AIによる画像生成はどんどん進化を遂げていますが、思い通りの画像を生成させるための指示(プロンプト)はなかなか難しいものです。
このブログでは、先月、「AIに色は伝わるか?」をテーマに、ことばで伝えた色をAIがどのように再現するのかを5回にわたり検証しました。(詳細は下部のリンクよりご覧いただけます)
これに引き続き、今回はAIに色調の指示を試すことにしました。前回の色の指定とは異なり、画像全体の色のトーンや傾向、雰囲気に注目します。
■ 色調比較の実験方法
「『落ち着いた』色調の風景画を生成して」などと、AIに対し色調を含めた画像生成を指示し、出来上がった画像ではどのような色合い・雰囲気が表現されているかを比較検証します。
使用するAIは、前回と同じく ChatGPT、Gemini、Copilot の3つです。
3つのAIに同じプロンプトを与えて、生成された画像について次の3点について評価します。
①色の傾向(色相・色のトーン)
②光の扱い(明るさ・陰影)
③雰囲気(演出)
また、実験のテーマは次の5つを予定しています。
・落ち着いた
・カジュアルな
・ナチュラルな
・ディープトーン(PCCS)
・秋らしい
■ AI同士の評価は?
では、この3つのAIは、お互いの生成画像をどう評価しているのでしょうか?実験を前に、それぞれのAIに3者の生成画像の特徴を訊いてみました。
【質問】
「次の各AIの生成画像について、色彩表現を中心にどんな特徴があるかを50文字以内で述べて。
①ChatGPT、②Gemini、③Copilot
それぞれの回答は、次の通りです。
【ChatGPT】
①ChatGPT: 落ち着いた中間色を多用し、光を柔らかく表現。調和感が高い。
②Gemini: 明度高めで透明感のある色調。寒色寄りのクリーンな印象。
③Copilot: 彩度が高くコントラストも強め。光と影の差で深みを演出。
【Gemini】
①ChatGPT: 彩度が低く中間トーンが強い傾向で、落ち着いた暖色寄りの表現が多い。
②Gemini: リアルで鮮明、または多彩なスタイルに対応し、プロンプトで色鮮やかな表現も可能。
③Copilot: リアルな写真風から芸術的な画風まで多様で、光と陰影の表現がリアル
【Copilot】
①ChatGPT: 繊細な陰影と高彩度で、幻想的な色調が得意
②Gemini: 写実性と透明感が強く、光彩表現が豊か
③Copilot: 明瞭で均整の取れた配色、指示反映が精密
評価が一致している点と分かれている点、また、「幻想的な色調」など抽象的な評価もあり、
面白いですね。
これから生成される画像に上記のような特徴が見られるかも検証してみたいと思います。ぜひご覧ください。
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*シリーズ第一弾・記事まとめ*
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】画像生成と色の実験をはじめます!
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第1回 三原色(赤・黄・青)の再現度チェック
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第2回 人気色・ピンクとみずいろの色合いは?
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第3回 PCCSによる色の表示は伝わるか?
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第4回 伝統色(和の色)
▶ 【シリーズ・AIに色は伝わるか?】第5回 外国語由来の慣用色名