2015年12月25日金曜日

カラーコーディネート実践編-5. トーンによる きわだちの配色

Photo by Masumi Chiba

ご覧くださってありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

ブログ上のカラーコーディネート講座、
前回は色相できわだちの配色をつくりました。
今回は 「トーン」 を利用してつくるきわだちの配色です。



離れたトーンの色を組合せて きわだたせる


色相の場合と同様に、
トーンの差が大きい色を組み合わせると、
色の違いが明確になり
それぞれの色がきわだちます。

トーンどうしの差を大きくするには、
トーンマップ上での位置関係が
できるだけ離れたトーンを選びます。



















例えば、
ペールトーン と ビビッドトーン 、
ライトトーン と ダークトーン などのような関係です。

すると、同じ赤系の色相でも、
それぞれの色の差がハッキリします。

上の写真では、
缶のラベルデザインが同系色でまとめられています。

しかし、トーンの差が大きいため、
きわだち感が強く、メリハリがあって、
文字が明確に読み取れますね。

また、
離れたトーンどうしを組み合わせる場合
縦方向、 横方向、 斜め方向 と
3つのパターンが考えられます。

縦方向の場合は 明度の差が、
横方向の場合は 彩度の差が、
斜め方向では 明度と彩度の差が大きくなります。




2015年12月17日木曜日

カラーコーディネート実践編-4. 色相による きわだちの配色

Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

ブログ上でお伝えしているカラーコーディネート講座では、
実践編として 前回・前々回と「まとまりの配色」をご紹介しました。
今回は「きわだちの配色」 についてです。



色相差を利用して各色をきわだたせる


まとまりの配色と同様に色相を利用してきわだち感をつくることができます。
色相差が大きい色を組み合わせると、色の違いが明確になり
それぞれの色がきわだちます。

色相差を大きくするには、色相環上での距離をできるだけ遠くします。
距離が最も遠い色は、色相環の中心を挟んで向かい合う色どうしです。















例えば、
 黄 青紫 、    青緑 といった関係です。

真向いだけでなく、その両隣の色も OK です。
 黄  と   、  と   などですね。
上の写真のポインセチアは、花が赤紫、
葉が緑で、色相環上の距離が遠く、
きわだち感の強い組み合わせです。

因みに、色相環上で向かい合う2色を
「補色」 といいます。

補色関係にある2色は、
お互いの色をより鮮やかに引き立てます。
色をハッキリと鮮やかに見せたい場合は
この補色の効果を利用すると良いですね。




2015年12月9日水曜日

2016年を象徴する色 PANTONE Color of the Year 2016


ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

先週末、パントン社が選ぶ来年の色
"PANTONE Color of the Year 2016" が
発表されました。

選ばれたのは

"Rose Quartz  Serenity" 
ローズ・クォーツセレニティ

2つの色が選ばれたのは、今回が初めてです。

暖色と寒色の組み合わせですが、
どちらも明るく柔らかなトーンで、
優しい雰囲気が感じられる色ですね。

不安やストレスの多い現代社会で
精神的な安定や安心感を求める人々を
暖かく包んでくれる ローズ・クォーツ
リラックスさせてくれる セレニティ

この2つの色は、
男女の平等性や可変性といった意味も含んでいます。

キーワードは、

 ・ BALANCE (調和)
 ・ CALMING (穏やかさ)
 ・ WELLNESS (健康)
 ・ COMPATIBLE (両立性)
 ・ DUALITY (相対性)
 ・ TRANQUILITY (平静)

まさに時代を反映している色と言えそうです。


* 画像は PANTONE の ウェブサイト よりお借りしました




2015年12月3日木曜日

カラーコーディネート実践編-3. トーンによる まとまりの配色

photo by Masumi Chiba


ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

ブログ上のカラーコーディネート講座は
引き続き「まとまりの配色」についてです。
今回ご紹介するのは
トーン を利用してまとめる方法です。



同じ、または近いトーンでまとめた調和


トーン とは、色の三属性の中の
「明度」 と 「彩度」 の組み合わせです。

一つのトーン、または近いトーンの色を
組み合わせることで、
まとまりのある配色となります。

下の図はトーンマップといい、
トーンのバリエーションと位置関係を
示したものです。















この中で一つのトーン、
あるいは隣合うトーンの色を用います。

例えば、上の写真の建物は、
ペールやライトあたりのトーンで
構成されていて、カラフルでありながら
全体の統一感を感じます。

対照的な色相である も、
 赤   緑  というように、
ダークトーンでそろえると
まとまった印象となります。

このトーンによるまとまりは、
トーンの彩度が低い
(トーンマップの左寄りの位置)ほど
まとまり感が強くなります。

組み合わせる色数が多い場合は、
このようにトーンを近づけることで
まとめるのがおすすめです。