先日、韓国ドラマ「あなたが寝ている間に」を見ていたら、色の見え方に関するエピソードが登場しました。これがかなり良い内容だと思ったので、ご紹介します。ただしネタバレとなりますのでご注意ください。
■ 色の見え方は人によって違う
・裁判で語られた「赤と緑」の見え方
物語終盤の裁判シーンで、チョン・へインさん演ずる警官が事件の証人として出廷します。
彼は現場で目撃した2本の傘についてそれぞれの色を尋ねられますが、答えることができません。なぜなら、2本の傘の色は赤と緑で、彼はこの2色を見分けにくい色覚を持っていたからです。
色覚(色の見え方)には個性があります。そのため、自分に見えているその色が、他の人にも同じ色に見えているとは限りません。
中には赤と緑の見分けが困難なタイプもあります。昔は「色盲」「色弱」、数年前までは「色覚異常」と呼ばれた見え方で、現在は「色覚多様性」と表現されています。
この見え方を スマートフォン・アプリ「色のシミュレータ」で再現したのが一番上の画像です。このように左側の色相環の12色が右側のように見えるタイプの方の場合は、確かに赤と緑の見分けが難しそうです。
・「分からない」のではなく、見え方が違うだけ
話はドラマのストーリーに戻ります。
「私は色を識別できません。」そう告白した証人に、「では、あの日に見た傘を描写できますか?」と検事は質問を続けます。
ここで弁護士は、「裁判長、普通の人でも夜間に一瞬見ただけの傘を記憶するのは難しい。ましてや色の分からない証人が…」と証人の証言の信憑性を否定しようとしますが、その言葉を遮って彼はこう主張します。
「分からないのではなく、普通の人と見え方が違うだけです。明暗には敏感なので、夜間の識別には自信があります。… (傘の形態を描写し)長い傘は被告人のネクタイに似た色、折り畳みの傘は検事さんの法服のラインより鮮明な色です。」
この色の説明は、赤と緑の傘を見事に表現していました。
彼が自分の見え方をきちんと説明していること、自分が見ている色の中で傘の色をしっかりと表現したことに、深く感心・感動しました。色覚についてここまで語られたドラマは初めてです。
日本では男性の約5%、女性の0.2%の方がこのタイプの見え方であると言われています。ドラマのエピソードを通して多くの方々の色覚への理解が深まることを願っています。