2019年6月23日日曜日

カラーセンス(色彩力)の磨き方|⑥ 色の分量・配置に注目

カラフルなデザインのスナック菓子の袋が並んだ写真
photo by Masumi Chiba

「カラーセンス(色彩力)の磨き方」シリーズ⑥です。


■ 色の分量・配置が変わると、受ける印象も変わる


・色合わせだけでなく、分量や配置も重要

素敵なファッションやインテリア、あるいは美しい絵画や写真、映像などを見た時 「あぁ~、〇〇色と〇〇色の組み合わせが綺麗!」などと、色の組み合わせ方にだけ注目してしまう事はありませんか?

もちろん、配色(=複数の色を組み合わせること)では 「どの色と、どの色を組合せるか?」という 色選びが大変重要です。

しかし、実際はそれだけではありません。色選びの他にも大切なポイントがあります。 それは、それぞれの色の分量配置です。


・色の分量や配置を変化させた実例

下の図のピンクとブルーの2色配色をご覧ください。


ピンクとブルーの比率を比較した長方形の図
ピンクとブルーの割合を変化させる

同じ2色の組み合わせでも、色の分量の割合が変わると受ける印象(イメージ)も違ってきます。

分量が多い色(左はピンク、右はブルー)のイメージが、より強く伝わりますね。


ピンクとブルーの位置(上下)が逆転した長方形の図
ピンクとブルーの上下を変える

こちらは、2色の分量は同じですが、上下の位置が入れ替わっています。

左側はブルーが下になっています。ブルーはピンクよりも明度が低く、より重く感じるため、安定した印象を与えています。

右側はピンクよりも重く感じるブルーが上です。そのため、不安定さや、そこから生じる動的な印象を与えています。

・ファッションにも応用可能

上の例のように色の分量や配置が全体の印象に与える影響は少なくありません。

このような効果の応用例として、ファッションカラーを考えてみましょう。

2つの色で、トップとボトムを構成するとします。

・長袖のトップ + 膝上丈のボトム
・半袖のトップ + 膝上丈のボトム
・半袖のトップ + 足首までのボトム など

アイテムごとに面積が異なるので、より大きい面積を占める色のイメージが伝わりやすくなります。

また、2つの色をトップ・ボトムの どちらに配置するかでも印象が変わります。

このように、色選びに加え、色の分量のバランスや配置も、カラーコーディネートの重要な要素です。

日頃から 物や写真などのビジュアルを目にした際、 色の分量や配置にも注意して観察してみましょう。

きっと、色を見る目がより深くなるはずです。

【カラーセンス(色彩力)の磨き方⑥/全6回】色の分量・配置に注目


■ 関連記事

カラーセンス(色彩力)の磨き方|① 色を観察する
カラーセンス(色彩力)の磨き方|② 好きな色を集める
カラーセンス(色彩力)の磨き方|③ 色を組み合わせてみる
カラーセンス(色彩力)の磨き方|④ 慣用色名に強くなる
カラーセンス(色彩力)の磨き方|⑤ 基準となる色を確認する

カラーコーディネート講座(基礎・実践)の一覧はこちら