AI画像生成【色調表現の比較】シリーズとして、これまで4回の画像生成を行ってきました。
最終回となる今回は「秋らしい色調」をテーマにAIが生成した画像を比較します。
「秋らしい色」というと、あなたはどんな色を連想しますか?
紅葉の色、枯葉の色、高く澄み切った空の色など、多彩な秋色があります。中には、パーソナルカラーの「オータム」を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれません。
3つのAI(ChatGPT・Gemini・Copilot)がどんな秋色を選ぶのか、それぞれの特徴を検証します。
■ 使用ツールとテーマ(プロンプト)
次の3つのAI画像生成ツールに同じテーマ(プロンプト)を与え、生成された画像を比較しました。
【ツール】
ChatGPT / Gemini / Copilot
【プロンプト】
「次の画像を生成してください。画像サイズは4×3の横長で作成。日本の古い町並み。秋らしい色調で。」
【参考】
一般的に秋をイメージさせる色は、下図のカラーパレットのように、色相は赤、橙、黄の暖色が中心です。
トーンはPCCSのディープトーンやダルトーンなど、明度は低~中で、彩度は中~高あたりのトーンが中心となります。
■ 生成画像の比較
【ChatGPT】
②光の扱い: 陽が落ちた直後に夕陽が少し残っているような、画面奥からの光が描かれている。
③雰囲気: 全体的な色のまとまり感が強く、穏やかな印象。
【Gemini】
②光の扱い: 秋の柔らかな日差しが描かれ、明暗が表現されている。
③雰囲気: 光の効果と控えめな紅葉で、のどかな雰囲気。
【Copilot】
②光の扱い: 曇り空からの光のような、明暗の少ない落ち着いた光。
③雰囲気: 紅葉の鮮やかさと手前の建物の暗い茶で、重厚感を感じる。
■ まとめ・気づき
・全体的に、もう少し多彩な色使いになることを予想していたが、色相が赤・橙・黄に集中し、王道の秋色が表現された印象。画像のモチーフと構図も、3つのAIで共通点が多い。
・光の表現による画面の明るさは、ChatGPT<Copilot<Geminiと明るくなっていく。色の落ち着きはプロンプトの言葉「古い町並み」の影響も考えられる。
・ChatGPTは、木々の間から見える空までも黄みを帯び、色相のまとまり感が非常に強い。また、画像を拡大すると手書きのイラスト風で、この点からも暖かい雰囲気が生じているように感じる。
・Geminiは、他の2つに比べて紅葉が控えめに描かれている。今回も光の明暗や、プロンプトにない描き込みによる演出で、「Geminiスタイル」とも言える表現を展開している。一方で、プロンプトの「画像サイズは4×3の横長で作成。」は、一度も反映されなかったため、プロンプトに工夫が必要と思われる。
・今回のCopilotは、これまで生成した中で最も鮮やかな色調である。鮮やかな赤、暗い茶、赤みを帯びた灰色がかった空の色、この3つのコントラストがインパクトを強め、ドラマチックな印象が伝わる。
3つの生成画像の比較とともに、秋色をお楽しみいただけたでしょうか。
このAI生成画像シリーズの第一弾で5回、第二弾で5回、合計10回の画像生成により、各AIの個性が見えてきたように感じます。
画像生成の内容に合わせて使用するAIを選び、AIの個性を利用することは、自分が表現したい色を得るための近道になりそうです。
これからもAIにさまざまなお題を出して、生成画像の色合いをチェックしたいと思います。
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