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photo by Masumi Chiba |
ご覧下さってありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。
書店に並ぶ本の中に「色」という文字、
あるいは 色の名前 を見つけると、
単行本でも雑誌でも思わず手に取ってしまいます。
そして「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」をすることも…。
ハン・ガンさんの短編集「すべての、白いものたちの」も
タイトルに惹かれて手を伸ばしたら… ビックリ!
この本のページには 5色 の紙が使用されています。
このような作りの本は初めて見ました。
どの色もごく淡いトーンで
写真のように並ぶと色の違いがハッキリと判りますが、
1色だけで見たら「白」と捉えそうな色ばかりです。
そして、こんなに微妙な違いの色でも、
ページをめくって色が切り替わる瞬間は
まるで世界が変わるような新鮮な感覚です。
うぶぎ、ゆき、白い犬、戦争で廃墟となった街 など
本文に綴られたさまざまな白いものたちと、
かすかに表情の違う 5つの白いページ。
色の効果で白の世界がますます広がります。
白いものは数あれど同じ白は一つも無い、
-そんなことを伝えているようにも感じました。
作品自体も素晴らしいですし、
ずっと大切に持っていたい一冊です。
今日は色を巧みに使った素敵な本のご紹介でした。
(装丁は佐々木暁さん)
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photo by Masumi Chiba |