ご覧くださって、
ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の
千葉真須美 です。
昨日はアカデミー賞授賞式が
行われました。
最多受賞作品は
「シェイプ・オブ・ウォーター」で
作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の
4部門での受賞を果たしました。
私は先週末にこの作品を観まして、
美しい映像・美しい音楽で描かれた
大人のおとぎ話を堪能しました。
(少々グロテスクなシーンも含まれているので、
苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが…)
-ということで、
今日は「シェイプ・オブ・ウォーター」の映像作りで
ポイントになっている「色」について取り上げます。
ティール(Teal) 青緑
この作品のキーカラーは ティール(Teal) という色です。
ちょうどポスター中央部分の 青緑 がこの色です。
Teal とは、もともと小さい鴨のことで、
この鴨の羽に見られる青緑も Teal と呼ばれています。
日本の伝統色にも「鴨の羽色(かものはいろ)」という
色があり、ティールより若干暗めの色です。
「シェイプ・オブ・ウォーター」では、
物語の舞台となる研究施設 や 主役の女性の衣装、
そして捕らわれた生物(彼)の身体にも
ティールのバリエーションカラーが用いられ、
海の中を思わせる映像世界を作り上げています。
おまけに、彼を殺そうとする悪役が購入した
高級車のボディカラーもティール。
「緑でしょ!?」
「いえ、”ティール” です!」
というようなやり取りがギャグになってました。(笑)
また、ラストの女性の衣装などに見られる 赤 が
緑系の中でアクセントカラーとなり、
画面の印象を深めています。
ポスターも同様ですね。
この作品をこれからご覧になる方は、
ぜひ ティール を中心としたカラーリングに
ご注目ください。
*映画 公式サイト の予告編でも
ティールの世界をごらんいただけます。