「女子中学生の小さな大発見」新潮文庫 |
ご覧くださって、ありがとうございます。
カラーリスト・色彩講師の千葉真須美です。
先日、夏休みらしい雰囲気の本を読みました。
タイトルは「女子中学生の小さな大発見」。
女子中学生によるちょっとした実験や観察をまとめたもので、
クスッと笑ってしまうユニークな内容です。
今年の「新潮文庫の100冊」の1冊でもあります。
この中に
「サインペンの黒色は何色からできているか?」
という、気になる実験がありました。
黒は何色からできているか? 実験で確認
実験方法は、コーヒーフィルターにサインペンで印をつけ、
水でにじませて色の変化を観察するというもので、
結果として、メーカーによって異なること、
黒と言っても、青、オレンジ、ピンク、緑、紫など
いろいろな色が混じっていることがわかったそうです。
色彩学の基礎的な内容(色彩検定3級レベル)の一つに
「混色」があります。混色とは「2色以上の色を
混ぜ合わせて他の色をつくること」です。
絵の具などの色材は、
三原色の シアン、マゼンダ、イエロー を混ぜると
黒(厳密には黒に近い色)になりますが、それとは反対に
黒の中に含まれている色を見つけようとしたのがこの実験ですね。
簡単な実験なので、私も真似してみました♪
キッチンペーパーに、ペンテルとステッドラーの
2種類の黒サインペンで丸を描きます。
左/ペンテル、 右/ステッドラー |
その上に水を数滴たらしてみると…
左/ペンテル、 右/ステッドラー |
左のペンテルからは少々緑みを帯びた青が、
右のステッドラーからは紫、オレンジ、黄色などが現れました。
ペンテルは筆記具、ステッドラーは画材という点が
このような色の複雑さの違いとなっているのでしょう。
「黒」はさまざまな色を含んでいるということが
自分自身の目で簡単に確認できて面白いですね。
テキストで理論を学ぶだけでなく、
時には自分で試してみることの大切さを再認識しました。