2019年2月24日日曜日

カラーセンス(色彩力)の磨き方|③ 色を組み合わせてみる

紫と黄色の花が植えられたハンギングバスケット
photo by Masumi Chiba

「カラーセンス(色彩力)の磨き方」というテーマで 手軽にできる色彩力アップ法をご紹介しています。 3つ目は 色を組み合わせてみる という方法です。


■ 実際に色を組みあわせて確認する


・配色は頭で考えるより、試してみることが大切

重要なポイントは、 頭で考えるだけではなく 実際にやってみる ということです。

実験と思って、 さまざまな組み合わせを試してみてください。今まで試したことの無い組み合わせが意外にステキで 目から鱗が落ちることが少なくありません。

洋服のトップスとボトムスで、合わないと思っていた色合わせで試しに着てみたら、意外にマッチした-なんて経験はありませんか?

頭の中で想像するだけでは、過去に経験した配色の範囲を超えることが難しいのです。

ファッションやメイクで、インテリアで、ぬり絵で、花束や寄せ植えで、…と、色を組み合わせるという作業をする場合には、とりあえずいろいろ試してみる。そして、目で確認する。すると、あらたな発見があるかもしれません。

このことがあなたの配色の引き出しを 増やすことにつながります。

【カラーセンス(色彩力)の磨き方③/全6回】色を組み合わせてみる


■ 関連記事

カラーセンス(色彩力)の磨き方|① 色を観察する
カラーセンス(色彩力)の磨き方|② 好きな色を集める

カラーコーディネート講座(基礎・実践)の一覧はこちら




2019年2月17日日曜日

映画「女王陛下のお気に入り」|白と黒で描かれた世界

映画「女王陛下のお気に入り」ポスター


第91回アカデミー賞で作品賞、主演・助演女優賞、衣装デザイン賞、美術賞など9部門でノミネートされた映画「女王陛下のお気に入り」を観に行きました。

ストーリーはもちろんのこと、18世紀初頭のイングランドの宮廷が舞台ということで、ファッションやインテリアも大変楽しみにしていた作品です。


■ モノトーンと光と影

主な登場人物は女王と、女王の側近である侯爵夫人、そして女王の寵愛を勝ち得ようとする侍女の3人の女性です。

色彩豊かな豪華な衣装の数々を想像していたら、3人の衣装は白と黒のモノトーンばかり。とても意外でした。

しかし、色数が限られていることで布地の質感、レースやリボン、ギャザーといった装飾の繊細さがよく伝わっています。中でも 光を受けた部分にだけ現れる黒いドレスの見事な織り柄が、なんともゴージャスで美しかったです。

そして、白と黒という配色から洗練されたスタイリッシュな感覚と共に、女王の孤独や冷たい人間関係なども表現されていたように思います。

また、議会のシーンでは、2つの派閥が赤い衣装と青い衣装に分けられていて、両者の対立関係が明確になっていた点にも目が引かれました。

室内装飾は豪華ながらも彩度を抑えた重厚な色調です。窓から差し込む光と影の部分の明暗が強調されて、ここでも白と黒のイメージを感じました。

ストーリーにも、一見華やかに見える宮廷とその裏に潜む野望や陰謀、宮廷の贅沢な暮らしやフランスとの戦争とその陰で重い税を課せられ生活に苦しむ国民という、光と影の図式が描かれています。

白と黒、光と影の印象が強く残った作品でした。




2019年2月10日日曜日

カラーセンス(色彩力)の磨き方|② 好きな色を集める

スクラップブックに好きな色の写真を貼ってまとめている様子
好きな配色を集めて (by Masumi Chiba)

手軽にできるカラーセンス(色彩力)の磨き方②は 「色を集める」 です。


■ 色を集める作業で得られる効果

あなたが「この色、いいな!・好きだな!」と感じた色を集めてみましょう。

ファッションやインテリア、街角スナップなど何でもOKです。できれば単色よりも配色(複数の色の組合せ)で。

上の写真はずいぶんと昔に、私が配色の勉強としてスクラップしたものの一部です。

このように雑誌やカタログを切り貼りしてもいいですし、写真に撮って集めるという手段もありますね。Pinterest を使ってみるのも面白そうです。

この方法は何に効果があるかと言いますと…


① 結果的に色をよく見る

普段の生活の中で 私たちはたくさんの色を見ています。しかし、意識を向けてしっかり見てはいないですよね?

色を集める時には、それを選ぶかどうか判断するために、自然と色や配色に注意して対象物を見るようになります。

これによって色を見る目が鍛えられます。


② 自分の好みが明確になる

自分が選んだものをあらためて眺めてみると、好む色や配色の傾向が解ります。

もし選んだ色がさまざまで傾向がつかめないという方がいらっしゃいましたら、それは幅広い色・配色を好むという一つの傾向です。

この「好みの傾向」は、言い替えると、あなたの個性であり、あなたなりの色の基準です。それを知っておくことは、色選びに役立ちます。

また、ファッションに限定して集めると、ワードローブ選びの参考にもなりますね。

あなた自身が楽しめる方法で、ぜひ気軽に試してみていただければと思います。

【カラーセンス(色彩力)の磨き方②/全6回】 好きな色を集める


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カラーセンス(色彩力)の磨き方|① 色を観察する

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2019年2月3日日曜日

「すべての、白いものたちの」|異なる「白」で構成された美しい一冊


ハン・ガン著「すべての、白いものたちの」異なる白で構成された書籍の用紙
photo by Masumi Chiba

書店に並ぶ本の中に「色」という文字、あるいは色の名前を見つけると、単行本でも雑誌でも思わず手に取ってしまいます。そして「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」をすることも…。


■ タイトルに惹かれ、装丁に驚く

ハン・ガンさんの短編集「すべての、白いものたちの」もタイトルに惹かれて手を伸ばしたら、ビックリ!この本には、5色の紙が使用されていました。このような作りの本は初めてです。

どの色もごく淡いトーンで、画像のように並ぶと色の違いがハッキリと判りますが、1色だけで見たら「白」と捉えそうな色ばかりです。

そして、こんなに微妙な違いの色でも、ページをめくって色が切り替わる瞬間は、まるで世界が変わるような新鮮な感覚でした。


■ 白の世界が広がる

うぶぎ、ゆき、白い犬、戦争で廃墟となった街など、本文に綴られたさまざまな白いものたちと、かすかに表情の違う 5つの白いページ。色の効果で白の世界がますます広がります。

白いものは数あれど同じ白は一つも無い、そんなことを伝えているようにも感じました。

静かに心に沁みてくる作品の数々と美しい装丁。ずっと大切に持っていたい一冊です。

*装丁:佐々木暁さん