2017年5月30日火曜日

十五人 十五色! 塗り絵にあらわれる個性の数々

プレゼン資料

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

月に1度参加しているプレゼンテーションの勉強会で、
塗り絵に関するプレゼンを行いました。
上の画像は、その際に使用したスライドの表紙です。

60分間の発表で、
前半は塗り絵ブームや塗り絵本、色鉛筆などのご紹介を、
後半はご出席の方々に塗り絵を体験していただきました。

参加されたのは、年代が20代~50代(?)、
男性3名、女性12名、計15名のみなさまで、
ほとんどの方が塗り絵初体験でした。

このみなさまに20分という短い時間で
塗り絵を完成させていただくために、
シンプルなマンダラ塗り絵をご用意しました。

正直なところ、
「最初は戸惑われる方もいらっしゃるかな…?」
「みなさま、時間内に完成するかな…?」
と考えていましたが、そんな心配は全く無用でした。

こんなに素敵な15枚の作品が完成しました!


2017.5.25

「十人十色」という言葉がありますが、
今回はまさに「十五人十五色」
シンプルな線画でも、
同じ作品は一つもありません。

色選びや組み合せ方はもちろん、
ベタ塗りやグラデーションといった塗り方、
どのように色を配置するかという模様の分割法、
そして、どこから塗り始めるかという作業の進め方なども、
本当にお一人お一人 さまざまでした。

塗り絵には、
その方のパーソナリティが現れますね。
拝見していて、私もドキドキ、ワクワク♪
完成した作品からは 学ぶことがいっぱいです!!

塗り絵を体験されたみなさまからも、
塗ることと、他の方の作品を見ること、
どちらも大変楽しかったとのご感想をいただきました。

その上、プレゼンの勉強会ですので、
構成や話し方等についてもご意見やアドバイスをいただき、
貴重な学びの時間となりました。




2017年5月22日月曜日

色鉛筆の「赤」は 赤ではない?!~「ぬり絵でカラーレッスン」より

テーブル手前に座られた受講者さんお二人

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

先日、第10回目となる「ぬり絵でカラーレッスン」を開催しました。
今回のテーマは「色選びのヒント」
基本的な色相(色み)を確認しながら、
3色以上の配色法をいくつかご紹介しました。

はじめに色相の確認として、
お手持ちの色鉛筆で
12色の色相環を作るというワークに
チャレンジしていただきました。

カラーカード(日本色研新配色カード)を見本にして、
色から色への変化がなめらかに移行するように、
基本となる12の純色に近い色を並べていきます。

日本色研新配色カード199a photo by Masumi Chiba

24色~36色程度の色鉛筆セットがあれば
基本12色は簡単に揃うような気がしませんか?

ところが実際はそうではありません。
ピッタリの色はなかなか見つからないのです。
赤の位置に色鉛筆の「あか」を、
青の位置に色鉛筆の「あお」を使っても
なんだか違う感じがします。

受講者さんからも
「赤は赤じゃないんですね。」というお声が…。

下の画像は、
私が TOMBOの36色セットを使用して作った色相環です。
結果的に、黄色の位置に「やまぶきいろ」の色鉛筆を、
青の位置には「ぐんじょういろ」の色鉛筆を使いました。
また、半数にあたる6色は色を重ねて作った色です。


色相環ワーク

つまり、色鉛筆に刻まれたそれぞれの名前は、
その名前の色を忠実に再現しているとは限らないのです。
メーカーさん側でそう呼んでいる名前ということになりますね。

-となると、色鉛筆の名前に頼らずとも済むよう、
色を見る目を養っておくのが一番ではないかと思います。
色の感覚は磨けますので…。



■ 関連記事
カラーコーディネートの基本-2. 色の三属性その1・ 色相




2017年5月16日火曜日

塗り絵の仕上げに欠かせないひと手間

colored by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

先日の記事 に塗り絵の途中経過を掲載したところ、
カラー講座の受講者さんにとても好評でした♪
そこで、調子に乗って(笑) 今回もご用意しました。

「Desert Dreams」という塗り絵本からの作品で、
上の大きな画像が完成したものです。



全体のカラーチェックをお忘れなく!


colored by Masumi Chiba

前回の白雪姫の継母は、最初に薄く色を置き、
それをどんどん深めていきました。

それに対し、今回のウサギ(?)は
背景 → ウサギの顔 → 花 → ウサギの胴体 と、
一部分ずつ仕上げていく塗り方をしました。
途中経過を見比べると
手順の違いがお分かりいただけると思います。

さて、今回のようにパーツごとに仕上げる場合、
特に注意したいのが 全体のバランス です。
全てのパーツに色が入り、完成!-と終了するその前に、
全体のカラーチェック をしてみましょう。

塗っている時より少し離れて全体を見ると、
「ここの色がちょっと薄いかな?」、
あるいは反対に「ここが目立ちすぎる!?」などと、
それまで気づかなかった点が見えてくることがあります。
その点を調整すれば、作品の完成度がよりアップします。

さらに、私の場合はスマホで写真を撮り、
画像で全体をチェックします。
なぜなら、完成した作品をSNSや
ブログにアップすることが多いからです。

写真にすると、肌色などの淡い色は飛んでしまいがちなので、
写真で見て色が分かるように色を足すなどして調整しています。

(それでも、アップした後になって
 色のアンバランスや塗り残しに
 気づくこともあるのですが。。。)

メイクや、ファッションも同様で、
最後に全体を鏡に映してチェックしますよね。
最後のひと手間、または ダメ押しという感じで、
全体のバランスチェックを忘れずに行いましょう。




2017年5月9日火曜日

水彩色鉛筆でディズニーぬり絵 ~ 濁色で妖しい雰囲気に

colored by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美 です。

前回の記事 に引き続き、今回も 水彩色鉛筆 での
大人のぬり絵(コロリアージュ)についてです。

先日、水彩色鉛筆作品の2作目が完成しました。
「大人ディズニー 素敵なぬり絵レッスンブック」より、
白雪姫の継母(魔女)です。
完成までの経過を画像でまとめてみました。



慣れない水彩色鉛筆に悪戦苦闘


colored by Masumi Chiba

この作品は途中でギブアップしようかと考えるほど
大変苦労しました。
何が大変だったかというと、

1 細部を水筆でぼかすこと
2 水筆を使用した際の色ムラ

この2つです。

1 は主にいばらの蔓の部分です。
小さな棘の周りは色鉛筆でも神経を使いましたが、
水筆でなぞるのはそれ以上に注意と根気が必要でした。

2 は洋服や背景です。
色の濃淡や、色みの変化を滑らかに表現したいと思いましたが、
水筆でぼかしたらひどいムラができてしまい、
結局何度も重ね塗りしてカバーすることに。

細かい線画で描かれた作品や、グラデーション表現には、
ある程度の筆使いの技術や慣れが必要だと感じました。
私の場合、もっと経験が必要だと思います。


濁色を使って、ダークなイメージに


ところで、この作品では、
継母や毒りんごの妖しくダークな雰囲気を出すために
意識的に「濁色」を用いました。

濁色とは、純色にグレーを加えたくすんだ色いです。
これに対し、濁りの無い澄んだ色を「清色」といいます。
りんごの周りの黄緑色にもグレーが入っているのが
お分かりいただけるでしょうか?

濁色は清色よりもおとなしくて落ち着いた感じ、
あるいは どこか翳りのある感じや、複雑な感じを与えます。

表現したいイメージに合わせて、
清色・濁色を使い分けるのも効果的な手法です。




2017年5月4日木曜日

水彩色鉛筆で ぬり絵にチャレンジ!

colored by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美 です。

5月に入り、仙台も新緑が美しい季節となりました。
日々変化する自然の色合いは、カラーコーディネートの
最高のお手本ですね。


ところで、先々月「中村佑介ぬりえブック『COLOR ME』
第一回ぬりえコンテスト」に入賞した記念に、
自分へのプレゼントとして 水彩色鉛筆 を購入しました。

初めての水彩色鉛筆、それがこちらです!


Photo by Masumi Chiba

ファーバーカステル社の
アルブレヒト デューラー水彩色鉛筆で、
大奮発の120色セット!

なんだか使うのが惜しくて
しばらくは眺めて楽しんでいましたが (笑)、
思い切って試してみたのが一番上の作品です。

使い勝手が分からず、とりあえず普通に塗ってから
水を含ませた筆でなぞってみると…

色鉛筆の粒子が溶けてなめらかな質感になるだけでなく、
驚くほど発色が良くなりました。

色によって差はありますが、
水無しの時より 彩度(色の鮮やかさ)が
2~3段階上がったように感じます。
この鮮やかな発色は水彩色鉛筆の大きな魅力でしょうね。

その一方で、鮮やかさが増すことを念頭に置いて、
色を選んだり、塗り方を加減するなど
ちょっとした工夫が必要だと思いました。
水無し・水ありの色の変化が分かるように
カラーチャートを作っておくのも良さそうです。

それから、水彩色鉛筆作品は写真うつりが良いです。
色鉛筆作品を写真にすると、色が飛んでしまうことが多いのですが、
水彩色鉛筆作品は実物に近い鮮やかさです。
SNSに向きそうです。

初めて水彩色鉛筆を使った感想はこんなところですが、
これからまた気付いた点などありましたら
ぬり絵作品と共にご紹介したいと思っています。