ご覧くださって、
ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の
千葉真須美です。
本日発表された
第89回アカデミー賞では、
前評判の高かった
「ラ・ラ・ランド」が
今回最多の6部門で受賞しました。
この「ラ・ラ・ランド」、
日本では先週 24日に封切られ、
私も早速観てきました。
ビビッドカラーの楽しさ、エネルギー、ノスタルジー
50~60年代のミュージカル映画への
オマージュと、ロサンゼルスの風景
たっぷりの、誰もが楽しめる
王道ミュージカル映画です。
映像も大変美しく、
プラネタリウムに広がる銀河、
ロサンゼルスの夕焼けなど、
うっとりするような色彩美にあふれています。
中でも印象的だったのが
ファッションカラーです。
(映画チラシより) |
オープニングシーンから
赤、青、黄色 …と
鮮やかなビビッドカラーのファッションが登場します。
そして、それらはまるで画面を彩るように
スクリーンの中にバランスよく配置されています。
衣装というより美術の一部という感じです。
(アカデミー賞では美術賞も受賞)
先ほど
「50~60年代のミュージカル映画へのオマージュ…」
と述べましたが、この時代はちょうど
モノクロ映画からカラー映画への移行期です。
「雨に唄えば」「巴里のアメリカ人」など、
カラーで作られた作品は、カラフルな色彩を
見せつけるかのような色使いでした。
ビビッドカラーのファッションは
そのあたりの感覚を取り入れての
色彩構成ではないかと思います。
そして…
*ここからはネタバレですのでご注意を!*
女優を目指しているものの、
オーディションに落ち続けるヒロインは、
作品前半ではビビッドカラーを身につけています。
しかし、やがてチャンスをつかみ取り、
スターの仲間入りをした後のシーンでは、
モノトーンファッションに変わっています。
このファッションカラーの変化で、
目標に向かう情熱・エネルギーと、
成功者の貫禄や洗練された雰囲気を
表現しているように感じました。
もちろん、色彩だけでなく、
音楽も、演技やダンスも、見どころ満載ですので、
おすすめします。
ぜひご覧ください!