「100語でわかる色彩」アマンディンヌ・ガリエンヌ |
ご覧下さってありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の 千葉真須美です。
「色の世界を覗いてみたい」というカラー初心者さんにも、
資格取得後に「もっと色の世界を広げたい」とお考えの方にも、
おススメの本のご紹介です。
「100語でわかる色彩」 アマンディンヌ・ガリエンヌ
この本は、赤、青といった色名をはじめ、
色彩用語や身近な事象など 100 のキーワードによって
色の世界を語ったものです。
色に関するキーワードを集めた本は何冊か読んでいますが、
それらと異なるのは、アート、文化、顔料・染料などの話題が
大変豊富なことです。
何より、著者の感性の豊かさを感じる表現が素晴らしく、
文字だけの本なのに華やかな色彩世界が頭の中に浮かびます。
著者はカラーアドバイザー(カラリスト)として、
エルメスなどファッション界や出版界などの仕事に
携わってきた方です。幼い頃からの豊かな色彩体験や、
色に対する繊細な視点も文章の随所に現れています。
例えば「暖色」という章では、
暖色と寒色について簡単に説明した後、こう記しています。
『とはいえ、中国のベルベットの紫がかった青色は
赤み(暖色)を帯びており、セーブル焼きの青よりも
暖かい印象を与える。』
ベルベット、セーブル焼と、取り上げる例も
なんて優雅なことでしょう。(ため息)
新たな色の学びのきっかけに
この記事のはじめに述べた通り、
カラー初心者さんにも面白い本だと思いますが、
ある程度色彩用語などを学ばれた方には、
初心者さんとはまた違った興味深さが感じられることでしょう。
それは、色彩検定や、カラーコーディネーター検定試験などの
テキスト類では見られない新鮮な解説が豊富だからです。
例えは、色の重量感。
テキスト類では「色の明度が大きく関わる」と解説されています。
しかし、この本では…
『濃くて深い色彩は、
その密度のせいで重い印象を与える。』
色の「密度」という視点、
ちょっと目から鱗的な驚きがありませんか?
100 語の各解説は 1~2 ページ程度と短いものですが、
バラエティ豊かな言葉が含まれているので、
それらを調べながらじっくり理解を深めると、
かなりの知識が得られるはず。
まずは書店でお手に取ってみてください!