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| Photo by Masumi Chiba |
今日は、宮城県美術館で観た「ルオーのまなざし 表現への情熱」展について、ちょっと変わったポイントでご報告したいと思います。
■ ポスターの配色による印象の変化
ジョルジュ・ルオーは19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したフランスの画家です。
私個人のルオーに対するイメージは「暗い作品が多い」というもので、ルオーファンには申し訳ないのですが、あまり好きなタイプではありません。展覧会が開催されると聞いても、正直なところ興味がありませんでした。
ところが、街中で下の画像のポスターを目にし、「あれっ!?こんな明るい作品だった?」と思い、観に行くことに…。
そして、会場に足を踏み入れると…、やっぱり暗い。
黒で描かれた太い輪郭線に暗い色調。晩年の作品には鮮やかな色使いも見られますが、全体的に黒とダークカラーの印象が強く残り、 ポスターから受けたイメージとは違っていました。
そこで感じたのが、このポスターの色使いの巧さです。
ポスターのベースカラーは暖かみのある黄色です。この黄色は作品の中で使われている色の一つなので、作品との一体感を生み出しています。また、青の対照色相ですので、作品の中の青をあざやかに見せています。
さらに、黄色の面積が多いので、ポスター全体がまるでひまわりの花のような明るく元気なイメージを見る人に与えます。
これらの効果を検証するために、画像加工ソフトで黄色を白に変えてみたのが下の画像です。
いかがでしょう?白も明るくメリハリが効いていますが、黄色の方が元気なイメージが強く、作品のインパクトを高めていると思います。見る人がより惹きつけられるのは、黄色いポスターの方ではないでしょうか。
ルオーの物憂げな作品世界を楽しむとともに、明るい作品をさらに魅力的に見せてアピールするポスターデザインにも感心した展覧会でした。


