2016年4月20日水曜日

山本二三展|宮崎駿作品を彩る背景美術に魅せられて

山形美術館で開催された「山本二三展」の看板

先日、山形美術館にて「山本二三展」を観てきました。


■ 山本二三さんとは?

山本二三(やまもと にぞう) さんと聞いて、すぐにピン!と来た方は、よほどのアニメファンでいらっしゃることと思います。山本さんは、宮崎駿監督や高畑勲監督の多くの作品で、美術監督や背景を担当された方です。幼い頃から宮崎アニメに親しんでいる私も、この方のお名前は存じ上げませんでした。

しかし、展示された作品はどれも見覚えのあるものばかり!「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」 など、物語を美しく幻想的に演出した 背景画 の数々です。物語のワンシーンが思い出され、ワクワク感が蘇りました。


■ 「背景」ではなく「主役」になる世界

また、実物の作品を間近で観ると、その技術の繊細さに驚きます。

例えば、用紙にたっぷりと水を含ませて色をぼかしたり、数ミリほどの細かなタッチで色を重ねていたり…。

特に、色による明暗(光と影)遠近感の明確かつ効果的な表現が素晴らしく、大変勉強になりました。

背景画というと、なんとなく脇役のイメージですが、これはもう立派な主役です。

ぜひ機会があれば山本二三さんの作品をご覧になってみてください。アニメ作品を観るのとは、また違う感動があることと思います。




2016年4月14日木曜日

ガウディに学ぶ:自然の色が教えてくれること

新緑とピンクのつぼみが美しい木の枝の写真
Photo by Masumi Chiba

通りすがりに見かけた花のつぼみの、みずみずしい黄緑色の新緑とほんのりとした淡いピンクが美しく、思わずスマホで写真を撮りました。なんとも美しい色合いですね!


■ 自然のヒントにカラーコーディネート

ふと目を止めた自然の美しい色彩が、身の回りのカラーコーディネートのヒントになることがあります。

上の画像の色合いを取り入れるなら、例えば、メイクなら、明るいグリーン系のアイシャドーに淡いトーンのピンクのリップ。ファッションなら、明るいグリーン系のスプリングコートにピンク系のストールを合わせるなど。

春の雰囲気いっぱいのコーディネートになりそうです!


■ ガウディの言葉に学ぶ

『人間は想像しない。
 自然の中から発見するだけである。
 人間は発見し、そこから出発する。』

これは、天才建築家 アントニオ・ガウディ の言葉です。

人間はゼロから物事を生み出すのではなく、自然の営みの中で気づきや学びを得て、新しい発想を生み出すということを、この言葉は物語っているのだと思います。

配色も自分の頭で考えるのではなく自然の色から学ぶ、そうやってメイクやファッション、インテリア、大人のぬり絵も、色の世界を広げて行けそうです。

身の回りの自然に、もっと目を向けてみませんか。




2016年4月11日月曜日

大人の塗り絵|背景色ひとつで変わる、作品の雰囲気と色の見え方

カラフルな花模様を塗った大人の塗り絵作品
colored by Masumi Chiba

今回の塗り絵は、マーカーペンと蛍光ペンを使用してみました。少々ムラになったり、滲んだりしましたが、色の鮮やかさと透明感はペンならではですね。

この塗り絵を使って、背景色を変えるという実験をしてみました。


■ 画像ソフトで背景色を変えてみると…

・背景色選びは悩みのタネ

塗り絵の配色で、背景の色選びに迷うことはありませんか? 私はしょっちゅう、いえ、毎回悩みます。

背景色は画面に占める割合が大きい場合もあるので、色選びには慎重になります。

そこで、背景色によって作品全体のイメージがどのように変わるのか、ちょっと実験をしてみました。


・画像ソフトで背景色を変化させてみる

上の画像はオリジナルの作品です。太陽の暖かい日差しのような柔らかな黄色を背景色としました。全体が明るくまとまったと思います。

これを、画像ソフト(Photoshop)を使って、背景色を変化させたのが下の2つの画像です。


花模様の塗り絵を明るいブルーの背景に変えた作品

こちらの背景は、黄色と反対色の明るいブルーです。図柄の花にも使用している色なので、全体の調和は得られています。

オリジナルと比べると、ブルーの効果により、少し引き締まったクールな印象に変わりました。*画像ソフトで塗りつぶしたので、ペンのような透明感がありません。


花模様の塗り絵をネイビーの背景に変えた作品


ブルーの明度を落として、ネイビーの背景に変えたのがこちらの画像です。

引き締まった印象が強くなりました。また、背景が後退して見えるので、花が手前に進出しているような立体感が感じられます。

イメージ的にも、夜に咲く花のような神秘的な雰囲気になりました。


■ 背景色は作品全体の雰囲気を変える

このように実際に色を変えて比べてみると、背景色によって図柄の見え方や、作品全体のイメージが、かなり変わることが分かります。また、背景の面積が広ければ広いほど、背景色の影響力も大きくなります。

背景色は、作品全体にとってとても重要です。

背景色が思い浮かばない、あるいは決められない場合は、カラーカードを背景部分にあてるなどして、試してみるのがおすすめです。

自分が思い描く作品に仕上げるためには、背景色を慎重に選ぶ必要がありますね。


■ 関連記事

大人の塗り絵|大人のぬり絵|どこから塗る?迷ったときは「主役」から
大人の塗り絵|濃く塗り過ぎた失敗から学ぶ、色重ねのコツ
大人の塗り絵|作品を見直すと気づく、自分の色づかいのクセ