2021年5月25日火曜日

「誘目性」と「視認性」を身近な例で解説

誘目性と視認性

ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

カラーコーディネーター検定試験・スタンダードクラスの
公式テキストで最初に登場する重要語句は
「誘目性」「視認性」です。
今日はこの2つについてご説明します。



誘目性とは?視認性とは? それぞれの意味と実例


誘目性とは、
目を引きつける性質のことで、目立ちやすさのことです。
誘目性が高い色は、赤、橙、黄などの鮮やかな暖色です。

視認性は、
文字や形が遠くからでもよく見える、
あるいは見つけやすいといった見えやすさのことです。
視認性は背景色との明度差に関係し、
その差が大きいほど視認性が高くなります。

では、上の写真の看板で確認してみましょう。
(手前の看板は左端をモザイク加工をしています)


■誘目性

画像の中で目を引くのは、どの看板でしょうか?

病院・薬局が4件並んだ看板は、画面の中央近くに位置し、
面積も大きいので目が行きやすいのですね。
しかし、この看板に注目している最中でも、
画面右上にある赤い看板が目に入ってきませんか?
遠くにあって、面積もそれほど大きくないのに
しっかりと目立っています。
これが誘目性が高いということです。



■視認性

次は視認性です。
病院・薬局の看板は、白地に黒い文字がくっきりと描かれ、
視認性抜群です。

続いて、看板の右端にある階の表示を比較してみましょう。
(比較しやすいよう同じ配色を画像右側に作りました)
最も見えやすいのは Bの 黒文字 + 黄色い背景、
続いて Aの 白文字+深い青の背景 ですね。
どちらも明度差の大きな組み合わせです。

では、最も見えにくいのは?

これはC。白文字+黄緑の背景 はどちらも明度が高いので、
明度差が小さく、視認性はあまり良くありません。
もっと見えやすくするには、例えば、文字色を黒にして
黄緑との明度差を大きくします。


視認性

いかがでしょうか?

誘目性と視認性は、このような看板やディスプレイの他
プレゼンのスライドなどにも応用できますね。