2016年10月31日月曜日

大人のぬり絵/色選びのヒント 4 ~ 安定感とアクティブ感

by Masumi Chiba

ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

明日から11月です。今年も残すところあと 2ヶ月。
そして、11月13日の色彩検定まで 2週間を切りました。
私の対策講座も今週から総まとめに入ります。

受験されるみなさま、ラストスパートです!
体調管理に気をつけながら、頑張リましょう!!

さて、今回も色彩検定3級の試験範囲から、
コロリアージュ(大人の塗り絵)に応用できる
配色方法のご紹介です。



軽そうに見える色、重そうに見える色


上の作品は、私が少し前に仕上げたもので、
ジョハンナ・バスフォード作「ふしぎな王国」の中の一枚です。
オレンジ、グリーン、パープルの 3色を中心に配色しました。
そして、画面全体に安定感が出るよう、
明るいオレンジを上に、オレンジよりも暗いグリーンと
パープルを下に配置しました。

このように、上方を明い色、下方を暗い色にすると
安定感が生まれます。
これは、色による心理効果の影響です。

色には、軽そうに見える色と、重そうに見える色があります。
このような重さに関する感覚を 「軽重感」 といいます。

軽重感には色の明るさ(明度)が関与し、
明るい色ほど 軽く見えますし、
反対に暗い色ほど 重く見えます。

また、人は、軽いものが上、重いものが下、
という配置から安定感や安心感を受けます。
ですから、インテリアカラーも、
天井は明るい色、床は暗い色という配色が多いですね。

では、逆のパターンで、
上方を暗い色、下方を明るい色にすると どうでしょう?
この場合、安定感と反対で、
どこか不安定な感じになります。

不安定というと、なんとなくネガティブなイメージがありますが、
けっしてそんなことはありません。
不安定、つまり 安定していない感じ は、
動的 なイメージにつながります。
この点を利用して、スポーティーさやダイナミック感を
つくることができます。

画面を安定させたいか?
それとも アクティブな感じにしたいか?

このような視点から全体的な色の配置を決めるのも
一つの方法です。
ぜひ一度お試しください。


*関連記事*
大人のぬり絵/色選びのヒント 3 ~ 色で奥行きを演出




2016年10月10日月曜日

大人のぬり絵/色選びのヒント 3 ~ 色で奥行きを演出

by Masumi Chiba


ご覧くださって、ありがとうございます!
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。

11月13日に実施される色彩検定試験まで、
あと約1ヶ月となりました。
私が行っている対策講座や個人指導も後半へと進み、
しだいに緊張感が高まりつつあります。

今回受験されるみなさま、
残り1ヶ月、ここからが勝負です。
合格に向けて頑張ってまいりましょう!

一方、芸術の秋を満喫したいという方には、
手軽に楽しめるコロリアージュ(大人の塗り絵)を
おススメします。

-ということで、
今日は色彩検定3級の範囲に含まれる内容で、
コロリアージュにも応用できる配色法の一つをご紹介します。



進出色・後退色で奥行きの表現にチャレンジ


上のコロリアージュは、ジョハンナ・バスフォードさんの
「ふしぎな王国」 の中の一作を塗ったものです。
(ジョハンナさんは、コロリアージュ・ブームの火付け役である
「ひみつの花園」の作者です。)

アイディアとしては、このユニークなトラの線画を、
だまし絵(不思議絵)のような雰囲気に
仕上げたいと思いました。 

そこで、外側に額縁を描き、額縁から飛び出ている葉と、 
トラが横たわる草むらとの間に奥行きを出したいと考えました。




















奥行きを作るために使用したのが、
進出色後退色 です。

実際は同じ位置にあっても、色によって近くにあるように感じたり
遠くにあるように感じたりすることがあります。

近づいて見える色を 進出色
遠ざかって見える色を 後退色 といいます。

進出色は暖色系の色で、
効果はおおよそ 赤>赤紫>橙>黄色>黄緑 です。
後退色は寒色系の色で、
効果は 青>紫 >青緑 です。

これらの色の効果を利用して、
画の中央の引込めたい部分は緑に青を重ね、
周りの近づけたい部分は黄色系の額縁に
赤紫、橙、黄緑を配置してみました。

さて、その結果はいかがでしょう?
奥行きを感じていただけると嬉しいのですが…。