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YAHOO!ニュースより |
ご覧いただき、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。
今年の夏は酷暑で、気温が40度を超す地域も見られます。
みなさま、くれぐれも体調管理にお気を付けくださいね。
さて、今日は色の温度感についてのお話です。
天気予報で見かける真っ赤な日本地図
テレビやネットの天気予報で、最高気温を色で示した日本地図がよく登場します。
多くの地域が真っ赤に染まり、一部には深い紫が使われています。
地図に添えられた凡例(上の画像では右下)によると、紫は35度以上、赤は30~35度を示しており、紫は赤よりも暑い地域に使われています。
紫は赤よりも暑さを感じる?
色から受ける温度感により、色は次の3種類に分類できます。
・暖色 : 赤・橙・黄
・寒色 : 青緑、青
・中性色 : 黄緑、緑、青紫、紫、赤紫
※赤紫は暖色に分類される場合もあります。詳細は下の関連記事をご覧ください。
この分類でいうと、紫は中性色で暖かさを感じる色ではありません。
では、なぜ紫が赤よりも暑い地域の色に使われているのでしょう?
日本地図に添えられた凡例を見ると、最も寒い気温は寒色の青で示され、
気温が上がるにつれて青緑、黄緑、黄、橙、赤へと移行しています。
この流れは上の色相環で青から反時計回りに進む色の変化とほぼ一致しています。
この流れで行くと、赤の次は赤紫、紫となり、天気予報ではこの色相の変化を取り入れたと考えられます。
また、紫は赤よりも明度が低く、重い印象を与えます。
この重さは、体温を超えるような暑さの重苦しさに通じるイメージかもしれません。
色に対する感覚は、慣れで変わる
色の感覚やイメージは社会の変化や習慣に影響されることがあります。
理論上は中性色の紫も、このように赤よりも暑い色として使わることで、
「紫=超暑い色」というイメージが人々の間に定着するかもしれません。
そのうち紫が暖色に分類されるようになる日が来るかもしれませんね。
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