2026年6月12日金曜日

【AI × 色】AIは「きれいな色」「きたない色」をどう配色するのか?

AI(Gemini)による「きれいな色」「きたない色」

前回の記事では、「きれいな色」と「きたない色」の違いについて、澄んだ色や鮮やかな色は「きれいな色」、濁った色や暗い色は「きたない色」と表現されやすい傾向をご紹介しました。

※前回の記事はこちらからどうぞ
「きれいな色」と「きたない色」はどう違う?

今回は、AIは「きれいな色」「きたない色」をどのように配色するのかを検証します。


使用ツールとテーマ(プロンプト)

3つのAIに対し同じプロンプトを与えて、生成・配色された画像を比較します。まず「きれいな色」で画像を生成し、その後「きたない色」についても同様に実験します。

【ツール】
Gemini / Copilot / Claude

【プロンプト】
次の図形をきれいな色で配色してください。配色の条件は次の通りです。

  • 使用色は3~5色程度
  • 図案と背景はべた塗りの単色
  • グラデーションなし
  • テクスチャなし
  • 陰影なし
  • 図形の数や配置は変更しない
  • 配色後、それぞれの色を選んだ理由を説明してください

AIによる「きれいな色」「きたない色」配色実験の図案

実験結果

上記のプロンプトにより、3つのAIが配色した画像は次の通りです。

Gemini

この記事のトップにある画像が、Geminiによる配色です。Geminiは、それぞれの色を選んだ理由として、次の点を挙げました。

  • きれいな色:灰色が混ざったくすんだ色(濁色)ではなく、光を心地よく反射するような「明瞭でクリーンなトーン(清色)」を選んだ。
  • きたない色:「濁色同士の不協和音」を狙ったもの。

清色・濁色というシンプルな基準で組み合わされていて、違いが大変分かりやすい配色となっています。「きれいな色」に白を使用しているのも特徴的です。

Copilot

AI(Copilot)による「きれいな色」「きたない色」

Copilotの配色は上の画像で、色選びの理由は以下の通りです。

  • きれいな色:視覚的な調和(色同士が互いを引き立てる関係)と、心理的な心地よさ(長く見ても疲れない色、好印象を与える色)を両立する色。
  • きたない色:「汚れた色=くすみ・濁り・灰み・土っぽさを含む色」として選定した。

Copilotの「きれいな色」は、きれいな色の組み合わせではなく、配色全体できれいさを作るために、色相のバランスやトーンを重視したものです。この視点が面白いと思います。

「きたない色」は「汚れ」のイメージで色を選んでいますが、出来上がった配色は和の雰囲気を感じさせる落ち着いた「いい色」になっています。

Claude

AI(Claude)による「きれいな色」「きたない色」

Claudeが作った画像は、図案が変形していました。この点について、ClaudeからSVGで図形を描くのが苦手との説明がありました。色選びの理由については次の通りです。

  • きれいな色:くすみカラー(ミュートトーン)。
  • きたない色:濁った・汚濁感のある色(泥、カビ、排水を連想させる)。

濁りを「きたない色」のポイントとしている点は、Gemini、Copilotと同様ですが、同じく濁りのあるくすみカラーを「きれいな色」と捉えているのが特徴的です。ただし、くすみカラーも濁色であることをClaudeに対し指摘したところ、

「きれいな色」という依頼に対して私がくすみカラーを選んだのは、実は少し答えとしてズレていたかもしれない。「きれいな色」をより純粋に解釈するなら、濁りのない高彩度・クリアな色の方が「きれい」の王道に近かったかも。

との回答でした。Claudeも「きれい」を濁りのないことと捉えているようです。


AIが示した「きれいな色」「きたない色」の共通点

これらの結果を通し、AIによる「きれいな色」「きたない色」の配色には、次のような特徴が見られました。

  • Gemini、Copilot、Claudeの3つのツールとも、「きたない色」は濁りと結びつけて、低~中明度、低~中彩度の濁色で構成している。
  • 「きれいな色」は中~高明度で、彩度の幅は広い。
  • 「きれいな色」は清色で構成されたもの(Gemini、Copilot)と、濁色で構成されたもの(Claude)に分かれたが、Claudeの最終的な回答を見ると、清色が「きれい」という点で一致している。

これらの特徴は、前回の記事で述べた

  • きれいな色=澄んだ色(明清色)、鮮やかな色(純色)
  • きたない色=濁った色(中間色・濁色)、暗い色(暗清色)

と同様の結果となりました。

また、Claudeの「きれいな色=くすみカラー」という視点は、濁りのある「くすみカラー」を「濁色」ではなく「くすみカラー」と言い表した時点で、この色を好ましい色、人気がある色と肯定的に捉えて、「きれいな色」としたものではないかと思われます。

いずれにせよ、「きれいな色」「きたない色」は言葉のイメージが色の表現に大きく関わっているようです。言葉と色の関係の深さを感じる例は他にもよく見かけますので、これからも引き続き言葉と色について探っていきたいと思います。


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