2017年8月28日月曜日

上手な色選びができるようになるには?

上手な色選びができるようになるには?
Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。


前回の記事
「色の試験に合格しても、
 色選びがスムーズになるとは限らない」
の最後にお伝えしました通り、
今日のテーマは「上手な色選び」についてです。



的確な色をスムーズに選ぶために


「どうしたら色を上手に選べるようになりますか?」

というご質問をたびたび受けます。

「どうしたら」という方法の前に、
まず「上手な色選び」について考えてみましょう。

「上手な色選び」とは
具体的にどんなことでしょう?

短時間でさっと選べること?
それとも、美しい配色ができること?

私が考える「上手な色選び」とは、
「目的を達成できる色を選ぶ」ということです。

こんなふうに見せたい、こんな効果が欲しい …
という思い(=目的)を叶えてくれる色を
的確に選べるのが上手な色選びだと思います。

例として、テーブルクロスで考えてみましょう。
テーブルクロスの色を選ぶ際、
どんな目的が考えられるでしょうか?

 ・食欲を増す
 ・家族の会話がはずむ
 ・お部屋のポイントになる
 ・お部屋に溶け込む ・・・

このような項目が挙がったとします。
それぞれの項目を達成してくれる色を考えてみると、

 ・食欲を増す
    → 食欲増進効果のある 暖色系の色

 ・家族の会話がはずむ
    → 気持ちを明るくしコミュニケーションを
     促進する 黄色~橙色系の色

 ・お部屋のポイントになる
    → 室内の色の中でアクセント効果のある色

 ・お部屋に溶け込む
    → 室内の色によくなじむ色


―と、色が絞られていきますね。
このように、

  色選びの目的を明確にする
    ↓  ↓  ↓ 
  目的を達成する色を選ぶ

これが「上手な色選び」であると考えています。

では、この作業をスムーズに行えるようになるには
どんなことが必要かというと、

 ・常に色選びの目的を意識すること
 ・適した色を選ぶための色の知識を得ること

この2つです。

ぬり絵で考えてみても、
「この部分を目立たせたかったので
 鮮やかな赤で塗りました」
などという場合

目的=目立たせる
知識=目を引きやすいのは鮮やかな暖色

とうことで、
2つのポイントが活かされています。

色選びの目的を意識する、色の知識を得る、
この2つで、色選びの技術はグンとアップするはずです!



2017年8月21日月曜日

色の試験に合格しても、色選びがスムーズになるとは限らない

色の学習
Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

本日のブログ・タイトル

「色の試験に合格しても、
 色選びがスムーズになるとは限らない」

これは私の経験によるものです。

もうずいぶんと前のことですが、
フラワーデザイナーの資格を取得した私は
「色選びが上手になりたい!」と思い、
とりあえず 色彩検定(当時の「ファッションカラー
コーディネート検定」)を受験することにしました。
そして、公式テキストを購入して独学で学習し、
併願受験で一気に2級・3級を取得しました。

ところが、試験に合格しても
スムーズに色選びができるようにはなりませんでした。
試験で問われるような知識を得るだけでは不十分なのです。
得た知識を活かす練習が必要です。

では、どんな練習が必要でしょう?



色選力を身に付けるにはアウトプットが必要


それは、アウトプットの練習 です。

○○○ な時は こんな色、
△△△ な場合は あんな色 … と、
色の知識を利用して、
求められる色を選び出す作業を繰り返します。

何度もアウトプットすることで、
頭の中に色選びの回路ができ、
スムーズに色を選べるようになります。

また、アウトプット作業でたくさんの色に触れるうちに
おのずと色彩感覚も磨かれていきます。

10月にスタートする
「カラーコーディネート講座ベーシック」 では
カラーカードや色鉛筆を使って、
アウトプットの練習をできる限り行いたいと考えています。

次回は「上手な色選び」について
お話したいと思います。




2017年8月14日月曜日

黒は吸血鬼を守る色?~「夜を歩く士(ソンビ)」

Photo by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

最近見始めた韓国ドラマ
「夜を歩く士(ソンビ)」で、
を上手に使っているなぁ~と感じたので、
今日はそのお話を。




黒の機能とイメージを活用


このドラマは時代劇で、
吸血鬼:ヴァンパイア のお話です。

国王を影で操る 悪の吸血鬼 に対抗する 良い吸血鬼 が
その力をある高貴な青年(主人公)に託します。
不本意にも吸血鬼にされてしまった青年ですが、
長い時を超えて友人の仇でもある悪の吸血鬼を
倒そうとしますが… というストーリー。

青年が吸血鬼となったとき、
師匠的存在の良い吸血鬼は
このようなアドバイスをします。

身を守るために、
黒い衣は絶対に脱いではいけない。

吸血鬼は太陽の光を浴びると死んでしまいますよね?
ドラキュラ伯爵などは、昼間は棺桶の中で眠り、
夜になってから行動していました。

しかし、それでは物語が進まないということで、
黒 という色を利用したようです。

黒は 色の中で光を最も吸収する色 です。
日焼け防止用の日傘や手袋も、
紫外線吸収効果を狙って
黒が良く使われていますね。

黒が光を太陽光を吸収してくれるので、
黒い衣を身につけていれば、
吸血鬼でも昼間に行動できる、
-そんな設定にしたのではないかと…。











また、黒にはどこか謎めいた雰囲気や、
ダークなイメージがあります。
同時に高級感や洗練されたイメージもあるので、
この身分の高い青年吸血鬼にはピッタリ!

ということで、このドラマでは
黒という色の機能とイメージの両方を
上手く活かしていると思いました。