Photo by Masumi Chiba |
ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。
ブログでの 「カラーコーディネート講座」 、
今回の12回目で基本編は最後となります。
テーマは色の 「トーン」 についてです。
「トーン」は 明度 + 彩度
「トーン」 とは何か?
「ちょっとトーンを変えてみましょう!」 ―なんて、
ファッション・コーディネートや ヘア・カラーリングの際に
耳にされたことはありませんか?
トーンとは、「色調」 のことです。
具体的にいうと、
これまでにご説明した「明度」と「彩度」の組み合わせです。
下の図は、トーンが変化すると、
色はどのように変化するかを表したもので、
赤のトーンのバリエーションが示されています。
図の縦軸は明度(色の明るさ)を表し、
上にいくほど明るい色となります。
横軸は彩度(色の鮮やかさ)で、
右にいくほど鮮やかな色となります。
右端の赤は最も鮮やかな色(=純色)です。
明度は中位に位置していますね。
この赤を基準に考えると・・・
左上の淡いピンク色は、
赤の明度を高くすると同時に、彩度を低くした色です。
また、左下のチョコレート色は、
赤の明度と彩度の両方を低くした色です。
ピンク色も、チョコレート色も、
じつは赤のトーンを変化させた色で、
赤のバリエーションの一つということができます。
このように、 「トーンを変える」 ということは、
一つの色相(色み)の明るさ・鮮やかさを変えることです。
赤をオレンジ色に近づけたり、赤紫色に近づけたりすることは、
色相を変えることですので、トーンを変えることにはなりません。
しかし、実際にファッションやヘアカラーなどにおいては、
色相の変化も含めて、色のニュアンスを変える場合に
「トーンを変える」と表現されることが多いようです。
それでも、色を扱うためには、
「トーンとは何か?」 という概念を
しっかりおさえていただきたいと思います。