ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。
左の画像を見てピンと来た方は、かなりの映画通です!
これは、ホラー映画の傑作「シャイニング」に登場するカーペットの柄です。
かなりインパクトのあるデザインですよね。
私はホラーやスプラッタが苦手で、
この作品はポスターを見ただけで
「絶対無理!」と長い間思っていましたが、
先日ついに勇気を出してNetflixで観てみました。
色使いに注目!
(※少々ネタばれあり)
覚悟していた通りかなり怖かったのですが、
私としては怖さより色使いの方が印象的でした。
この物語は冬期閉鎖中の山岳リゾートホテルが舞台です。
オープニングで映し出されるホテルの全景は
外壁がミディアムグレーで、山肌に溶け込む色合いですが、
リゾートホテルとしては少々陰気な感じがします。
館内はカントリー調の比較的落ち着いた内装です。
しかし物語が進行し、主人公の幼い息子が三輪車で廊下を
走り回るシーンで画像の柄のカーペットが登場します。
この柄-不思議な幾何学模様とエスニックな色調が、
何とも言えない不気味さで、まるで違う世界への橋渡しを
しているようです。このあたりから、次第に異様な雰囲気に…。
女性の幽霊と遭遇する部屋はパープルとライトグリーンの
インテリアに、ライトグリーンのバスルームで、
他の内装とあきらかに違和感のあるカラーリングです。
そして、真っ赤なトイレのシーンでは、刺激的な色彩が
緊張感と恐怖感を高めています。
名作はさすがに色使いも素晴らしい!
まだご覧になっていない方はもちろん、
既にご覧になった方にも色彩効果からの視点での鑑賞を
お薦めしたい作品です。