2019年7月8日月曜日

赤に純粋さを感じた映画「新聞記者」

ご覧くださって
ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の
千葉真須美 です。


先週久しぶりに日本映画を
観に行きました。
現在公開中の話題作
「新聞記者」です。

政府の極秘情報を突き止め
ようとする女性新聞記者と、
元上司の自殺の背景を探る
内調(内閣情報調査室)の
官僚が主人公です。




画面で目を引く「赤」が伝える物


この作品で印象的だったのは
シム・ウンギョンさん(上の画像の左側)が演じる
女性記者が身に付けていたニットやマフラーの「赤」です。

ポスターやチラシではかなり暗い色合いですが、
画面で見ると、派手でも地味でもない可愛い赤でした。
この赤い色が、黒やグレーの多いオフィス、
冬の街並み、あるいはスーツ姿の男性たちの
中で目を引きます。

「目を引く」ということは、
何らかの意図があって選ばれた色に違いありません。

では、なぜこの赤が使われたのでしょう?

女性らしさをアピール?
それとも、仕事にかける熱意・情熱の象徴?

私が感じたのは「純粋さ」です。

先ほど「可愛い赤」と書いた通り、私の目には
新聞記者としてバリバリ仕事している女性にしては
なんとなく少女っぽい赤に感じられました。
そのため、真相究明へと突き進む彼女の姿に、
純粋で真っ直ぐなイメージが加わって見えました。

一方、松坂桃李くん演ずる内調の官僚は、
職務に疑問を持ちながらも、
家族や自分の立場を案じ思い悩みます。

真っ直ぐな彼女と、苦悩する彼。
二人の対照的な姿が「赤」によって
強調されていたと思います。

あなたの目にはどう映るでしょうか?
ぜひ映画でお確かめください。