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2026年2月20日金曜日

「和のなるほど図鑑」|日本の伝統文化と配色が学べる一冊

みっけ著「和のなるほど図鑑」の表紙

春を思わせる優しい桃色の表紙に惹かれ手に取った 「和のなるほど図鑑」 をご紹介します。


和の雑学教養本

この本の著者はデザイナーのみっけさん。クイズ好きのみっけさんがクイズに強くなるために集めた情報の中から、日本の伝統文化に関するものを美しいデザインでまとめたのがこの本です。

日本語、暦、歴史と文化、芸術と芸能など14の章で構成され、みっけさんのイラストやデザインがオールカラーで楽しめます。

ページをめくりながら、日本人として日本に長年暮らしながら、知らないことは多いものだと感じました。中でも、初めて触れた日本刀の「刃文」の種類には驚きました。刃文とは刀の刃の部分に焼き入れをした際に現れる文様のことです。8種類の模様が紹介されていて、このような「美」があったとは全く知りませんでした。

もちろん、「色」に関するページもあります。日本の代表的な伝統色や文様、平安時代の「襲色目(かさねのいろめ)」、聖徳太子が制定した「冠位十二階」などの冠位を表す色、そして玉ねぎ、みかんなど染め物に使われた食物などが紹介されています。色彩史の勉強にも役立ちそうです。


配色見本帳としてもおすすめ

取り上げられた内容の興味深さに加えて、この本の大きな魅力となっているのがみっけさんのデザインです。和の色を意識してか中間色が多く、柔らかな配色が各ページを美しく彩っています。

柔らかな色合いの中にも、渋めの配色から可愛らしい配色まで幅広く、テーマごとの配色の個性が感じられます。また、絵具のチューブやアイシャドウパレットをモチーフに色を紹介するなど、見せ方もユニークです。

和の配色は古風なイメージになる場合がありますが、この本はどちらかというと現代的でおしゃれな印象を受けました。そのため、この本は配色見本帳としても役立つと思います。

イラストやデザインから配色のヒントを得たり、気に入った配色を見つけて色使いのお手本にしたりと、たくさんのアイデアや学びを得られそうです。

和の雑学と色の世界を同時に楽しめる、おすすめの一冊です。


🔗 関連記事

「色にいでにけり」|江戸時代のカラーコーディネーター
「地球にじいろ図鑑」|鉱物×日本の伝統色で広がる色の世界
「100語でわかる色彩」|色彩用語から広がる豊かな色の世界



2025年10月3日金曜日

新版「「色のふしぎ」と不思議な社会」|色覚の多様性を知り、社会のこれからを考える

「新版「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」言論」表紙の写真

近年「多様性」という言葉をよく目にするようになりました。人種や言語、文化・風習などさまざまな分野での多様性が注目されていますが、色の見え方にも多様性があります。

今回はぜひ多くの方に知っていただきたい「色覚多様性」に関する本のご紹介です。


■ 書籍情報

・タイトル:新版 「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」言論

・著  者:川端 裕人

(内容)
あなたと私、「赤」が違って見えているかも。
最新科学が示す「色の見え方」の驚くべき多様性と、悩ましい検査の問題。研究者と対話しつつ、科学作家は思索する。(amazonより)


■ 新版を手にして

「「色のふしぎ」と不思議な社会」の旧版は、5年前の2020年秋に出版されました。私がこの本に出合ったのは2021年の2月で、その時の感想は下記の記事でご覧いただけます。

記事「「「色のふしぎ」と不思議な社会」|色覚の多様性を知るために」

旧版が大変興味深かったので、今年7月に出版された新版ではどんな点が更新されたのか、旧版と新版を並べて比較しながら読み進めました。新版では、旧版から5年を経て変わった点に、細やかな修正と大幅な加筆が加えられていて、とても「今」を感じました。


■ 色覚のふしぎ

この本では、「色覚異常」とされた人々が社会の中でどういう状況であったか、色の見え方の分析、色覚の多様性に対する課題などが詳しく解説されています。

中でも色の見え方については、色覚の進化や遺伝、脳内処理、ことばとの関係など、多方面からの視点で分析されていて、あらためて「面白い!」と思いながら読み進めました。

また、目が不自由だと聴覚が鋭くなるように、色覚に少々問題があっても、明暗で判別できたり、視覚以外の感覚を活用するなど、体の機能を総動員して色覚の問題をカバーできるという点について、人間の強さと不思議さ、そして、問題解決への希望を感じました。

*参考(色覚を明暗への感度でカバーする人物が登場するドラマの紹介)
記事「韓国ドラマ「あなたが寝ている間に」で描かれた色覚の多様性」


「あなたと私、この赤が違って見えているかも」

「正常」とされる色覚から「異常」とされる色覚まではグラデーションで、なだらかに変化し、線引きすることができません。そのため「正常」「異常」ではなく、「多様性」と捉えるべきだという筆者の考えは、旧版よりもさらに強く伝わってきます。

手始めとして、色覚多様性をより多くの人に広め、正しい理解を深めることが大切です。そして、色のユニバーサルデザインを取り入れる、AI技術を活用するなどして、色覚による「困りごと」を取り除いていくことが必要。

社会状況は少しずつ変わってきていますが、まだまだ身近に改善点が見つかるはずです。

自分の色の見え方が他人と違うなんて、気づいたり、考えたりする機会はなかなかないかもしれませんが、もしかしたら色で困っている人が近くにいるかもしれないことを、忘れず心に留めておきたいと思います。


🔗 関連リンクやおすすめ記事紹介

2023年9月26日火曜日

「地球にじいろ図鑑」|鉱物×日本の伝統色で広がる色の世界


今回は最近購入した本の中から、色が好きな方や、ジュエリー、パワーストーンに興味を持っていらっしゃる方におすすめしたい本をご紹介します。


■ 鉱物と伝統色のユニークな本

画像の書籍「地球にじいろ図鑑 鉱物×日本の伝統色」茜 灯里(化学同人)は、日本の伝統色をテーマカラーとして、その色をもつ鉱物を紹介している大変ユニークな本です。

ページをめくるたびに色鮮やかな美しい鉱物が現れ、地球上にはこんなにもたくさんの美しい石があるのかと驚きます。ページの構成も取り上げた伝統色を活かしたデザインで、こちらも大変綺麗です。

各ページの最初に日本の伝統色名を掲げ、その色の鉱物の画像、和名、よく知られた名前、解説、そして同じ色の植物や動物の画像が1ページにまとめられています。

例えば、1ページ目は
・伝統色名:茜色(あかねいろ)
・その色の鉱物の和名:紅玉(+画像・解説)
・その色の鉱物のよく知られた名前:ルビー
・同じ色の植物:レッドカサブランカ(花の画像)
・同じ色の動物:タカサゴマシコ(鳥の画像) など

中には瑠璃色(ラピスラズリ)のように、その鉱物(この場合は瑠璃)が伝統色名の由来となっているものもあります。

また、鉱物のデータや、伝統色のマンセル値、系統色名、CMYKを含むカラーチャートもあって、何かと便利です。

少々残念なのは、琥珀が「琥珀色」でなく「向日葵色(ひまわりいろ)」の石、トルコ石が「ターコイズ・ブルー」でなく「浅葱(あさぎ)」の石というように、あくまでも日本の伝統色の色を優先させている点です。

しかし、それでも眺めているだけで十二分に楽しめます。書店で見かけたら、是非手に取って開いてみてください。

きっと色とりどりの石たちに惹かれることと思います。




2022年11月29日火曜日

新配色カード158|199にはない5枚のカードとは?

日本色研・新配色カード199aと158aが並んだ写真

日本色研の新配色カード158と199のカード構成の違いについて、以前の記事「新配色カード158|199との違いと、用途別の使い分け」でご紹介しました。

今回は、158が含んでいる特徴的なカードについて取り上げます。


■ 199になくて、158にある色

199と158の数字は、含んでいるカラーカードの枚数を表しています。というと、199は158プラスアルファの構成に思えます。

ところが、158にはあって、199にはないカードが5枚あります。下の画像はその5枚のカードです。


・199aには含まれていない色


新配色カード158aで、199に含まれていないカードの写真

上の5枚のカラーカードの色をPCCSの記号で表すと、次のとおりです。

  • 2:R - 4.5 - 9s
  • 2:R - 4.5 - 7s
  • 2:R - 4.5 - 5s
  • 2:R - 4.5 - 3s
  • 2:R - 4.5 - 1s

それぞれ、左側と真ん中の「2:R-4.5」は共通していて、右端の数字が変化しています。「2:R」は色相、「4.5」は明度を表しています。右端の「9s」から「1s」は彩度の数値です。

つまり、赤の純色(2:R-4.5-9s)を、明度(明るさ)を変えずに彩度(鮮やかさ)だけを変化させた段階がこの5枚なのです。


・158では、彩度のみの変化が確認できる


赤色の変化を表すPCCSのトーンマップ

上の図は赤のトーン(明度+彩度)ごとの変化です。右端が赤の純色で左に行くにしたがって彩度が低くなっていき、最後には彩度ゼロ、すなわち無彩色となります。

しかし、図の中の色の配置を見ると、右端の純色から左側の無彩色まで、高さ(明度)を変えずにまっすぐと無彩色まで変化する流れを確認することはできません。

したがって、トーンごとの色で構成されている配色カードでも、彩度のみの変化は確認できません。

しかし、158にはその段階を表す5枚が含まれており、赤のサイドの変化を見ることができます。この点が158の最大のポイントで、1つ持っていても損は無いと思います。

書店等でなかなか置いていないのが難点ですが、お値段も199よりお安いので、配色練習等へのご活用をおすすめします。
(価格は今日現在のものです)


(追記 2025年11月)
「新配色カード199a」は2024年にリニューアルされ、表紙デザインの変更の他、新たにCMYK値とsRGBがインデックスに記載されました。カードの構成については、従来品と変わりありません。


■ 関連記事

カラーカード(配色カード)の使い方|①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)
カラーカード(配色カード)の使い方|②カードの構成(トーン・並び)
カラーカード(配色カード)の使い方|③カードの活用法(配色練習に活かす)

新配色カード158|199との違いと、用途別の使い分け



2022年11月14日月曜日

「100語でわかる色彩」|色彩用語から広がる豊かな色の世界

「100語でわかる色彩」アマンディンヌ・ガリエンヌ 表紙画像
「100語でわかる色彩」アマンディンヌ・ガリエンヌ

「色の世界を覗いてみたい」というカラー初心者さんにも、資格取得後に「もっと色の世界を広げたい」とお考えの方にも、おすすめの本のご紹介です。


■ 「100語でわかる色彩」アマンディンヌ・ガリエンヌ

「100語でわかる色彩」は、赤、青といった色名をはじめ、色彩用語や身近な事象など 100 のキーワードによって色の世界を語った本です。

色に関するキーワードを集めた本は何冊か読みましたが、それらと異なるのは、アート、文化、顔料・染料などの話題が大変豊富なことです。

何より、著者の感性の豊かさを感じる表現が素晴らしく、文字だけの本なのに華やかな色彩世界が頭の中に浮かびます。

著者はカラーアドバイザー(カラリスト)として、エルメスなどファッション界や出版界などの仕事に携わってきた方です。幼い頃からの豊かな色彩体験や、色に対する繊細な視点も文章の随所に現れています。

例えば「暖色」という章では、暖色と寒色について簡単に説明した後、こう記しています。

『とはいえ、中国のベルベットの紫がかった青色は
 赤み(暖色)を帯びており、セーブル焼きの青よりも
 暖かい印象を与える。』

ベルベット、セーブル焼と、取り上げる例もなんて優雅なことでしょう。(ため息)


■ 新たな色の学びのきっかけに

この記事のはじめに述べた通り、カラー初心者さんにも面白く読んでいただける本ですが、ある程度色彩用語などを学ばれた方には、初心者さんとはまた違った興味深さが感じられることでしょう。それは、色彩検定や、カラーコーディネーター検定試験などのテキスト類では見られない新鮮な解説が豊富だからです。

例えば、色の重量感。テキスト類では「色の明度が大きく関わる」と解説されています。

しかし、この本の解説は…

『濃くて深い色彩は、
 その密度のせいで重い印象を与える。』

色の「密度」という視点、ちょっと目から鱗的な驚きがありませんか?

100 語の各解説は 1~2 ページ程度と短いものですが、バラエティ豊かな言葉が含まれているので、それらを調べながらじっくり理解を深めると、かなりの知識が得られるはずです。

手元に置いて、時折り眺めたい一冊です。




2022年11月7日月曜日

新配色カード158|199との違いと、用途別の使い分け

日本色研・配色カード158aと配色ワークの写真
右のカラーカードが配色カード158a 

今回取り上げるのは、日本色研の新配色カード158シリーズです。

配色カードと言えば、色彩検定で使用される199aを思い浮かべる方が多いかと思います。

158、199という数字は、商品を構成しているカラーカードの枚数を表し、a、b、c のアルファベットはカードのサイズを表しています。つまり、158シリーズはカラーカード158枚(158色)で構成されている商品ということです。


■ 配色カード158と199、構成の違い

・配色カード158、リニューアルの内容

新配色カード158は2022年にリニューアルされ、表面の質感が光沢からマットへ、大きさも199シリーズと同じサイズとなり、使いやすさがアップしています。お値段は、最小サイズの「新配色カード158a」が825円(税込)です。*2025年12月現在


・配色カード158と199、構成の違い

はじめにご紹介したとおり、158シリーズと199シリーズではカラーカードの枚数が異なります。それぞれの構成を見てみましょう。

158と199には、まず、次のPCCSの有彩色(144枚)が含まれています。

  • vビビッドトーン(純色) 24枚
  • dpディープトーン 12枚
  • dkダークトーン 12枚
  • pペールトーン 12枚
  • ltライトトーン 12枚
  • bブライトトーン 12枚
  • sfソフトトーン 12枚
  • dダルトーン 12枚
  • ltgライトグレイッシュトーン 12枚
  • gグレイッシュトーン 12枚
  • dkgダークグレイッシュトーン 12枚

無彩色については、158では 9枚(9段階)なのに対し、199が W(ホワイト)からBk(ブラック)まで17枚(17段階)です。

158は上記に彩度段階を表す5枚が加わり、合計158枚という構成です。

199は上記にピンク系10枚、ブラウン系7枚、オフニュートラル系15枚、フレッシュ(肌色)系6色が含まれ、199枚となっています。


■ 158と199の使い分け

初・中級レベルの配色レッスンや、検定試験に向けた学習においては、158シリーズの構成で十分間に合います。

逆に199をおすすめしたいのは、色彩検定1級を受験される方です。2次試験で199aが使用されますので、こちらに慣れておいた方が良いでしょう。*2026年からは2次試験でカラーカードを使用しない方向になる予定です。

また、ファッション、メイク、インテリア等の配色を学ぶ方にも、ピンク系やブラウン系などを含む199がおすすめです。

158にするか、それとも199シリーズか、レベルや用途に合わせて、お選びになると良いと思います。


■ 関連記事

カラーカード(配色カード)の使い方|①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)
カラーカード(配色カード)の使い方|②カードの構成(トーン・並び)
カラーカード(配色カード)の使い方|③カードの活用法(配色練習に活かす)



2021年2月21日日曜日

「「色のふしぎ」と不思議な社会」|色覚の多様性を知るために

おすすめ本「「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」言論」の表紙
「「色のふしぎ」と不思議な社会」*インデックスや付箋は私が貼ったものです

長いこと色彩講師をしていますが、この本を読んで目からウロコが何枚も落ちました。

川端裕人 著 「「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」言論」をご紹介します。


■ 色の見え方の多様性

色覚(色の見え方)が正常か、それとも異常か、-このようにいうと、2者の境界が明確であるように感じます。「異常」とされた人は「正常」な人と全く違う世界を見ているのではないかと…。

しかし、実際は「正常」から「異常」へ色覚の差異はなだらかに変化してくため、両者はきっちりと分かれおらず、線引きは大変難しい。この現実に大変驚きました。

「異常」にごく近い「正常」者もいれば、「正常」にごく近い「異常」者もいる。それほど色の見え方には多様性があります。

色覚には個人差があること、加齢により色覚が変化することなど、色覚の多様性についてはある程度理解しているつもりでしたが、それを超える内容がいくつも紹介されていました。


■ 色覚異常とされた人々と、取り巻く社会

先天色覚異常とは何かにはじまり、先天色覚異常と診断された人々を取り巻く社会とその人たちの声、色覚の進化、色覚のメカニズム、現在の色覚検査など多岐にわたる視点から色覚について述べられています。

色覚によって、進学や職業選択が制限されることがあります。また、各種標示や公共スペースなどの配色はどうあるべきかなど、色覚の多様性は私たちの生活に大きく関与しています。

色に関心のある方だけでなく、あらゆる方にお読みいただき、色の見え方への関心・理解を深めていただきたいと強く思いました。


■ 関連記事

韓国ドラマ「あなたが寝ている間に」で描かれた色覚の多様性
新版「「色のふしぎ」と不思議な社会」|色覚の多様性を知り、社会のこれからを考える




2019年9月2日月曜日

「日本の269色」|JIS物体色名にもとづく、眺めても楽しい色彩小辞典

色のトリセツのおすすめ本「日本の269色」の表紙の写真

今回は、「日本の269色」永田康弘 監修(小学館文庫)をご紹介します。


■ 試験対策はもちろん、眺めるだけでも楽しい

この本は日本工業規格(JIS Z 8102:2001)の「物体色の色名」をもとに編集された文庫本で、大変見やすくお手軽な色彩小辞典です。検定試験を受験される方には大変良い参考書ですし、試験に興味の無い方にとっても眺めているだけで楽しい本だと思います。


・色の紹介内容

内容的には「物体色の色名」全269色について
・色見本
・慣用色名
・系統色名と略記号
・マンセル値
・CMYK
・簡単な色の紹介
が掲載されています。


おすすめ本「日本の269色」の記載の一例

例えば「ばら(薔薇)色」なら、画像右側のように色が表示され、左側には「ばら(薔薇)色」という慣用色名、その下に「あざやかな赤 vv-R」という系統色名と、その略記号「vv-R」が記載されています。

慣用色名は私たちが日常的に使っている色名で、系統色名は、赤や青などの基本色名に、明るい、暗い、灰みのといった修飾語を組み合わせて体系的に表現した色名です。

右下の「1R 5/13」マンセル値で、その下の「C0 M80 Y40 K0」はCMYKの数値です。

マンセル値はマンセル表色系による色の表示で、色相・明度・彩度の3つの要素を数値と英字と表しています。CMYKは、紙などの印刷物に使われる色表現で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の分量が示されています。


・現在は電子書籍で入手可能

この本は2002年に出版され、その後絶版となり、一時期は手に入らない状況でしたが、現在は電子書籍で購入することが可能です。因みに、私が持っているのは2002年1月発行の初版で、経年による色の退色を心配しています。

数多くの色の辞典が出版され、私も何冊か所有していますが、手にする回数が最も多いのはこの本です。

検定試験を目指している方はもちろん、色や色の名前に興味のある方に強くお薦めしたい1冊です。




2019年4月21日日曜日

カラーカード(配色カード)の使い方|③カードの活用法(配色練習に活かす)

カラーカード(配色カード)と配色ワークの写真
photo by Masumi Chiba

これまで、カラーカード(配色カード)の記号や構成について、
カラーカード(配色カード)の使い方|①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)
カラーカード(配色カード)の使い方|②カードの構成(トーン・並び)
で、ご紹介してきました。

今回は、いよいよ活用法へと進み、カラーカードを使って具体的にどんなことができるかをご紹介します。

(追記 2025年11月)

「新配色カード199a」は2024年にリニューアルされ、表紙デザインの変更の他、新たにCMYK値とsRGBがインデックスに記載されました。

カードの構成は、従来品と変わりありません。


カラーカードのさまざまな活用法


1、色を確認できる

(1)色名から色を確認する

色の表示(色名)から、その色がどんな色なのかを確かめたいときに利用できます。

例えば「青紫はどんな色?」という場合は …



青紫の純色はv20(ビビッドトーン・青紫)ですので、裏に「v20」と印刷されているカードを選び、表側の色を確認します。

*カードの記号については、①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)の記事をご覧ください。


カラーカード(配色カード)の中から3色を取り出した写真

v20は、3枚のカードの真ん中の色です。その前後の色(この場合はv19 とv20 )と色の違いを比較しながら確認すると、色の特徴がよく分かります。


(2)色から色名を確認する

(1)の逆のパターンです。「この色は何色?」と、色名を知りたい場合は、その色に近いカードの色を選んで、裏の記号を確認すれば良いですね。


2、手軽に配色を試す

「あの色とこの色を組み合わせたらどうだろう?」
「この色に合うのはどんな色だろう?」…などと、

色の組み合わせを頭の中でイメージするのは難しいものですが、カラーカードを使えば手軽に試すことができます。

例えば、「明るいブルーに合わせる色は、ピンク系とオレンジ系のどちらが良いか?」という場合は、明るいブルー(b18)、ピンク系(b24)、オレンジ系(b4)のカードを取り出して、並べてみれば一目瞭然です。


カラーカード(配色カード)から3色を取り出し配色を確認している写真

配色の学習では、頭の中で思い描くのではなく、実際に色を合わせてみることが大切です。

カラーカードを使えば手軽に色合わせができますので、さまざまな色合わせを試してみましょう。


3、配色ワークに活用

(1)配色練習

講座の受講者さんから、「これ、切っていいんですか?」「カラーカードって見本だと思ってました。」というお声をたくさんいただきます。

カラーカードは、もちろん色見本としても使えますが、切り貼り用の学習ツールです。

裏面のドットを利用すれば、切り取る作業もラクにできます。


カラーカード(配色カード)と配色ワーク

一番上の画像や、すぐ上の画像ように、私の講座ではカラーカードを使った配色練習を繰り返し行っています。


(2)カラーの一覧を作成

さて、もう一つのおすすめは、一覧表の作成です。


カラーカード(配色カード)で作成したカラーの一覧表

こちらは私の手作りの一覧表で、横に色相の2~24(偶数番号のみ)縦にトーンを10個の表を作成し、カラーカードを切り貼りして作りました。

横の列で見て行くと、1つのトーンでの色相のバリエーションが分ります。また、縦の列で見て行くと、1つの色相でのトーンのバリエーションが分ります。

色相・トーンの変化を全体的に見渡せるので、色の確認をするのにも良いですし、配色のヒントも得やすいです。

切り貼り作業には少々時間を要しますが、色を確認できますし、やり始めると結構楽しいです。

ぜひお試しください。

【カラーカード(配色カード)の使い方③/全3回】カードの活用法(配色練習に活かす)


■ 関連記事

カラーカード(配色カード)の使い方|①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)
カラーカード(配色カード)の使い方|②カードの構成(トーン・並び)

カラーコーディネート講座(基礎・実践)の一覧はこちら



2019年4月14日日曜日

カラーカード(配色カード)の使い方|②カードの構成(トーン・並び)

無彩色のカラーカード(配色カード)
photo by Masumi Chiba

前回の記事 では、カラーカード(配色カード)の記号の読み取り方についてご説明しました。

今回は 配色カード199a がどんな色で構成されているか、含まれている色を具体的にご紹介します。

(追記 2025年11月)

「新配色カード199a」は2024年にリニューアルされ、表紙デザインの変更の他、新たにCMYK値とsRGBがインデックスに記載されました。

カードの構成そのものは、この記事でご紹介する内容と変わりありません。


■ カラーカードを構成する色の詳細


1 PCCSの有彩色(144枚)

最初に収められているのは PCCS(日本色研配色体系)の有彩色です。

有彩色は各トーン毎に色彩番号の小さい色から順番に並んでいます。

収められているトーンの順番と枚数は次の通りです。


記号 トーン名(PCCS) 枚数
v  ビビッドトーン(純色)  24枚
dp  ディープトーン  12枚
dk  ダークトーン  12枚
p  ペールトーン  12枚
lt  ライトトーン  12枚
b  ブライトトーン  12枚
sf  ソフトトーン  12枚
d  ダルトーン  12枚
ltg  ライトグレイッシュトーン  12枚
g  グレイッシュトーン  12枚
dkg  ダークグレイッシュトーン  12枚

*ビビッドトーンは24色全てが揃っていますが、他のトーンは偶数番号のみの12色です。

*s ストロングトーン は含まれていません。


最初に綴られているビビッドトーンのカードを見てみましょう。


ビビッドトーン24色のカラーカード(配色カード)

v(ビビッドトーン)の24色

画像の左端が1番の「紫みの赤」です。右側にいくに従って色相番号の数字が増えていきます。

その次のdp(ディープトーン)のカードは下の画像です。


ディープトーン12色のカラーカード(配色カード)

dp(ディープトーン)の12枚

画面の右側が2番の「赤」、左端が24番の「赤紫」です。


2 無彩色(17枚)


有彩色カードの後には、無彩色カードが続きます。

無彩色の構成は 黒(Bk)から 白(W)までで、その間に 2.0 から 9.0 まで 0.5刻みで15段階(=15枚)のグレー(Gy)が含まれています。

*グレーの段階を示す 2.0 から 9.0 までの数字は、大きくなるほど明るく、白に近づきます。

*この記事のトップの画像は、無彩色カードの一部です。


3 その他の色(38枚)

色彩検定等で使用するのは、1の有彩色、2の無彩色 までですが、新配色カード199aにはその後に次の色が含まれています。


ピンク系10色のカラーカード(配色カード)

ピンク系のバリエーション10色


オフニュートラル系15色のカラーカード(配色カード)

オフニュートラル系のバリエーション15色


肌色系6色のカラーカード(配色カード)

肌色系のバリエーション6色


これらの色はファッションやインテリアでよく使用される色です。

ピンク系は 青み寄り中間黄み寄り、肌色系は ピンク系オークル系 に分類されているので、イエローベース・ブルーベースを用いたメイクカラーのコーディネートに活用できます。(そのまま肌にあててみても面白いです!)

以上が合計199枚のカラーカードの内訳です。

尚、綴りの最初にカード構成に関するページがありますので、そちらもご覧になってみてください。

次回はカラーカードの活用法についてご紹介します。

【カラーカード(配色カード)の使い方②/全3回】カードの構成(トーン・並び)


■ 関連記事

カラーカード(配色カード)の使い方|①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)
カラーカード(配色カード)の使い方|③カードの活用法(配色練習に活かす)

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2019年4月7日日曜日

カラーカード(配色カード)の使い方|①カードの記号の読み取り方(色相・トーン)

扇形に広げたカラーカード(配色カード)
photo by Masumi Chiba

今回はカラーカード(配色カード)を取り上げます。

(追記 2025年11月)

「新配色カード199a」は2024年にリニューアルされ、表紙デザインの変更の他、新たにCMYK値とsRGBがインデックスに記載されました。

カードの構成そのものは、この記事でご紹介する内容と変わりありません。


■ カラーカードとはどんなもの?


1、カラーカード(配色カード)の概要


カラーカード(配色カード)の表紙の写真

カラーカードの正式名は、日本色研「新配色カード199a」で、お値段は1,375円(税込) です。*2025年11月現在

プラスチックケース入りで、書店や画材屋さんで販売されているほか、amazonやネット書店でも購入可能です。


カラーカード(配色カード)の裏面の写真

このカードには、赤、青、黄…といった色名が記載されていません。

カードの裏面にプリントされている記号(写真のカードでは dp4 )が色を表しています。


2、色を示す記号の読み取り方

まずは、色の基本のおさらいと共に、カード裏の記号の読み取り方をご説明します。


・色の三要素とトーン

色は、色相(色み)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)の3つの要素によって成り立っています。また、明度と彩度の組合せを トーン といいます。

トーンは、明度と彩度の段階の組み合わせですから、トーンと色相で色を表示することができます


・アルファベットはトーン、数字は色相を表す

カラーカードの裏の記号は、この トーンと色相 を表しています。アルファベット=トーン、 数字=色相 です。

ですから、写真のカードに記されているdp4は、dpがトーンを、4が色相を示していることになりますね。

次に、それぞれの数字が示す色相と、それぞれのアルファベットが示すトーンについて、解説します。


3、色相番号と色相環


・各数字が示す色相

色彩検定等で採用されているPCCS(日本色研配色体系)では、色相を24に分割して1~24までの番号で表しています。

この番号を「色相番号」と言い、それぞれの番号(=色相番号)が示す色相名は次の通りです。


 1 紫みの赤13 青みの緑
 2 赤14 青緑
 3 黄みの赤15 青緑
 4 赤みのだいだい16 緑みの青
 5 だいだい17 青
 6 黄みのだいだい18 青
 7 赤みの黄19 紫みの青
 8 黄20 青紫
 9 緑みの黄21 青みの紫
10 黄緑22 紫
11 黄みの緑23 赤みの紫
12 緑24 赤紫

カードに記載された数字はこの番号を示しています。2番なら赤、8番なら黄です。

(*青緑と青は、これ以上分けられないため数字が2つ存在しています。)


・色相環

ちなみに、色相を並べて円にしたものを色相環といいます。

図の色相環では24色のうち偶数番号の色だけが表されています。


12色相を環状に並べた色相環

偶数で最初の数字である2番の赤は時計の9時の位置にあり、時計回りで数字が増えていき、8時の位置=24番の赤紫で終わるという順番です。


4、アルファベットが示すトーン

トーンは前述の通り明度と彩度の組み合わせで、明度と彩度の関係は下のトーンマップのように表されます。


トーンの明度・彩度を示すトーンマップ

それぞれの円の中央に記されているのがトーンの名前と記号(略号)で、次の12種類です。


vビビッドトーン *純色
bブライトトーン
sストロングトーン
dpディープトーン
ltライトトーン
sfソフトトーン
dダルトーン
dkダークトーン
pペールトーン
ltgライトグレイッシュトーン
gグレイッシュトーン
dkgダークグレイッシュトーン

色相番号とトーンの記号から先ほどのdp4を読み取ると、ディープトーンの赤みのだいだいであることが分かります。


dp4のカラーカード(配色カード)

dp4は、上の画像の色です。

アルファベットや数字がたくさん出てきて最初は慣れないかもしれませんが、色と合わせて見ているうちに頭に入っていきますので、ご心配なく。

【カラーカード(配色カード)の使い方①/全3回】カードの記号の読み取り方(色相・トーン)


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