毎年、年末が近づくと、「今年の流行〇〇〇」「今年流行った〇〇〇」という話題がよく取り上げられます。
では、色についてはどうでしょうか?「今年の流行色」などという場合、じつは「流行色」には2つの意味があります。この2つの違いが分かると、商品カラーがどのように展開されるのかも理解しやすくなります。
そこで今回は、「流行色」ということばが表す色について解説します。
■ 流行色とは?
流行色は一般的に、人気色とトレンドカラーの2つの意味があります。
・人気色
流行色が示す色の1つ目は、人気色です。
ある時期において、ファッション、商品カラーの色として、多くの人に好まれ選ばれた色のこと、つまり実際に売れた色です。
例えば、不況の時期には黒が、環境への関心が高まるとエコロジーカラー(自然を象徴する緑や青など)が流行るなど、流行色は社会の状況を反映しています。
・提案色、予測色
もう一つは、JAFCA(日本流行色協会)や、PANTONE社などによる提案色や、流行が期待される予測色です。
これらは「トレンドカラー」と呼ばれ、流行色(人気色)と区別される傾向にあります。
商品やサービス、広告などに、トレンドカラーを取り入れる企業も少なくありません。
■ 2025年のトレンドカラー
2024年12月に発表された2025年のトレンドカラー2つを、振り返りとして見てみましょう。
・PANTONE Color of the Year 2025/Mocha Mousse
PANTONE社が2025年の色として選んだのは、温かみのあるブラウンカラー、Mocha Mousse(モカ・ムース)です。※画面上の画像がMocha Mousseのビジュアルイメージです。
チョコレートやコーヒーに通じるこの色は、豊かさに満ち、つながりや安心感、調和などのムードを捉えた色として選ばれました。
・JAFCA 2025年の色/ホライゾングリーン
JAFCAは、空の青と海のエメラルドグリーンが溶け合う水平線の穏やかな青緑、ホライゾングリーンを2025年の色に選びました。
自然災害や紛争などが続く状況の中で、時代を冷静に読むまなざしや、その先にある希望のイメージを重ねた色です。
トレンドカラーとして、Mocha Mousseやホライゾングリーンが提案された2025年、実際に人気となったのはどんな色でしょうか。次回の記事でご紹介します。