2019年6月2日日曜日

色のトーンが物語の個性を際立たせる~「世界の名作絵本原画がやってきた!」


ご覧くださって
ありがとうございます。

色彩講師・カラーリストの
千葉真須美 です。


前回の記事で
函館を旅したことを
ご報告しました。

今回は、その際に
立ち寄った展覧会

「世界の名作絵本原画が
 やってきた!」

のご紹介です。

絵本の原画ということで
ぬり絵好きの私としては
興味津々の展覧会でした。



会場は 有名な観光スポット 五稜郭の
すぐお隣に位置する 北海道立函館美術館 です。

「はらぺこあおむし」 のエリック・カールさん
「ムーミン」 のトーベ・ヤンソンさんをはじめ
世界の絵本作家による個性豊かな作品の数々が展示され、
色とりどりの華やかな展覧会でした。

原画は やはり美しい!

原画と一緒に製本化された印刷版も展示されていて、
比較すると、原画の色の繊細さ・色の幅の広さを感じました。
原画では微妙な色の変化がよく分りますし、
淡い色はより淡く、暗い色はより暗く見えます。

逆にいうと、印刷では色が単純化されたり、
発色の範囲が狭かったりするということですね。

もう一点、強く印象に残ったのは、
色のトーンによるインパクトの強さ です。

作品は 水彩画、油彩画、版画などさまざまな技法で描かれ、
それぞれの線やタッチにも作者独自の個性がありますが、
パッと見た瞬間に受ける印象は
色のトーンによるところが大きいです



上の写真はこの展覧会の
チラシです。

上半分の画で描かれた
子牛は毛並みなどとても
リアルですが、ソフトな
トーンなので優しい印象
を与えていますね。


また、左の写真は
チラシ裏面の一部ですが、
それぞれの作品を見ると

鮮やかなトーンであれば
元気で楽しいイメージ、

ダークトーンなら
どこか怪しげな雰囲気や
神秘的な感じが
伝わってきます。





「何色と何色を合わせるか?」という細部の配色よりも、
作品全体の色のトーンが物語の世界観を
強く伝えていることが、この写真からも分かります。

今度絵本を手にする機会がありましたら、
その物語がどんなトーンで演出されているかに
注目してご覧になってみてください。
色選びのよい勉強になると思います。




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