2026年1月16日金曜日

同系色の正体と、指し示す色~「同系色」は色彩用語ではない?

配色の色選びに悩んでいる女の子の画像

「同系色」という言葉は、ファッションやインテリア、デザインなどでよく目にする言葉です。ショップなどで、「同系色でまとめると素敵ですよ。」などと言われた経験がある方もいらっしゃると思います。

その一方で、同系色とはどのような色を指すのか、明確に答えられる方は少ないのではないでしょうか?

そこで、この記事では同系色という言葉の意味や、指し示す色について取り上げます。


「同系色」は色彩用語ではない?

「同系色」とはどのような色か?じつは、私自身、文献やテキストで明確な定義を目にした記憶がありません。

カラーのテキスト類では特に解説されておらず、次のような部分にこの言葉が見られます。

色彩検定 3級公式テキスト
  同一色相配色の説明文 『…いわゆる同系色の配色になるので…』
カラーコーディネーター検定試験 スタンダードクラス公式テキスト
 色相が近い配色の説明文 『…一般に同系色配色と呼ばれています。』

これらの文では「同系色」に、「一般的に」や「いわゆる(=一般的にそういわれている)」という表現が加えられており、この点に注目すると、「同系色」は厳密な色彩用語ではないようです。

そもそも、上の2つのテキストを比較しても、「同系色」が示す内容は

色彩検定 → 同一色相配色(色相差0)*
カラーコーディネーター検定試験 → 同一、隣接、類似色相配色(色相差0~3)*

と、幅があります。(*用語については下記の(解説)をご覧ください)

これらのことから、「同系色」という言葉は色彩用語として厳密に定義されているわけではなく、ファッション、インテリア、デザインなどの分野で一般的に用いられるざっくりとした表現だと考えられます。

では、実際に同系色はどのような色を指しているのかを見てみましょう。


(解説)
*同一色相配色:1つの色相でトーンを変えた色同士の配色(色相差0)
*隣接色相配色:色相環上で隣り合う色相による配色(色相差1)
*類似色相配色:色相環上で色相差が2~3の色による配色


12色相の色相環

*ここでは12色色相環を使用しています。24色相のうち偶数番号の
12色相を並べているため、隣り合う色との色相差は2となります。


色相とトーン(明度+彩度)から見た同系色

同系色の「系」は、つながりやまとまり、分類などを表す言葉です。色相やトーンにつながり・まとまりのある同系色には次のようなものがあります。


①同一色相配色

上の(解説)のとおり、同一色相配色とは1つの色相でトーンを変えた色同士の配色です。

下の例は、赤(左)と、赤のトーンを変えた色(右)の組み合わせです。

同一色相配色の例。赤と、同じ赤でトーンを変えた色を並べた配色

②隣接色相配色、類似色相配色

こちらも(解説)のとおり、隣接色相配色は色相環上で隣り合う色相差1の色の配色、類似色相配色は色相差が2~3の色の配色です。

下の例は、赤(左)と、赤の類似色相の赤みのだいだい(右)の組み合わせです。色相差は2です。

類似色相配色の例。赤と赤みのだいだいを並べた配色(色相差2)


③トーンと色相がごく近い配色

①は同じ色相でトーンが異なる配色、②は同じトーンで色相が異なる配色ですが、③は①+②、つまり、色相もトーンも異なる配色です。異なるといっても、その差はそれぞれ小さく、互いに近しい関係にあります。

下の例は、赤(左)と、赤みのだいだいのトーンを変えた色(右)の組み合わせです。

色相もトーンもごく近い配色の例。赤と、赤みのだいだいのトーンを変えた色を並べた配色

これら3つはいずれも色に共通性や近さがあり、まとまりが強く感じられる配色です。


色の分類による「同系色」

上の①~③は、色相やトーンからの視点での同系色でしたが、それ以外にも色の分類によって同系色とされる場合があります。

例えば、パーソナルカラーでおなじみのイエローベースカラー(イエベ)とブルーベースカラー(ブルベ)です。どちらかのグループで色をまとめる時に、「同系色で」と表現されることがあります。

下の例は、イエベカラーによる配色(上)と、ブルベカラーによる配色(下)です。



このような配色では、パーソナルカラーという前提がないと、「同系色」の意図が伝わりにくいかもしれません。


「同系色」とは

まとめると、同系色とは

・あるつながりや共通性を持ち、まとまりの配色をつくる色
・特に色相に共通性・類似性がある色を指す場合が多い
・厳密な色彩用語ではなく、一般的に用いられる広義の言葉

ということになります。

「同系色」という言葉が指し示す色には幅かありますので、同系色を選ぶ時は厳密に考えすぎず、まとまり感が得られる色を選ぶことがポイントです。

もし迷ったら、色相が近い色を選べば大きく外すことはありません。

また、「同系色」という言葉は、一般的でざっくりとした言葉であるからこそ、ファッションやデザイン、そして色彩のテキストにも広く用いられ、色に詳しくない方にも感覚的あるいは直感的に伝わる便利な言葉だと思います。ちょっとした説明などで、気軽に使える言葉として活用してみてはいかがでしょうか。

次回の記事では、「同系色」と同様に迷う方が多い「類似色」について、両者の違いも含めて考えます。


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