映画「ブルーに生まれついて」を観ました。カラーリストとしては、タイトルに「色」が入っているだけで、つい気になってしまいます。
この作品ではどんなブルーが描かれていたのかを、ご紹介します。
■ ブルーが伝える 憂鬱、虚しさ、淋しさ
ストーリーは、1950年代に活躍した伝説のトランペッター チェット・ベイカーが、麻薬や、ミュージシャン生命を絶たれるほどの怪我から再生していく過程を描いています。
タイトルの 「ブルーに生まれついて(Born to be blue)」 は、彼の代表曲の一つです。
この曲の歌詞には、いくつかの色が登場します。
クローバーの緑色は見たことがない
なぜなら私は青に生まれたから ・・・
月光の金色は見られない、
なぜなら私は青に生まれたから ・・・
あなたが去った私の世界は
色あせたパステル ・・・
青は、知的な、冷静な、さわやかな…というイメージがありますが、その一方で、憂鬱な、虚しい、淋しい…といったネガティブなイメージも持ち合わせています。
そして、この作品では映像にも、曲にも、青のネガティブ・イメージが使われていて、上の素敵なポスターも、ブルー系のどこか淋し気な世界観を作り上げています。
因みに、ポスターの右上の五つ星と、彼が手にしているトランペットは落ち着いたゴールドで、さり気ないアクセントカラーになっています。