2020年8月17日月曜日

黒には戻れない? 白いスパイクがもたらした効果

白いスパイクシューズをはいた高校野球の選手のイラスト

2020年の夏の高校野球甲子園大会は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で交流試合というかたちで行われました。

また、この大会から選手たちは白いスパイクシューズが使用できるようになりました。


■ 白いシューズの効果

・白と黒の温度差

高校野球の公式戦で使用できるスパイクは黒一色と決められていましたが、白も認められるようになった主な理由は熱中症対策です。

黒は光を吸収する性質が強く、物の温度を上昇させます。夏に白い服より黒い服の方が暑い、という経験はどなたもお持ちではないでしょうか。

ウェブ記事によると、スポーツ用品メーカー、ミズノの測定では、気温32度で、白いスパイクは黒に比べ内部・外部の温度が約10度も低かったそうです。実際に白いスパイクを履いた選手達からも、「涼しい」という声が聞かれたとのことです。


・白による重さの感覚

また、「足が軽い印象で、走りやすい」との声もあったということで、この点も注目です。

色は重さの感覚(軽重感)に影響を及ぼし、心理的に白は黒よりも軽く感じられます。この効果が選手たちの感覚に影響を与えたと考えられます。


・白が伝えるイメージ

さらに、同記事には「白色は、ひたむきに白球を追う球児のイメージとも重なる。」という一文もありました。

白の代表的なカラーイメージは「純粋さ」です。ここでも白の効果が活きていますね。

ということで、色が温度、重さといった感覚に加え、イメージにも影響を与えている具体例となる出来事でした。

この白の効果、暮らしの中にも取り入れられそうです。




2020年8月3日月曜日

自然から学ぶ色使い|グラデーション

緑から赤へと色の変化がグラデーションになっているミニトマトの実
photo by Masumi Chiba

ある家の庭先で見かけた一房のミニトマト。一列に並んだ実の色が、緑から赤へと美しいグラデーションを見せていました。


■ 自然の中に見るグラデーション

グラデーションとはどんな色使いでしょうか?きっとご存知の方も多いと思いますが、あらためてご紹介します。

グラデーションとは、色を段階的に変化させることです。「段階的に」というのは、同じ変化の度合いでだんだんと、徐々に…ということで、ここがグラデーションのポイントです。

グラデーションの最も良いお手本は自然だと思います。

虹に見られる7色の変化、あじさいの花びら、夕焼け等々、自然の中で見られるグラデーションはとても美しく、そして多彩です。

上の画像のミニトマトは赤から黄緑へとまさにグラデーションになっています。これを見つけた時、「お見事!」と思いました。(笑)

あなたの身近な所にも、自然のグラデーションがきっと潜んでいます。お散歩の途中などにグラデーションを探してみませんか。美しさへの感動と配色のヒントが得られることと思います。




2020年6月10日水曜日

自然から学ぶ色使い|爽やかな配色

涼し気なハナミズキの花の画像と配色例のパレット
photo by Masumi Chiba

暑さが増してくる初夏の季節には、白い花が与えてくれる清涼感に癒されます。


■ 白い花と緑による爽やか配色

画像のハナミズキは街路樹として道路沿いなどでよく見かける樹です。

色に注目してみると、葉の陽射しの当たる部分と影になる部分の緑の濃淡に、花の白が組み合わされ、見るからに爽やかな配色となっています。

特に緑が濃いと、白い花とのメリハリが効いて、元気のあるフレッシュ感が高まります。

暑さの厳しい日や梅雨のジメジメした日に、このような爽やかな配色を取り入れると、気分をスッキリさせてくれることでしょう。




2020年4月26日日曜日

花壇のパンジーに学ぶ色合わせ|暮らしの中のカラー観察

紫系のパンジーやビオラが美しい公園の花壇
photo by Masumi Chiba

春の花壇はカラフルな花々が見る人の気持ちを明るくさせてくれます。散歩の途中などに街中の公園や花壇で花を見かけたら、その色合わせにも目を向けてみましょう。


■ パンジーのさまざまな配色を楽しむ

特に春先のパンジーやビオラは花の色が多彩で、楽しさに加えカラーコーディネートの参考になることもあります。寄せ植えを見かけたら、ちょっとだけ足を止めて、色の組み合わせ方に注目すると…。


・同系色でまとまり感がある寄せ植え


黄色とオレンジの取り合わせが美しいパンジーの花壇

上の画像のパンジーの色合わせは、黄~オレンジの同系色の組み合わせです。

とてもまとまりが良く、オレンジがほど良い動きを与えています。暖かで元気な印象を与える配色となっています。


・トーンの差で動きを感じる寄せ植え


赤紫やピンクの取り合わせが美しいパンジーの花壇

こちらは赤紫やピンクなどほぼ同一色相の組み合わせですが、淡い色から深い色までトーンの差が大きいので、先ほどの組み合わせよりも変化に富んだ配色です。少しキリっとしたエレガントさを感じます。

これら2つの例のように、同系色、同一色相などと理論的に考えなくても、「色がまとまっているな。」「なんだか動きを感じるな。」くらいの感覚的な捉え方で十分です。

ちょっとした色に目を向ける行動も、回を重ねれば自然と色彩力のレベルアップに繋がります。まずは楽しく色を感じてくださいね。




2020年2月6日木曜日

映画「ジョジョ・ラビット」|物語を彩る色の魅力

先日、映画「ジョジョ・ラビット」を観て来ました。ジョジョと言っても「奇妙な」ジョジョではありません。第二次世界大戦下のドイツに暮らす10歳の少年の物語です。

イマジナリーフレンド(空想上の友人)はヒトラーというちょっと変わった少年ジョジョの成長を、個性的なキャラクターやブラックユーモアを交えながらも温かく描いた作品です。

この作品は内容の良さに加え、色彩も魅力的です。


■ 作品の世界観を伝える色彩

・優しい色合いの街並み

まず目を引くのは舞台となる小さな町の美しい街並み。「どこか見覚えが…。」と思ったら、ロケ地は以前に旅したチェコでした。(下の画像はチェコのチェスキークルムロフで撮影)


チェコのチェスキークルムロフの広場の写真
photo by Masumi Chiba

画面に映し出される淡いピンクやイエローで彩られた中世的な街並みは、それだけでどこかファンタジックな雰囲気が漂います。さらにアールデコのインテリア、ファッションも素敵で、目立ちはしないけれど存在感のある色調です。ふと「グランド・ブダペスト・ホテル」を連想しましたが、こちらの方がシックです。


・緑色に成長するイメージを重ねて

このような色彩の中で私が最も注目したのはグリーンです。

ジョジョが訪れたキャンプ場の緑、母親役を演じたスカーレット・ヨハンソンのファッション、母子で自転車散歩するシーンの草の色、家のドア、インテリア等々。

画面の中の草木のグリーンは、太陽の光を浴びてきらきらと輝き、若々しい生命感を感じさせます。

インテリアやファッションのグリーンは、画面全体のアクセントとなるか、赤系の色の補色としてお互いの色を引き立てています。

私にはこれらのグリーンが、一歩大人に近づいたジョジョの成長を象徴しているように感じられました。

また、ネタバレになるので詳しくご説明しませんが、ストーリーの展開と共に画面の色彩、特に街並みの色合いが変化します。どのように色調が変化し、それらがどんな印象を与えているか、映画をご覧になる際は是非注目してください。




2020年1月14日火曜日

2020年を象徴する色 Classic Blue|PANTONE Color of the Year

2020年のPANTONE Color of the Year「クラシック・ブルー」の公式イメージ
画像出典:PANTONE公式サイト(https://www.pantone.com/color-of-the-year-2020)

パントン(PANTONE)社が選ぶ今年の色「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 2020」は、Classic Blue クラシックブルー です。

Classic Blue クラシックブルーは上の画像の色で、ネイビーを少し柔らかくしたような色合いです。


■ 安心感を与える深い色合い

クラシックブルーが示す2020年のキーワードは 安心感 。

クールで落ち着いた色調のブルーは、信頼や信用、思慮深さなどをイメージさせます。

じつはこの色が選ばれたことに少々驚きました。新しい年のイメージとしては、ちょっと暗くて硬い色だと思いませんか?

しかし、この色に安心感を求めるのは、それだけ現代社会に生きる人々が不安感、不安定さなどを抱えているということかもしれません。

クラッシックブルーはファッションやインテリアに取り入れやすい色です。

この色を身近な場所に置いて、心配事やイライラなど心が乱れそうになった時に、平常心を取り戻すきっかけにするのも良さそうですね。


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