「類似色」は、「同系色」と同じくよく使われる言葉ですが、具体的にどのような色を指すのかは意外とあいまいです。
また、類似色と同系色はなんとなく似ているような気はするけれど、2つの違いはよく分からないという方も多いと思います。
そこで、今回は「類似色」が指し示す色と、「同系色」とはどのように違うのかを見てみましょう。
「類似色」は色彩用語ではない?
「類似色」という言葉はよく見かけますし、「似ている色」というイメージは伝わりますが、具体的にどのような色を指すかといった定義にはなかなかお目にかかりません。
色彩検定やカラーコーディネーター検定試験のテキストでは、「類似色相」「類似トーン」のように、「類似+類似するポイント」の形で記載され、どこが似ているのかが具体的に記されています。
つまり、「類似色」とだけ言ってしまうと、何が似ているのかという点がはっきりしない、幅のある表現に感じられます。
そのため、「類似色」も「同系色」と同じく厳密な色彩用語ではなく、一般的に使われている表現であると考えられます。
では、実際に「類似色」はどのような色を指しているのかを見てみましょう。
(用語解説)
*類似色相:色相環上で色相差が2~3の色
*類似トーン:トーンマップで隣り合うトーン
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| トーンマップ |
類似色はどのような色か
「類似色」はどのような色を指し示すのか、「類似」が付く言葉、「類似色相」「類似トーン」などを手掛かりに考えてみます。
①色相が近い色
色相が近い色は、隣接色相(色相差1)*と類似色相(色相差2~3)です。(トーンは同じ)
例えば、下の配色の青(左)と、色相環上で隣り合う緑みの青(右)の組み合わせは色相差2の類似色相で、色相が近い色の組み合わせです。
*隣接色相:色相差が1の色。24色相の色相環では基準となる色の両隣に位置しますが、図の12色色相環では隣り合う2色の中間の色となります。
②トーンが近い色
トーンが近い色は、類似トーン(トーンマップで隣)の色です。(色相は同じ)
例えば、色相が青の場合、トーンマップで右端のビビッドトーン(v)の色(左)と、その左上のブライトトーン(b)の色(右)はトーンが近い色の組み合わせです。
*ビビッドトーン(v)の類似トーンには、ブライトトーン(b)の他、ストロングトーン(s)、ディープトーン(dp)も含まれます。
③色相とトーンが近い色
色相もトーンも近い色は、類似色相かつ類似トーンの色です。これは言い換えると、色相もトーンも少し違いがある色で、上の①、②と比べると色の差が大きくなります。
例えば、ビビッドトーンの青(左)と、ブライトトーンの緑みの青(右)の組み合わせです。
これら3つの組み合わせが「類似色」の範囲になるといえるでしょう。
類似色と同系色の違い
*同系色については、こちらの記事「同系色の正体と、指し示す色~「同系色」は色彩用語ではない?」で詳しく解説しています。
類似色と同系色はどう違うのかを簡単に表すと、以下のようになります。
- 類似色=近い色
- 同系色=つながりのある色
類似色と同系色を比べると、同系色の範囲の方が広く、類似色が指し示す色は同系色の範囲に含まれることが分かります。
したがって、類似色は同系色の一つであり、より狭い範囲の色を表しているといえます。
「類似色」とは
まとめると、類似色は
- 色:色相やトーン、あるいは色相とトーンが近い色
- 特徴:同系色に含まれ、より近い色の関係を示す
- 言葉:厳密な色彩用語ではなく、一般的に用いられる広義の言葉
ということになります。
類似色を選ぶ際は、見た目が近い色と捉えると、色を選びやすくなります。類似色はまとまりのある配色を作りたいときにとても便利で、ファッションやインテリア、デザインなどに使いやすい組み合わせです。
また、「類似色」ということばは「同系色」と同じく一般的で感覚的に伝わりやすい言葉です。色合いが近いことを表す時に「同系色」と使い分けて活用してはいかがでしょうか。
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