2015年8月17日月曜日

カラーコーディネート|基本③-2 明度による心理への影響

明るいピンクの花びらが光を受けて輝く様子(明度の違いによる印象の変化を表現)
Photo by Masumi Chiba

前回からちょっと間が空いてしまいましたが、「カラーコーディネート講座」 の続きをお送りします。


色の三属性その2・ 明度

明度(色の明るさ)について押さえていただきたいこと、前回ご紹介した「メリハリ感・きわだち感」に続き2つ目は …


2、明度による心理効果

心理効果、-つまり、目にしたものがどのように見えるか?という、色の見え方・感じ方です。 明度によって、対象物の見え方がどのように変化するか、代表的な例を3つご紹介します。


(1) 大きさの感覚への影響

明度が高い色は、大きく膨張して見えます。
明度が低い色は、小さく収縮して見えます。

よく、白い服は太って、黒い服はやせて見える、なんて言いますね。ズバリ、そのことです。これは、「白・黒」という具体的な色ではなく、「明るい色・暗い色」と明度で捉えてください。


(2) 重さの感覚への影響

明度が高い色は、軽く見えます。
明度が低い色は、重く見えます。

室内の配色では、天井は明るい色に、床は天井や壁よりも暗い色に-という組み合わせが一般的です。この場合は、軽く見えるものが上に、重く見えるものが下にある方が、安定感が得られるからです。


(3) 質感への影響

明度が高い色は、柔らかく見えます。
明度が低い色は、硬く見えます。

上の写真の淡いピンクの花は、背後の濃いピンクの花よりも柔らかに見えますね。
後ろの花をぼかして撮っていますが、それでもやはり淡いピンクのほうが柔らかく感じます。

このように、同じ大きさ、同じ重量、同じ柔らかさ・硬さであっても、色の明度が変わると見た目の印象が違ってきます。

この効果を利用して、大きく見せたいから明るい色に、硬く見せたいから暗い色に…などと、明度を利用して見た目を変えることもできるのです。



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