2019年9月2日月曜日

「日本の269色」|JIS物体色名にもとづく、眺めても楽しい色彩小辞典

色のトリセツのおすすめ本「日本の269色」の表紙の写真

今回は、「日本の269色」永田康弘 監修(小学館文庫)をご紹介します。


■ 試験対策はもちろん、眺めるだけでも楽しい

この本は日本工業規格(JIS Z 8102:2001)の「物体色の色名」をもとに編集された文庫本で、大変見やすくお手軽な色彩小辞典です。検定試験を受験される方には大変良い参考書ですし、試験に興味の無い方にとっても眺めているだけで楽しい本だと思います。


・色の紹介内容

内容的には「物体色の色名」全269色について
・色見本
・慣用色名
・系統色名と略記号
・マンセル値
・CMYK
・簡単な色の紹介
が掲載されています。


おすすめ本「日本の269色」の記載の一例

例えば「ばら(薔薇)色」なら、画像右側のように色が表示され、左側には「ばら(薔薇)色」という慣用色名、その下に「あざやかな赤 vv-R」という系統色名と、その略記号「vv-R」が記載されています。

慣用色名は私たちが日常的に使っている色名で、系統色名は、赤や青などの基本色名に、明るい、暗い、灰みのといった修飾語を組み合わせて体系的に表現した色名です。

右下の「1R 5/13」マンセル値で、その下の「C0 M80 Y40 K0」はCMYKの数値です。

マンセル値はマンセル表色系による色の表示で、色相・明度・彩度の3つの要素を数値と英字と表しています。CMYKは、紙などの印刷物に使われる色表現で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の分量が示されています。


・現在は電子書籍で入手可能

この本は2002年に出版され、その後絶版となり、一時期は手に入らない状況でしたが、現在は電子書籍で購入することが可能です。因みに、私が持っているのは2002年1月発行の初版で、経年による色の退色を心配しています。

数多くの色の辞典が出版され、私も何冊か所有していますが、手にする回数が最も多いのはこの本です。

検定試験を目指している方はもちろん、色や色の名前に興味のある方に強くお薦めしたい1冊です。