Photo by Masumi Chiba |
ご覧くださって、
ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の
千葉真須美 です。
書店で平積みになっている本の中から、
思わず手に取ってしまった文庫本。
内館牧子さんのエッセイ集
「女盛りは意地悪盛り」 です。
表紙に描かれているネコの
睨みつけるような鋭い眼差しが
何とも言えません。
硬い表情ながら
どこかユーモラスで可愛く見えるのは、
全体の7~8割を占める
ソフトピンク の効果です。
ソフトピンクは柔らかさ、優しさが得意
想像してみてください…
もしも、このソフトピンク の代わりに、
青や紫、グレーなどが使われていたら
どんなイメージになるでしょう?
きっと、冷たさや、怪しげな雰囲気が強調されて、
タイトル通りに意地悪で怖い印象になることと思います。
そうなってしまわないのは、ソフトピンク のおかげ。
どこか硬い部分があっても、
優しい色合いを用いることで、
柔らかい印象に変えることができるのです。
このエッセイ自体も、
内館さんらしい鋭くてハッキリとした物言いでありながら、
全編を通してユーモアや大らかさを感じる内容。
ちょっぴりのハードさと、全体を包むソフトさで、
表紙も中身も魅力的な作品だと思いました。