2022年1月10日月曜日

「セール」表示の 視覚効果、心理効果、連想イメージ

色のトリセツ・「セール」表示の視覚効果、心理効果、連想イメージ

ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の 千葉真須美 です。

セールの表示といえば、ほとんどが赤い背景に白い文字です。
面積の広い背景が赤ですので、赤の影響が大きいのですが、
その色彩効果についてまとめてみました。


視覚効果~誘目性、進出効果

誘目性とは目を引きつける度合いのことで、
赤は誘目性が大変高い色です。
街中や人混みの中、店舗内でもかなり目立ちます。

また、赤は進出色でもあり、実際の位置よりも
手前側に迫って見えます。
そのためアピール効果は抜群で、
赤い表示に無意識に目が行ってしまいます。


心理効果~興奮色

赤は見る人を興奮させる色(興奮色)です。
興奮状態では「欲しい!」「買わなきゃ!」という気持ちが高まり、
商品購入のアクションを起こしやすくなります。
その結果衝動買いというケースもありそうですね。

因みに、青の場合は心身の働きが沈静化し、
冷静な判断がしやすくなります。


連想するイメージ~赤字、赤札、出血大サービスなど

簿記で不足額を赤い文字で記載することから、
決算の収支がマイナスであることを「赤字」と言います。
(その反対が「黒字」です。)
店舗や商品で赤い文字の表示を目にすると、
通常の価格よりマイナスされた「値引き価格」や、
「店舗が赤字になるほどの割引」などが連想されます。

実際に「赤札」と言えば特価品であることを示します。
赤字覚悟の大幅値引き販売の「出血大サービス」は、
「出血」に赤のイメージが重なっているようです。

余談ですが、これらの「赤字」イメージから、
赤い財布を避ける方もいらっしゃいます。

さらに、赤と白の配色はお祭りや式典でよく見られるため、
紅白で彩られたセール会場にはイベント的な雰囲気が生じます。
イベントとなれば気分も盛り上がり…。


このような赤の効果をあらかじめ頭に置いておけば、
セール会場でも衝動買いに走らずに
冷静なお買い物ができるかもしれません。