全5回】グラデーション(前編)


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カラーコーディネート|応用③ グラデーション(前編)

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2016年2月1日月曜日

カラーコーディネート|応用③ グラデーション(前編)

カラーカードで示した色相のグラデーション
Photo by Masumi Chiba

今回のカラーコーディネート講座は、グラデーションについてです。


グラデーションの作り方


グラデーションとは?

グラデーションとは、色が少しずつ段階的に変化することです。
グラデーションは、色数が多くても、変化の連続性により統一感が得られ、まとまった印象になります。


グラデーションのバリエーション

色の要素である色相、明度、彩度、あるいはトーン(明度 + 彩度)のそれぞれでグラデーションをつくることができます。

上の写真は講座でよく使用するカラーカードですが、扇状に広げた部分は色相グラデーションになっています。一番左側の紫みの赤から右側に見える紫まで、色相がとてもなめらかに変化していますね。

同様に、明度を変化させれば明度グラデーションに、彩度を変化させれば彩度グラデーションに、明度と彩度の両方を変化させればトーングラデーションになります。

※ さて、ここで問題です。
下の写真に映っているカラフルな4本の柱はグラデーションでしょうか?

答えは次回の記事で…。


建物の前に並ぶ4本のカラフルな柱を写した写真(グラデーションの例)
Photo by Masumi Chiba

【応用編③/全5回】グラデーション(前編)


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