2026年7月4日土曜日

モノトーン配色とは?白黒とは限らない

古い本を映したセピア色のモノトーン画像
photo by Masumi Chiba

「モノトーン」という言葉は、配色や色彩の表現としてよく使われる言葉です。「モノトーン」という言葉から白・黒の無彩色をイメージされる方が多いと思いますが、色彩用語として捉えると無彩色配色とは限りません。

この記事では、「モノトーン」はどんな配色を指し示すのか、その意味や背景を解説します。


「モノトーン=無彩色」とは限らない

ファッションやインテリアなどの分野で「モノトーン」と言えば、一般的に白・黒・グレーの無彩色による配色を意味します。

一方、色彩用語としての「モノトーン」は無彩色配色とは限りません。一つの色の濃淡や明暗、つまり色相を変えずに明度や彩度を変化させた色で構成した配色のことです。例えば、トップの古い本の画像はセピア色を使用したモノトーン画像で、セピア色の明るさを変化させた色で構成されています。

つまり、「モノトーン」は日常的には無彩色配色を指しますが、色彩学の視点では一つの色を変化させた配色で、無彩色配色を含む概念です。


「モノトーン」と「モノクローム」

「モノトーン(monotone)」の語源をたどると、もとは音楽用語で、「モノ(mono)」は「一つの」、「トーン(tone)」は「音調」を意味し、一本調子で単調なことを表していました。後に、美術の分野でも用いられるようになり、現代日本では色彩用語として使用されています。

「モノトーン」と同じ意味で使われる言葉に「モノクローム(monochrome、略してモノクロ)」があります。こちらは絵画・芸術用語で、「モノ(mono)」は「一つの」、「クローム/クロマ(chrome/chroma)」は「色」に関わる語で、「一つの色」による単色・単彩画を表しています。

どちらも「一つの」という意味を含み、無彩色かどうかではなく、統一性や単調さを伝える言葉です。


「無彩色」のイメージはなぜ広がった?

「モノトーン」も「モノクローム」も、本来は無彩色だけを指しているわけではありませんが、そう理解されているのはなぜでしょう?

その発端として、1980年代のDCブランドブームにおいて、「モノトーンファッション」の名で黒を基調とする無彩色ファッションが大流行した点が挙げられています。特に黒の人気は高く、「ジャパンブラック」「カラス族」などの言葉も生まれ、「モノトーン=白・黒・グレー」というイメージが広がる一因になったと考えられます。

さらに付け加えると、英語でも「モノクローム」には無彩色の意味が含まれますが、単一色相配色を「モノクローム」、無彩色配色を「アクロマティック(achromatic)」と区別する傾向もあります。日本では「モノトーン」や「モノクローム」が無彩色配色を指すことが多く、この点は少々特徴的と言えるかもしれません。


「モノトーン」が示す色の幅

これまで見てきたように、「モノトーン」はファッション、インテリア分野を中心に無彩色配色を指しますが、色彩学では無彩色を含む一つの色の濃淡・明暗配色を表します。

そのため、「モノトーン」「モノクローム」という言葉を目にした場合は、無彩色配色だけでなく、有彩色による単一色相配色の可能性もあることを知っておくと、意味の取り違いを防げるでしょう。


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