2017年10月30日月曜日

ワークをチラリとお見せします!~カラーコーディネート講座

Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の 千葉真須美 です。

今日は 現在開講中の「カラーコーディネート講座」
使用しているカラーワークをチラっとご紹介します。

このブログで繰り返し申し上げていますが、
色使いの上達には アウトプット が欠かせません。

色に関する知識をインプットしたら、
必ずアウトプットする。

そのために、毎回 衣・食・住を中心とした
さまざまなワークをご用意しています。

上の写真は「フードカラー」のワークの一部です。
それぞれの料理が
美味しそうに見えるお皿の色 と、
美味しそうに見えないお皿の色
考えていただきました。

食欲を増進させる色は?
食欲を減退させる色は?
お料理を引き立てる色は?・・・

これまでインプットした知識を活用して、
目的に合った色を選んでいただきます。

そして、これらの絵を切り取り、
選んだ色のカードの上に乗せて
実際の見え方を確認します。

お皿と言えば「白」が思い浮かびますが、
意外な色がお料理を引き立てたりします♪



by Masumi Chiba

こちらは「ファッションカラー」のワークです。
(制作途中の写真なので、ペンや消しゴムが写ってます。)

この子の帽子からシューズまで
各アイテムをカラーコーディネートして、
色鉛筆で塗っていただきました。

男の子にも、女の子にも見える子ども(のつもり)なので、
まずは性別から決めていただきます。

そして、どんなイメージにしたいか を考えます。

元気いっぱいの男の子、
ナチュラル感のある男の子、
お洒落に目覚めた女の子・・・

色とイメージの関係を活用して、
イメージに適した色でコーディネートします。

同じ絵から、
何人もの個性豊かな子どもたちが出来上がります。

どのワークも、受講者さんは最初に
「難しいー!」とおっしゃいます。
しかし、しばしの沈黙の後、黙々と作業を始められ、
出来上がってみるとどの作品も素敵です。
真剣に取り組んでいただいたことが伝わってきて、
毎回講師冥利に尽きる思いです。

アウトプットを繰り返して、
色のアイディアの引き出しを増やしていく。

そのためのカラーワークを、来月スタートする
「カラーコーディネート講座/アドバンス」でも
出来る限り取り入れていきたいと思っています。




2017年10月15日日曜日

初めての思えない仕上り!~「ぬり絵でカラーレッスン」受講者さんの作品


第12回「ぬり絵でカラーレッスン」受講者さんの作品

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

先日の記事で「ぬり絵でカラーレッスン」の
ご報告をした際に、ある受講者さんの作品をご紹介しました。
講座終了時にこの作品はまだ途中でしたが、
その後 大変嬉しいことに、受講者さんが完成作の写真を
送ってくださいました。それが上の画像です。

塗り始める前に選ばれた 赤、黄、オレンジ、紫、青 が
バランスよく配置されていますね。
背景色は予定していた黒から
淡いグリーン系とブルー系の色に変更し、
上からグレーを重ねたそうです。
背景色の濃淡によって画面に穏やかな流れができました。
花々が緩やかに揺れているように感じますね。

この方、なんと今回がぬり絵初挑戦!
初めての作品とは思えない素敵な仕上りです。
これからもぬり絵を楽しみながら、
色の世界を広げていただけたらと思います。




2017年10月10日火曜日

周りの色で主役の印象も変わる ~「ルオーのまなざし 表現への情熱」展より

Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

今日は、宮城県美術館で観た
「ルオーのまなざし 表現への情熱」展 について
ちょっと変わったポイントでご報告したいと思います。



フレーム・カラーによる印象の変化


ジョルジュ・ルオー は、
19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍した
フランスの画家です。

暗い作品のイメージが強く
あまり好きなタイプではないので、
展覧会が開催されると聞いても
正直なところ興味がありませんでした。

しかし、街中でこちらのポスターを目にし、
「あれっ!?こんな明るい作品だったっけ?」と思い、
色の勉強を兼ねて観に行くことに…。



















そして、会場に足を踏み入れると…
やっぱり暗い!

黒で描かれた太い輪郭線に暗い色調。
晩年の作品には鮮やかな色使いも見られますが、
全体的に黒とダークカラーの印象が強く残りました。
ポスターから受けたイメージとは違っていました。

そこで感じたのが、
このポスターの色使いの上手さです。

ポスターのベースカラーは暖かみのある黄色です。
この黄色は作品の中で使われている色なので、
作品との一体感を生み出しています。
また、青の補色ですので、
ブルー系の色をあざやかに見せています。

さらに、黄色の面積が多いので、
ポスター全体がまるでひまわりの花のような
明るく元気なイメージを見る人に与えます。

これらの効果を検証するために、
画像加工ソフトで黄色を白に変えてみたのが
こちらです。



















いかがでしょう?
印象がかなり変わりますね。
白も明るくメリハリがあって悪くはないのですが、
私は黄色のポスターの方が断然好きです。
作品のインパクトが増していると思います。

このように 周り(フレーム)の色が
作品のイメージをこんなにも変えてしまうことを
あらためて実感しました。




2017年10月2日月曜日

第12回「ぬり絵でカラーレッスン」開催レポート

Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

先日第12回目となる「ぬり絵でカラーレッスン」を開催しました。
テーマは「フラワーモチーフのポストカード」。
上の写真の右側に写っている
カルトドゥコロリアージュ(Cartes de Coloriage)を
教材として使用しました。

こちらのポストカードぬり絵は、
ぬり絵や画材にお詳しいぬり絵仲間の方から
教えていただいたものです。
紙質も良いし、同じ絵柄が3枚ずつ入っていて
誰かとシェアできるという優れもの♪

講座は まず好きな線画を選ぶことから始めました。
線画が決まったら、
どのようなイメージの作品に仕上げたいか
あれこれ思い描きます。
そして 頭に思い浮かんでくるイメージを
簡単な言葉で書き留めていきます。

今度は、書き記された言葉に
ふさわしい色を選んでいきます。
メインカラー、サブカラー、
そしてそれらに合わせた背景色。

作品を構成する色が決まったら、
それぞれの色を線画の上に配置します。



Photo by Masumi Chiba

この方のイメージは「明るい色調のタペストリー」
色は 赤、黄、オレンジ、紫、青 などに決まりました。
選んだ色で構成するということで、花の茎や葉は 青 に。

この青が入ったことで、
「自然の植物」という雰囲気ではなく、
「タペストリーの模様(柄)」であるという感じが
強まりましたね。
色の組み合せも大変美しいと思います。

もちろん ワークの中では 色の選び方だけでなく、
色調のコントロール法や立体感の出し方など
テクニックに関するアドバイスも行いました。

ぬり絵は、自分が好きな色を並べてみたり、
実際の物ごとに忠実なリアルな色を選んだり、
さまざまな楽しみ方があります。

今回のように思い描いたイメージを表現するために
色を選ぶという方法もおすすめです。
作品の世界観がより一層深まることと思います。